またまた週末は高気圧。和賀岳へ向かうことにした。
駐車場には我々のクルマ2台と、もう1台のみ。空いている。
この駐車場の手前には、新しい小屋があってトイレも借りられる。
なぜか本日、小屋の土間が浸水していた。
7時40分、甘露水脇の登山道から出発する。
目指す和賀岳は、奥羽山脈の真昼山地に属する、和賀・朝日山塊の
最高峰だ。標高1440m。薬師岳、小鷲倉の奥の
どっしりとした姿は風格があり、いつか登りたいと思っていた山だ。
甘露水の登山口からしばらくは、薄暗い杉林が続く。
やがて明るいブナ林となり20分も歩けばブナ台に着く。
新緑が美しく、九十九折りの登りも苦にならないほど清々しい。
終わりかけのカタクリと、これからのマイヅルソウの葉っぱが
登山道脇に見られる。
これが、カタクリの実。そしててんぷらが美味しいコシアブラ。
8時25分、冷たい流れを徒渉すると滝倉だ。
滝の上の方に、今年はじめてのシラネアオイが咲いていた。
周辺にはワサビが群落を作り、白い花をたくさん付けていた。
登山道脇のシラネアオイは、まだまだ準備中の様子。
水流脇ではクロクモソウの葉が、
朝の水滴にきれいに縁取られていた。
滝倉を過ぎて間もなく、避難小屋跡に着く。
登山者を見送ってくれるのは、キクザキイチゲ。
避難小屋を過ぎるころから、登山道にも残雪が出てくる。
なんと、天然のエノキダケ。たくさんあったのにはビックリ。
九十九折りの登山道は、ところどころを残雪に隠されながらも
着々と高度を上げていく。
9時15分、倉方に到着。
倉方を過ぎると、視界は清々しく開けた。
薬師岳(左)の優しく大きな姿が見えてくると、
気持ちが一段と前向きになる。
本日は鳥海山も青空の中に高く、浮かんでいた。
稲倉岳までくっきりと見える。
奥には月山もうっすらと確認できた。
10時45分。
こちらには、ずっと奥に真昼岳と女神山。
赤いフサフサの花。ツノハシバミの雌花とのこと。
こちらは、プチUFOことタケシマラン。とにかく小っさい。
薬師岳手前の、崩壊地のあるピーク。
この稜線は、カタクリ街道。
シラネアオイ街道は仕込みの真っ最中。
ここ数日でグランドオープンしそう。
仕込み中のシラネアオイ。つぼみは、いかにも大事そうに
葉っぱに包まれながら顔を出す。
これが、シラネアオイが地中から出たところ。
ゼンマイみたいな登場の仕方だったとは、知らなかった。
ショウジョウバカマと、スミレ。
低山でも見られる花だが、こんな高所でも頑張っていた。
小さい小さいヒメイチゲ。
花は1センチそこそこでかわいらしい。
大甲、曲甲へ続く縦走路との分岐点、薬師分岐を過ぎると、
登山道は大きく真北へ方向を変える。
そこでまず目に飛び込んでくるのは、待っていました!
和賀岳の堂々とした姿。
10時14分、薬師岳到着。小休止したら、いよいよ和賀岳へ。
行く手にどっしりと構えるあの山塊は白岩岳。
薬師岳とを結ぶ登山道はあるが
途中に錫杖の森という断崖が、通過する人を選ぶ。
薬師岳を後に、のびやかな稜線を小杉山へ向かう。
カタクリが、こんな厳しい環境にもたくさん咲いていた。
ニッコウキスゲの芽が、ようやく顔を出し始めている。
ここは初夏には一面が黄色く華やぐそうだ。
10時30分、薬師平は雪の下。
シャクシャクと雪渓を踏んで通過する。
天気は良く、風もほとんどなく、結構暑い。
ババヘラアイスが食べたいなどと話しながら和賀岳を目指す。
三人の足を止めた、変なキクザキイチゲ。
それで受粉できるのかと、我々のつっこみにも、
かたくなに花弁を閉ざしていた。
小杉分岐から見える稜線。
目指す和賀岳が一番奥。
これからあの手前二つのピークをがんばるのだ。
11時15分、小鷲倉。
和賀へと連なるピークの中では一番、大きい。
標高1354m。結構、きつかった。
左手を見ると、田沢湖が外輪山に縁取られて水面を見せていた。
その奥には森吉山。珍しいツーショット。
田沢湖外輪山の左の一番高いピークは、院内岳。
森吉山の右隣に視線を移すと、
秋田駒ヶ岳、その稜線の延長に岩手山。
手前は羽後朝日岳。
目指す和賀岳はもう少し。
こんなに天気がよく、視界も良好で、しかも風もない。
時折通り過ぎる風が気持ちいい。
和賀岳を目前に、やたらと喉が渇く。
雪渓から流れる冷水の冷たさに思わず、飲んでしまった。
暑い今日は、その冷たさが美味しかった。
11時59分、お昼に1分前に山頂に到着。初登頂。
山頂はさすがに少し風があった。
和賀岳にちなんで和菓子を食べよう、という企画で本日は日本茶。
山並みを眺めながら飲む、煎れたてのほうじ茶は、
和菓子よりもおにぎりによく合った。
けど、この雄大な景色とは著しく違和感があるかも。。。
ラーメンを味わっていると、大きな重低音が轟いて
ブロック雪崩が起こった。
初めての光景に、カメラは間に合わず。
下山前に360度、視界良好な山頂を心に焼き付ける。
辿ってきたピークと、その奥には仙北平野が広がっていた。
絶景と、天気の穏やかさが中々、下山させてくれない。
さて、帰るとしますか。
ずっと見えていた鳥海山は、午後にはもやの中に
かすんで見えなくなっていた。
山頂直下ももうすぐ芽吹きと新緑が始まる。
15時30分、駐車場に到着した。
登り休憩込みで4時間20分、久々にがっつり登山だった。
甘露水で咽をうるおし、温泉とビールを目指して帰途につく。
コメント
雪の和賀岳もいい感じですね。
山頂で急須で入れたほうじ茶がとってもいい!!です。
実は私その頃近所?の真昼岳にいて和賀岳をながめていました・・・
ってこういうパターン前にもありましたね。ホントびっくりです。
帰りに柵の湯へ向かうはずがなぜか
太田町の登山口方面まで行ってしまったのは偶然でしょうか(笑)
めったになく疲労感は少なかったのに、腰痛と
ヒザ痛がまだ残ってます。
次回は某山頂で抹茶を頂きたい(笑)
すごい偶然でうれしいです。
真昼岳でしたか。よく見えてましたよ。
さすがに人影までは、難しいですが。。。
真昼岳も、この日は気持ちよかったでしょうね。
そのうち、ご一緒できるといいですね〜。
私はまだ、疲れてます(^^;
いい山でしたね。
天気にも恵まれ、仲間にも恵まれ、
アイコにも・・・アイコ、すごく美味しかった!
素手でアイコを採るおやぢさんの
ワイルドさには、驚きました。