真昼岳にでも行こうかと調べると
どうやら最近、赤倉コースのほかに新しく
登山道が整備されたようなので使ってみることにした。
場所は、女神山登山道のある
善知鳥(うとう)口の北側付近。
大浅沢に落ちる尾根にあるようだ。
—————–コースタイム———————
- 7:37 林道除雪終了点
- 7:54 新登山道取り付き
- 9:23 標高672m・赤倉コースと合流
- 10:55 ヤセツル手前(本日はここまで)
- 14:30 駐車場(途中、休憩しつつ)
登山口の約500m手前まで入ることができた。
脇に除雪のためのスペースがあったので駐車。
新登山道は女神山登山口付近である。
女神山へは大浅沢を越えて向沢沿いを
進んでいくが、真昼岳への新道は
大浅沢沿いをそのまま進む。
7時37分、出発。
ここから数百メートルほどだ。
林道の水たまりにはアカガエルの
卵があちこちに。踏まないように。
大浅沢を渡った向こうが
女神山への登山口方向。今日はこれを
通り過ぎてもうしばらく大浅沢沿いを行く。
大浅沢への枝沢を渡渉してすぐの尾根が
新道になる。
7時54分。新しいテープとトラロープ。
結構な急登だ。
取り付きから、
大浅沢の上流方向を見れば真昼岳が
ちょうど真っ正面だ。
落ち葉の堆積した登山道は滑りやすく、
そのうえ勾配が急なので神経を使う。
トラロープの張られた横の尾根をみると
しっかりとした踏み跡があって
むしろこちらのほうが、
周りの木を手掛かりに使えるので安全かもしれない。
取り付きから標高差180mほどは
ずっと急勾配だが、特にこの最初がきつい。
トラロープはあるのだが、
劣化したらとても危険なのでなるべくなら
脇の木を掴む。ただしこの斜面、
手掛かりになる木が疎らだ。
登山靴で登るには滑るし手掛かりは少ないしで
山慣れない人には厳しいと思う。
久々にわたしもかなり緊張して登った。
登山道脇には熊のクライミング跡。
なぜこの木に登ったんだろう。
急登らしく赤松の多い尾根だ。
松枯れがところどころに見られる。
今年初のマンサク。
途中にはキブシもそろそろ咲きそうだった。
斜度はだいぶ緩んだが
ときどきこんな楽しい痩せ尾根になる。
標高が上がると徐々に雪が出てきた。
密生したブナの木にクマのクライミング跡。
こんな細いブナにどうやって登ったんだろう。
どう考えてもチムニーで登ったとしか
思えない爪痕である。
クマの神ムーブ、見てみたい。
標高400mを過ぎたあたりだろうか、
登山道は尾根すじにまっすぐだが
山腹を巻き道がある。
こんな巻き道はこの先にもあった。
この新登山道、わりと踏み込まれているようだし
昔は何かの作業道なんかで
使われていたのかもしれない。
ブナが多くなってくる。
ブナは二次林のようで、さきほどの
巻き道や使い込まれた道といい、
古くから人が入っていたのだろう。
新登山道にはピンクテープが
随所に付けられている。
赤倉コースとの合流点となる尾根が
見えてきた。
赤倉コースのある尾根に乗る。
しばらくは緩斜面となる。
テープは付いているが
下り口が不安なら、この尾根との合流点に
目印をつけておくと積雪期は安心。
ゆるい小ピークを過ぎると杉の木が出てくる。
杉の木の下で小休止。
そして天気は吹雪に。視界も悪いだろうし
ヤセツル越えは厳しいかなと
すでに山頂あきらめモードに。
標高700mを過ぎると気温も低く
ブナには霧氷がついていた。
霧氷に縁取られた森は
吹雪とガスで幻想的である。
シュカブラ。
雪は固く締まっているが
ギリなんとかキックステップで
登って行けた。
ヤセツル手前のピーク865。
視界悪し。天気が良ければ目の前には
真昼岳があるのだが。
ピークから雪庇に気をつけて
ヤセツルを覗く。が、ガスで閉ざされがち。
ヤセツル通過は厳しいが
手前まで見に行こうとアイゼンを装着。
ヤセツルの手前。
雪は締まっているので条件はいいのだが
吹雪とガスで視界が悪い。
天気も悪くなる一方なのでやっぱり
ここで引き返す。
しかも私はもう春だしと冬用ウエアじゃなく
レインウエアだ。
冬はレインウエアでもいいかもと
考えていたが、今日みたいに吹雪いて気温が下がると
生地はバリバリになるし何より寒いしで
あまり人には勧められないなと実感する。
気温が高ければあの雪庇が怖いなあ。
ここで撤収する。
下山では、新登山道は随所にピンクテープが
付いているが、赤倉コースと合流すると
こうした目印は疎らになる。
このルート、のっぺりとした尾根なので迷いやすい。
ちゃんとコンパスをセットしてルートファインディングを。
吹雪のなか、さきほど休んだ杉の木まで戻る。
ツエルトを張って、ランチタイムに。
この短時間で5センチ以上雪が積もった。
もちろん1時間前のトレースは
跡形もない。
真冬のようだ。
登りでは落ち葉の急斜面だったが
下山時には積雪で真っ白に。
急斜面の落ち葉の上に積もった雪で、とても
まともに下山できる状態ではない。
ロープを出してぐんぐん下りた。
トラロープもあるのだが、劣化したところへ
全体重かけている最中に、万が一切断したら、
この痩せ尾根の急斜面、相当な怪我を負うことになる。
どうしてもトラロープにすがるときは
そうしたリスクも勘定に入れないと怖い。
この登山道を使うときは
ロープを持つことをお勧めする。
7ミリ以上で20mほどをダブルで使うなら
さほど荷物にもならないかと思う。
[…] あちらの杉の木のあたりが、670の小ピーク方面。大浅沢新道から、3月に登ってきたときあの杉林付近を通ってきた。 […]