道路沿いでもよく見かけるトチノキ。
5月下旬にもなると
こんな、大きな花がにょきにょきと
よく目立つもの。
でも割と、樹木の花って気づかない人、
多いのですがね。
トチノキはハチミツがとれるので
むしろハチミツで覚えてる人も多いかと。
花のつき方は小さな花がびっしりと20センチ以上にも
密集してまさに虫にとってはハニータワー。
蜜を作るほうも大変だろうと思いきや
この木、とっても効率的な運営を
してらっしゃる。
この花、下のほうは赤い点があって
上の花はそれがないのがわかるだろうか。
蜜を吸いにやってくる虫のなかには
かんじんの受粉には協力せずに
蜜だけ吸っていく「食い逃げ」が混じる。
食い逃げされちゃ商売あがったりどころか
最大の目的の子孫繁栄の危機である。
ということでこのトチノキの戦略は、
蜜の供給は三日間限定セール。
セール期間終了後は香りのみのご提供。
と、いうもの。さらに、このセール、
お得意様限定のクローズドセールにしている。
セール中の花には
受粉に協力いただける虫にのみわかる、
蜜標という大売り出し看板を掲げているのだ。
食い逃げたちには
フェイク看板を掲げて、
こちら様には香りだけのご提供。
やるなトチノキ。
この時期、登山道によく落ちているこれが
トチノキの花。
赤い色がさしているものは
フェイク看板。もう蜜のセールが終了し
蜜のお取り扱いは終了しておりますサイン。
こちら、あまり落ちていないが
まだ赤くない黄色っぽいマーク。
こちらがお得意様限定セール中の花。
花はハニータワーの下から順に
限定セールが終了し、赤看板に変わっていく。
お得意先様のミツバチたちは
蜜標のご案内に従って
上のフロアへと誘われていく。
こうして秋には
硬い硬いトチの実がごろごろと
足元に落ちているのだ。
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