矢留山岳会の4月の会山行は南八甲田山へ山スキー。
当初の予定では山行は19日であった。
あいにくその日は私はサザンのライブである。
八甲田山にはまた今年も縁がないのかと諦めていたところ、
たまたま会山行が一週間繰り上がった。
八甲田山は10年前に雨で撤退して以来、なかなか都合がつかず
ずっと登れずじまいであった。
なので10年越しの成就である。
予定では睡蓮沼から南八甲田山方面、ニセ駒ピークを経て
乗鞍岳、赤倉岳を縦走し、蔦温泉へ下りて温泉に浸かる、というもの。
しかしながら、雪が少なく、蔦温泉手前の長沼を通過できるかどうか
やや不安。ひとまず乗鞍まで行って判断しようということになった。
朝、4時すぎに横手を出発。秋田中央インターから高速道路を利用して、
8時半過ぎには酸ケ湯温泉に。ここでゲートが開くのを待つ。
9時数分前にゲートが開くと、待ち構えていたスキーヤーのクルマが
一斉に雪の回廊へなだれ込む。
交通の妨げにならないよう、なんとかスペースを見つけて身支度。
9時20分、出発地点は睡蓮沼。
雪の壁を乗り越える。10年前よりも雪は少ない。
本日のメンバーは橋T会長、S藤師匠、Kっち、姫と私の総勢5人。
このメンバーにしては珍しく、誰も忘れ物もなくいざ出発。
(強いて言えば私が箸を忘れたくらい)
まずは、猿倉岳と駒ケ峯の真ん中にある、
のっぺりピーク(ニセ駒ピーク)を目指す。
10時、
このピークの山腹を巻くようにして尾根に上がる。
この山腹トラバースが、スキーがずり落ちそうで難儀。
周りをみれば、谷を辿ってこの先に、もう少し緩く登れる地形があった。
が、とりあえずエッジを効かせて上がる。
10時40分。尾根からだだっ広い雪原に出る。
振り返れば、北八甲田の山々が仲良く並ぶ。
高田大岳、小岳、大岳、硫黄岳。青空に圧巻だ。
アオモリトドマツの森に入り、のっぺりピーク(ニセ駒)を目指す。
あちらに見えて来たのは駒ケ峯。
遅くまで滑降が楽しめるらしい。
11時17分、乗鞍岳が見えて来た。
乗鞍岳の向こうに赤倉岳。
本日のルートはあの赤倉岳を越えて、ゴールは蔦温泉。
ひとまず、シールを付けたまま鞍部まで下り、そこから
乗鞍岳に取りつく。
アオモリトドマツの森を縫うようにして
ひたすら登る。
振り返れば、櫛ケ峯が白く広がる。
乗鞍岳の山頂方面が見えてきた。
結構遠い印象。
斜度が緩んで、とど松の密度が薄くなる。乗鞍岳の山頂付近は
東西にだだっぴろい。三角点がある山頂はそのだだっ広い雪原の東側だ。
振り返れば、越えてきたのっぺりピークと、その奥に北八甲田山の役者が並ぶ。
今年はアオモリトドマツの色がこの時期にしては
青々としているとのこと。気温が高かったのか、季節の進み具合が早いようだ。
ときおり、アオモリトドマツの清涼な香りが漂った。
12時19分、乗鞍岳の山頂。三角点があるだけあって、展望が素晴らしい。
岩手山と、十和田湖がいっぺんに見えるとは驚いた。
秋田県民にとっては、やや信じがたい眺めである。
この展望地でお昼休憩。
トマトと、カップラーメンは定番。
最近は、日清のカップヌードルの廉価版「スープヌードル」に
カゴメのトマトペーストを入れるのがお気に入り。
トマトはアミノ酸豊富なので、疲労回復にちょうど良い。
そしてアミノ酸は旨味成分であるから、おいしさも倍増する。
使い切りのスティック包装で売られているから、山に最適だ。
13時13分、シールを外してお楽しみの滑降。
赤倉を越えて蔦温泉コースは本日は見送ることに決定。
乗鞍岳の山腹を巻いて、睡蓮沼へスキー滑降を楽しむことになった。

地形図を見れば、崩壊マークもあって結構な斜度である。

がしかし、本日は程よく雪が腐っていてスキー滑降には
絶好のコンディション。
極上の一本を楽しむ。
登り返してもう一本行きたいが我慢。
山腹を巻いて、のっぺりピークへ引き返す。
この辺は夏道がある。
ぎりぎりまでシールなしで緩い斜面を拾って滑り降りる。
鞍部付近でシールを付けて、のっぺりピークへ登り返す。
なるべく楽な地形を拾って行く。
駒ケ峯。
スキーヤーがきれいなシュプールを描いて
滑り降りている。
14時27分、のっぺりピークことニセ駒ピーク。
あとはシールを外して、林間をクルージング。最高に気持ちがいい。
滑り降りてしまうのがもったいないぐらい、良い雪質。
春山スキーにハマるのもこれなら分かる。
滑り降りた斜面を振り返る。
伸びやかなシュプールが何本も刻まれていた。
スキーシーズンも終盤だが、今更になってスキーが楽しいと思い知る。
緩やかな山が多い東北の積雪期において、山スキーの機動力に勝るものはない。
スキーが上手ければ、それだけ行動範囲が広がる。そして
楽しみも広がる。今更だが、本気で上達したくなってきた。
15時7分、雪の回廊の道路が見えてきた。
最高のスキークルージングもここまで。
この辺の温泉は16時までというところが多いようだ。
日帰り温泉の終了時間ぎりぎりに滑り込み、心地よい疲れに浸る。