男鹿三山お山がけ縦走 前編

男鹿三山お山がけ縦走 前編

男鹿半島にならぶ三つのピークは
真山、本山、毛無山。
古くから赤神権現の信仰の山で
平安末期からこの三山は「お山かけ」として
歩かれてきた歴史あるコースである。

新緑の季節を待って、
ようやく歩いてみた。

8:50 真山神社
9:38 八王子跡
10:16 真山(567m)
11:20 本山
11:58 分岐(昼休憩)
12:34 毛無山
14:05 五社堂
14:33 長楽寺
14:43 海!
※車は下山口に1台デポ


8時30分、ちらほらと観光バスが
到着しはじめるなまはげ館駐車場に到着。
登山口となる真山神社駐車場は、
もっと奥にあるのだが
知らず、一番手前に停めてしまった。

なまはげ館に寄りながら
登山口まで歩いて
8時50分、真山神社に。


真山神社入り口にはちゃんと
「真山登山口入り口」と案内板が立ってある。

階段を掃き掃除していた巫女さんが
こちらの登山者スタイルを見て
お山かけ縦走と察したらしく
「お気をつけて」と見送ってくれた。


狛犬に見守られながら古びた石段を。


真山神社の拝殿の横を
石段で登っていく。
両脇にはちらほらとスミレサイシンが咲き、
カタバミはまだ蕾である。


五社殿までの山道は、見事な杉の木の底にある。


杉の道を抜けると五社殿だ。
お山かけコンセプトの山歩きなので
神社はすべてお参りするのだ。

五社殿、と書いているのにひとつの
お社しかないのは、火災で焼けてしまったため。
ひとつにまとめて現在地に建てたのだそう。


五社堂を過ぎると整備された木道に。


ゴールの門前まで9.5キロ。


しばらく植林の杉林が続くが、
よく手入れされた林で林床は明るく、
春の花々が随所で待っている。
こちらエンレイソウ。


こちらのエンレイソウは
もう結実している。


ヒメアオキの雄花。


八王子跡。
標柱の脇にぽっかりと空間があって
かつて建造物があったんだろう。


ときおり階段が現れる。
勾配はきつくはないが、さりとて
楽でもない。


山道には古くからの信仰のなごりを見ることができる。


ブナの混じる林は、芽吹いたばかりで
顔を上げればクロモジの黄緑色の花が見頃だ。
足元にはセリバオウレンがもう
花を終えて実をつけている。


しばらくスミレが続いていたが
エンゴサクが現れてきた。
ミチノクエンゴサクかと思う。
青から紫、赤紫と多彩に目を楽しませてくれる。


真山直下はややきつい登り。
途中でシジュウカラが目の前に舞い降りて
手が届きそうだった。
近くに巣があるのか、しきりに
こちらを誘うように常に1メートルほどの
間合いを取りながら、先へ先へと
飛び移っていく。

シジュウカラにつられて登っていくうちに
山道の勾配も緩んできた。


10時16分、真山。
展望所のような神社だ。


展望デッキからは男鹿半島の付け根が見える。
寒風山を挟んで海が両側に。


真山山頂567mの標柱は
神社から少し進んだところにある。


真山山頂付近には、見事な天然杉の
巨木に圧倒される。


植林の杉にはない伸びやかな枝ぶり。
天然杉の林はなかなか見られるものでもない。


目指す次のピーク、本山が梢の向こうに
見えてくる。本山の山頂には
自衛隊のレーダーがある。


ナニワズが咲いていた。
横手界隈では見られない花。
海岸沿いに来たら見たいと思っていたのだ。


真山から下って、本山とのコルが
フタツアイ。さらにその少し先に、
キントリ坂の標柱がある。

お山かけの古い道で、本山への直登ルート
なのだが、いつのまにやら廃道となっていた。
結構な急登だが、修験の道らしいなと
登りたかったのだが、もはや
濃い藪となっていた。


本山の山腹の巻道をこのまま
自衛隊道路を目指すほかない。


歯切水。小沢が山道のそばにあり
一株のミズバショウが咲いていた。


自衛隊道路に出る。
本山に向かうにはこの道を行く。
行っても山頂三角点は自衛隊施設の
中なので入ることもできない。

なのでほとんどの人は、この道路の脇に
並行して整備されてある東北自然歩道を
毛無山方面へ向かうようだ。


せっかくの三山めぐりなので
自衛隊レーダーの山頂へ向かう。
途中に朽ちた鳥居のあと。
昔はここから山頂に山道があったのだろうか。


自衛隊道路は単調だが、お山かけコースで
一番海がよく見える。
奥にあるのは毛無山。


途中にある石碑はB29の墜落跡地。
終戦まもない日、物資を運んでいたB29が
ここに墜落し、乗組員12人は1人の少年兵を
残し死亡。当時の事故現場を見た地元の
人々が救出に当たったのだそう。
敵とか味方とか忘れ、ただただ気の毒に思ったと言う。


さて、山頂だ。


三角点はフェンスの中。


本山山頂に長居しても仕方がないので
毛無山へ向かう。
自衛隊道路をそのままいく。
一般車両の通行は禁止になっている。


自衛隊道路から東北事前歩道へ分岐。


車道より山道のほうが
登山靴にはかなり歩きやすい。
お山かけコースは全体に
よく手入れされているし危険な箇所もない。


よく晴れた日ではあるが風が冷たい。
入山者は幾人かいて、なかには
トレランの人もいた。


分岐の標柱があって、トイレがある。
きれいな水洗トイレ。

 

昼なので、分岐の木の下でランチに。
途中で採ってきたササダケと
コゴミを茹でて山菜カップラーに。

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