2019年10月17日 甑山

2019年10月17日 甑山

甑山は男甑山と女甑山からなる、
標高981mの低山。秋田県と山形県の
県境にある。
5年前に登ったきり。クルマも林道に
入っていける車高に買い換えたし
久々に登りたくなった。
***コースタイム****
9:00 登山口
9:27 分岐
9:37 名勝沼
10:28 コル
10:58 男甑
11:37 下山開始
12:14 県境分岐
12:31 再び名勝沼
12:52 殿様街道合流
13:14 登山口

国道108号線から皿川方面へ逸れ、
林道を行くと甑山登山口を示す小さな看板がある。
林道の終点が登山口だ。
登山口には二本、道があるが
右の方から入山する。
左側の林道は殿様街道とぶつかるので
サクッと名勝沼探索をしたいならば
さらにこの奥へ入っていけばラク。
9時出発。

地形図には記されていないが
分岐までに2回ほど渡渉がある。

渡渉のあとは落ち葉と木の根で
滑りやすい山腹をトラバースして
登山道がつけられてある。
登山靴だと滑りやすい。

渡渉の途中にかっこいい滝がある。
登りやすそう。

たしか5年前も同じ時期に訪れた。
あの日に比べると紅葉はちょっと
遅いかな。
オオカメノキが赤い水玉模様を
散りばめていた。

登山開始から30分足らずで分岐。
県境尾根から男甑への登山道と
名勝沼方面との分岐だ。
本日は、甑コルに突き上げる登山道を
歩くので、名勝沼方面へ向かう。

分岐から平坦な森の中をいけば間も無く
大きなカツラの幹が現れて、
これがウィルソンカツラ。
幹の中に、大人が5人入ってもまだ
ゆったりなほどの空間ができている。
落雷によってできたものだとのこと。

ウィルソンカツラを過ぎると
名勝沼が女甑のすぐ麓に静かな
水面をたたえている。中央に岩島があって、
まるで日本庭園。
手前に倒木があって、そこからも
何かの植物が小さな植物園を作っている。

名勝沼からコースが分岐する。
甑峠へ向かう道と甑コルへの道。

コルまで150mほどの標高差を
最初は山腹を巻いて進んで
のちに小沢の中の道を詰めていく。

小沢までの巻道が急な山腹にあって、
歩きにくい。
5年前もこんなに難儀して歩いたっけ?
よく考えたら、以前はスパイク長くつで
登ったのだった。今日は普通の登山靴。
これじゃ5年前の感覚と全然違うわけだ。

ウィルソンカツラは落雷で焦げたそうだが
途中にも落雷を受けたような
炭化した幹のブナがある。

さて、小沢の道に入る。
ここではキノコを期待したのだが
思ったほどの収穫がなかった。
途中で、沢コースの中腹で
休んでいる地元の父さんがいたが
今年はキノコが遅いとがっかりしていた。
わたしもがっかりだ。
キノコ袋を5つも持ってきたのに。

それでもさっきの父さんに
見落とされたサワモタシ発見!
サワモタシもこれで採り納めかな。

キノコをさがしながら名勝沼から50分ほどで
甑コル到着。
沢道は登山靴では滑ってあまりに
歩きにくかったので
チェーンスパイクを装着した。
モンベルの4600円くらいのもので
軽いし装着簡単だし、何より
さっきまでの歩きにくさから解放され
なかなかいい道具だなと感心する。

今日は来たるきのことの出会いを
期待して女甑登頂の時間を省略。
このまま男甑へ向かう。

痩せた稜線には赤い樹肌の
クロベが混じる。

男甑までは急な痩せ尾根の登りだ。
胸突き八丁というらしい。
木の根を掴んでのクライミングだ。

雨で濡れている日などはこのコース、
普通の登山靴では歩きにくい。
しかも痩せ尾根で切れ落ちているので
十分に注意が必要だ。

男甑の前衛峰が見えてきた。

紅葉は山頂付近はだいぶ進んでいる。
5年前はもう終わりかけだった。

よくぞこの痩せ尾根で
こんなに大木に育ったものだ。

10時58分、男甑到着。
本日は登山口で会った単独行の二人の
他に登山者はいない様子。
小沢の父さんはキノコ採りだったし。

男甑といえば、この岩。烏帽子岩ね。
あの岩の麓まで踏み跡があって
行けるそうだ。だが、今日はお腹すいた。

山頂は風が当たりそうなので
山形からの登山コースをやや進んだ先で
ランチタイムに。
キノコ、あまりなかったのでミズを
入れてみた。筋取りが面倒なので
いつもちょっとしか採ってこないが
食べる段になってもっと食べたいなと後悔するのだ。

来るときはガスに隠れていた女甑が
姿を現した。
5年前は落葉し始めていたから
やっぱり当時よりも紅葉はだいぶ遅い。

のんびりランチをしたあとは
下山は県境尾根を下ることにした。
このコースは急なことには他と同じだが
まだマシだろう。

途中から鳥海山が見えた。
なかなかガスが取れないのがもどかしい。
5年前は山頂部分がもう白かった。

急な尾根らしく
赤松やクロベが生える登山道。

途中から加無山(かぶやま)が見える。
あちらも、男女対の構成。
左が女加無山、右が男加無山だ。

鮮やかな黄色の紅葉で
世界が明るい。
ひまわりもそうだが、黄色は
なんだか元気が出る色なんだろう。

そして本日2度目の名勝沼。
同じ道を帰るのもつまらないので
殿様街道を歩くことにした。

ようやく見つけたムキタケは
まだまだ小さい。

殿様街道へは、
名勝沼のほとりを歩く。
しっとりと静かな水面に、
岩島の紅葉が映えて何度も立ち止まる。

本日一番の大当たり。
倒木まるまる一本にナメコがびっしり!
ああ、しかしまだ小さくて。
たぶん、明日明後日あたりいい眺めに
なっているのだろう。。。
大きいところだけいただいた。

昔のコースは、女甑山腹の
岩場を縫うようにして進むのだが
これとは別に歩きやすい道ができていた。
ただ、キノコを探してあえて
古い道をたどるがキノコは不発だった。

殿様街道と合流。
昔、矢島藩や亀田藩の殿様が
使った矢島街道の名残。
道は甑峠を越えて山形に入り、
及位のあたりで羽州街道に合流するのだ。

参勤交代の街道は
馬も通るしさすがに広い。

軽トラぐらいは通れそうな、
殿様街道を振り返る。
切り通しとなっていて、また杉林の
鬱蒼感が昔の旅路の雰囲気を盛り上げる。

地形図にはないのだが、街道は
林道と合流する。
当時の矢島街道は今は廃道となって
笹薮に埋もれているのだろう。

この林道は登山口に続いている。
名勝沼探索、甑峠散策には
この林道で近くまで入ってこれそう。

13時14分、登山口到着。
今回はフォレスター初の林道走行。
悪路もストレスなくって良い。

秋田県の山歩きカテゴリの最新記事

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。