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南昌山(848m) 旧コース

登山日
2011年05月15日
コースタイム
登山口      10:25
P638m      11:10
山頂       12:28
一般ルート登山口 13:25

岩手県を北上から盛岡へ向かう途中、
左手にとんがり山が見えてくる。南昌山だ。
箱ケ森、赤林山、東根山と続く南昌山塊の代表的な山で、
標高848m。
本日は、古くからある登山道を登り、一般登山道を下山に使っての
ぐるっとルートで春を楽しむのだ。

アプローチは麓にある矢巾温泉を目指して行けば良い。
前方に特徴的なとんがり山が見えてくる。

一般ルートは遊歩道として整備されていてつまらないので
「危険箇所あり」とガイドブックに記されている
旧ルートの登山口へ。南昌山神社そばにその登山口がある。

神社手前に3台ほどの駐車スペースがある。

10時25分。
なんと。
いきなりハシゴからスタート。
1000mにも満たない里山であるが、尖った山容は
予想通り急登のようだ。

ハシゴを登るとやや南側へトラバースして、
そこから一気に高度を稼ぐ急登が始まる。

今年の初シラネアオイ。
そこかしこで見頃だった。

ウリハダカエデの花。ぷら〜っと垂れ下がっている小さい花。

標高差150mほど登ると、急登は緩んで
なだらかな痩せ尾根歩きとなる。
明るく開放感があって気持ちがいい。

こんなのがたくさん落ちていた。
どこから降って来たのか、見渡すとホオノキが落とし主らしい。
ホオノキの大きな新芽を包んでいた鞘だった。

こちら、イタヤカエデの花。
登山道にはいろいろな樹木の花が落ちていて
何度も足が止まる。

今年初のツルシキミ。

イカリソウ。クリーム色に近い白。

かわいい稚児ユリも、ひっそりと咲いていた。
今年初が続く。なかなか進まない。

なんと、ムラサキヤシオまで!
華やかなピンクに励まされ、638mのピークに到着する。
11時10分。

10分ほどは、緩やかな下りの尾根歩きを楽しむと、

また少し登る。ここにはかなり大きなブナの老木が
狭い尾根に頑張って根を張って、枝を広げていた。
こんな場所でよく、こんなに大きくなったものだと
感心して、しばし見とれた。

11時35分。ついにラスボス。南昌山登場。
ここから緩く下ったら、最後の登り248mが始まるのだ。

最後の急登までの緩やかな道は
ムラサキヤシオとコブシに彩られた
優しい小道。

コブシの花の冬用コート。

ブナの花。雌花と雄花が別々に咲く。
今年はブナの当たり年らしい。

南昌山の急斜面が迫りつつある、最後の
緩やかで優しい小道。

さて、一転してこんな道に。
あまりに急で、思わず写真に。
ここから、山頂直下までずっとロープが張られている。

岩登りのようになってきた。
振り仰ぐと、ずっと上にカモシカが現れた。
そして、こっちに気づくと、なんと、
上から石を落としてきた。威嚇らしい。
写真には撮れず。。。

カモシカがいたあたり。
崖だが、登山ルートも同じようなところを
クライミング。

おかげでどんどん高度が稼げる。
しかも、とても楽しい。

12時25分、傾斜が緩んで大木を過ぎると
一般ルートの階段が見えてくる。

12時28分、山頂。ここには、雨乞い信仰の権現様を祭る、
獅子頭が東を向いて納められている。

プレートにはこんなかわいいリスの火消しが
山火事注意を呼びかけている。

展望デッキもあって、そこからは
早池峰山がよく見える。
また、木々の隙間から岩手山、秋田駒方面、和賀岳、
羽後朝日が残雪の頂を覗かせる。

一般ルート側には東根山。縦走できるようだ。

暖かな日差しでのんびりと山頂コーヒーを楽しんだら、
一般ルートを下山する。
こちらは、カタクリがまだ頑張っていた。

そしてこの山域、シロバナエンレイソウが多い。
初めて見た。薄くピンクが入る白い花弁と
黄緑色のガクが、交互に広がりとてもキレイ。

ヤブレガサ。食べられる。

食べられるヤブレガサと、食べられないトリカブトが
仲良く並んでいた。

13時25分、一般ルートの登山口に到着。
ここから林道を4キロほど、てくてくと
春紅葉を楽しみながら、出発点の南昌山神社へ戻る。
思いのほか、登りがいのある楽しい山だった。

下山に使った一般ルートは、ずっと階段の道。
植物を見るにはいいが、登る楽しみは少ない。
岩登りや沢登り経験者ならば、変化に飛んだ
旧ルートを登る今回のコースが満足度が大きい。

帰りの林道歩きは、ところどころで薮こぎすれば
ショートカットできる。
のんびり写真撮りながら歩いて1時間だが、
下り道なので、急げば40分か50分でも行けそうだ。