2012年7月29日 猿岩KGカンテへのアプローチ苦行

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岩手県の焼石岳登山口そばにある、胆沢ダム。
このほとりに猿岩という標高600m足らずの岩山がある。
東北でマルチピッチで登れる数少ないクライミングスポットだというが
岩手宮城内陸地震で、アプローチの登山道が崖崩れに呑まれ、
崩壊している。
やがてその崩壊した登山道も、ダムに沈むため
復旧の見込みはないようだ。
なお、この山には県指定の
天然記念物「猿岩ユキツバキ群落」がある。
また於呂閇志胆沢川神社のご神体として、
地元住民の信仰の対象となっているようだ。
入山の際には十分に気を付けたい。

通行止めのぎりぎりまで車を入れて、
そこから歩き始める。時刻は8時ちょい過ぎ。
ここから猿岩の崩壊した斜面が見える。

20分ほどダム沿いに歩けば、猿岩トンネルが現れる。
猿岩トンネルは恐ろしげな噂のトンネルとのこと。
車一台やっと通れるくらいの巾の、ちっさなトンネル。
その手前を右に進むと、草がぼうぼうに繁った林道が
やがて崩れた岩に飲み込まれて途絶える。

崩壊ポイント。
地震から数年しか経過していないこともあり、
浮き石が多く、危険な場所だと思った。
急いで通過。

なんてったってこれだもの。
崩壊進行形感たっぷり。

その後、樹林帯があり、うっすらと登山道らしきものが
確認できる。

てっきり崩壊の岩場歩きは一回かと思ったら、
またしても前方に、崩れたての岩肌が。
本日も真夏日。標高の低い場所だし、岩だしで
汗が乾く暇がない。

再び崩壊ポイント。大きな岩が累々と。
この脇、ダム側に樹林帯がありそこには草に埋もれた、
登山道がある。

途中で2㎝ぐらいしかないクワガタ発見。
とにかく小さくてびっくり。

何の花だろう。指先ほどの小さな花。
再び崩壊したガレ場に出る。
大きな岩を乗り越えて、
そろそろ取り付き付近なので、高度を上げて行く。
足下は板状に岩が砕けて出来た30センチ前後の石が折り重なって
さらに歩きにくくなる。
ずりっと滑り落ちそうになりながら
急な傾斜の樹林帯に這い上がる。
帰りに気づいたのだが、ここには
登山道らしき形跡があり、
ほぼまっすぐに高度を上げて行く。
薮に掴まりながらでなければ、登れないような場所だ。

12時すぎ、KGカンテ発見。
ここが医大ルート。
取り付きの樹にぼろぼろの黄色いテープが
2、3本下がっているだけで、これといった目印がなく
本日は、S藤さんが用意して来た、取り付きの岩の写真と
照合しながら場所を探し当てた。
分かりにくい場所だった。

さて、猿岩に岩登りとのお誘いに二つ返事で応じた私だが、
岩登りは今回がはじめて。
ジムで何度かリードをやったが、課題ひとつクリアした実績なし。
行けばなんとかなるさと、ここまでやってきた。
医大ルートはA1とのこと。A1というのは
人工登攀器を使って突破するようだ。ということで
アブミを借りる。もちろん、使ったことなし。

S藤さん、トップでスタート。私がビレイします。
A1とのことだが、斎藤さんはアブミなども使わず登って行って
やがて視界から見えなくなる。
ビレイ中、薮の方でガサガサ音がしたので
お!誰かきたかな~とのんきに思ったが、
こんな場所に来るような物好きがいるかー!!という
セルフつっこみが瞬時にザワッとわき上がり、
同時に、焦茶の毛がのそりと茂みに消えて行くのが見えた。
去って行ったのか、様子見してるのか知れず
ヌンチャク等をジャラジャラならしてみたが、物足りず
歌でも歌おうか、それとも大声で独り言を言ったものか
思案していると上から
「解除ー!」との天の声。
ビレイを解除し
「解除ー!!」と動物避けも兼ねて叫ぶ。
すぐにロープが上へあがっていき、早く、早くと焦っていると
あと少しのところでロープがこんがらがっていた。
慌ててほどこうとするが、中々ほどけず、
ああ、草葉の影から様子見してるかもしれない動物が、
早くどけよとイラついてやしないかと、さらに焦り。。。
ようやくほどけて、身支度し、
「いきまーす!」と動物に聞こえよがしに叫び
高みへそそくさとスタートした。

が。
取り付き最初が核心部とも聞いたルートだが、
下から見るのと、実際に登ってみるのとでは大違い。
ヌンチャク一個を回収した次の、ややハング気味なとこが
乗り越えられない。
右に行ったり左に行ったり、A0したりしたが
何ともできない。
アブミのことを思い出し、ようやくかけた頃には
疲れ果ててしまった。
クライミングシューズがとにかく熱い。
下ろしてもらってまたトライするつもりだったが
下りたとたん、もう動けない。
なんとしても身体が動かず、うなだれていると
S藤さんが下りて来た。
すまぬ。。。

15時30分、下山。
上まで登ることができれば、安全に下山できたのだが、
またあの崩壊地を通って帰った。

危険地帯を抜け、ダムのほとりまで来て
ヒグラシの声を聞きながら歩道に寝転んでしばし休憩。
暑かった一日の日も落ちかけて
涼しい風に癒される。
ああ、道路があるって素晴らしい。
道が平坦で、二本の脚だけで歩けるって贅沢~と
S藤さんと生還を噛み締める。

クルマを停めたすぐそばに、水場があって助かった。
通行止めのロープを越えて20Mほど行ったところ。
本日は、まさかの灼熱のアプローチで4時間、帰りに3時間。
目的のクライミングタイムは2時間ほど。
足場は常に不安定で、長時間の緊張が強いられたうえ
暑かった!
情報不足ということもあったが、今までの山行で
一番過酷な一日となった。
帰ってビール、立て続けに350mlを2本、
牛乳コップ3杯。
麦茶コップ5杯。
リポディー1本。
トマトジュースコップ2杯。
アイス小さいの3本。
まだ飲み足りない~~~!

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