白神岳は説明するまでもなく、世界最大規模のブナの原生林を有する、
白神山地の一角にある1232mの山。
最高峰は向白神岳で1243m。
当ホームページで秋田県北部に分類したが、青森県の山だ。
今回のコースは黒崎コース。
海岸のすぐそばの五能線「黒崎駅」そばの「登山口」看板を
少しクルマで入ると、広い駐車場がある。
こぎれいな休憩所とトイレもありさすが世界の白神。
混んでいるかと思ったけど
先行者のクルマが二台あるだけ。
駐車場から少しだけ林道を歩くと、登山者記入場所があり
ここからスタートとなる。
長時間ドライブに疲れたせいもあって、体が重かったが
間もなくシラネアオイが現れると、気分もぐっと前向きに。
登山道も明るく、歩きやすい。
朝の日差しをキラキラと反射しながら、木々の花やタネが
降り注いでいて、ナウシカの樹海のような美しさ。
二股コースとマテ山コースの分岐まで
ほとんどなだらか。だけどやっぱり今日は体が重くて
既にバテバテ。
二股コースはずっと沢沿いを進み、徒渉をして
最後に一気に山頂へ突き上げるハードなコースらしい。
昔からのコースはここらしい。
けど私はマテ山方面からのコースへ。
足場の悪い場所にはこんな階段。
チゴユリが見頃でした。
二股分岐を過ぎてからはしばらくマテ山山腹を巻いて
なだらかに登ってゆく。
水場が随所にあって、最後の水場にはちゃんとその旨表示されている。
最後の水場を過ぎてから、登山道はようやくマテ山へ向けた
登りとなって、傾斜がきつくなる。
最初はこんなゴロゴロの沢のような道。
ずっと聞こえてた沢の音がここで途絶える。
ところどころ、ロープが設置されている登山道でふと顔を
あげると、新緑が青空を埋めてサワサワと揺れている。
心の底から来てよかった〜と思わず声が出てしまう。
バテバテの果てにようやくマテ山分岐に。左へ100mほどで
マテ山山頂らしいのだが、時間的にやや不安なのでパスして
白神岳へ向かう。
ここから稜線までは雪が結構残っていてて
ところどころ、夏道を覆っていた。て
雪を蹴り込んで一歩一歩登る。
あの尾根に上がってしまえばすぐ、なのだが
お腹がすいて足が進まなくなってくる。
いつもながらのシャリばて。判断力も落ちて来たのが分かる。
「引き返すかな〜」と軟弱山屋の天下の宝刀を抜きかけながら
温かい飲み物を飲んで、おにぎりを補給する。
日本海のラインがくっきり見えるのもこのルートのお楽しみ。
休んでいると男性が二人、下山してきた。
「あと一時間もかかんないよ〜」
などとはげまされ、また食べ物で前向きにもなったので
再び、雪を蹴り込んで山頂を目指すことにした。
そんなワケで、下界からも見える「トイレ小屋」がすぐそこに迫る。
たしかに、すぐに稜線に出てしまった。
ここまで来て視界に迫る、雄大な山並みに息を飲んだ。
向白神岳? とにかくかっこいい!
向白神岳の向こうに岩木山が顔を出した。
稜線はこんな感じ。ざくざくと雪原を歩く。
風はあったが、強くはない。
トイレ小屋の奥が三角点のある1232mの山頂。
途中で二股から登って来たという単独の方とすれ違うと、
山頂には他にはだれもいない。
山頂から振り返ると避難小屋と岩木山。
ベンチに座り込んで、初めての白神岳を味わう。
下山は海へ向かって。
雪があると、道さえ失わない限りは下山がすごく楽。
ここでかなり時間が稼げる。
しかし急に現れる夏道に、下山の調子が狂い
露出した木の根につまづきそうになったり、落ち葉に
滑りそうになったり。
少し傾いた日差しをゆっくりと堪能しながら
歩く。穏やかでとてもいいコース。
当初の予定通りの時間で下山完了。
あとは日本海を眺めながらハタハタ館で温泉だ。
(補足)
この時期に入山したまま行方不明の方がまだ
見つかっておりませんでした。
残雪期は下山で迷いやすいので初心者の方は気をつけてくださいね。
朝のトレースは下山時にはかなり不明瞭になります。
私もまだまだ不安なので、地形図確認しながら、
GPSをカンニングしながら歩いております。
コメント
白神は先月12日に登りましたが、ずいぶん雪解けが進みましたね。
新緑もすがすがしく最高の季節なのに2組としか合わないなんて・・・
世界遺産とはいえ、まだまだ世間に知られていないのでしょうね。
次回は万全の体調で二股コースを上り詰めて下さい。
それと、山頂で見る夕日も最高です。
まだ山を登り始めた頃、参考コースタイムを信じて登ったっけ。
で、とある登山家さんが30分と称したところを弟子一家は2時間かかりましてねぇ。
自分らの体力不足よりもその登山家さんは絶対見栄を張ってんだ!と文句つけまくり(笑)
今なら地形図から予測することもできるんだけどね〜
イヤイヤ、若かった!
それにしても、いいなぁ〜ETC…
もうちょっと政治家のいうこと信じればよかった。
絶対成立しないと思ってたもんなぁ…
あぁ、今年も栗駒が遠い…
GWの終わった時期に行ったのは正解ですね。
GW中のあまりにも多い車を下から見て遠出はしませんでしたが,これからはぷち遠出で山を歩きたいです。
白神岳は数年前の夏に行きました。
帰りは疲れ&暑さに勝てず高速を利用しましたが・・・
かなりの金額だったような・・・
あの二股コースで30分って、本荘の鉄人達もそりゃムリ?
昔ながらの正統派コース、腹くくって
いつか、
そのうち、
たぶん、
一度挑戦したい軟弱山屋です。。
ETC、補助金出る前に付けたんだけど
すっかり元とったよ。
今回、登るに当たりましてQさんの4月の記録、
山行に致しました〜。が、雪の多さが全然違いますね。
あの山頂に立ったら、
やっぱり一泊して日本海の夕暮れ、
見たくなりますね!
できれば人の少ない残雪期がいいですね。
GWを外しての高速利用&ポピュラー山コース、
ナイス選択でしたよ。
天気も安定してるし結構、いいタイミングですね。
遠征登山は、この期間ETC利用で
せっせと励みたいですね。
すっかり味をしめた私です。
十二湖へ下りるコースが絶景だったような記憶があります。
高速1000円の恩恵はまだ一度しか受けておらず。
binchanは安近短コースで同じ日に真昼に登っていました。
十二湖コース、長いけど気になりますね。
この日は真昼でしたか〜。
毎日眺めているものの、久しく行っていない。。。
たしかおやぢさんが
和賀でしたね。天気のいい日、見渡す山々のてっぺんに
誰かがいるんだろうな〜と
想像するのも楽しいです。