【栗駒山】初心者でも行ける? いわかがみ平から東栗駒山コース&中央コース環状縦走

【栗駒山】初心者でも行ける? いわかがみ平から東栗駒山コース&中央コース環状縦走

いわかがみ平から登る栗駒山の魅力とは

栗駒山ってこんな山

栗駒山は秋田県、宮城県、岩手県の3県にまたがる複式火山。

80万年ほど前から

火山活動がはじまって現在の景観に至る。

ということで60万歳の

鳥海山よりも20万年先輩だ。

 

山麓は温泉に恵まれ、

また秋の紅葉の素晴らしさは

東北でも随一といっていいほど。

高山植物も豊かで花の百名山にも選ばれている。

もちろん人気の山域で登山コースも複数ある。

登山初心者やファミリーにも手頃な登山の対象だ。

いわかがみ平を起点とする2つのコース

いわかがみ平からの栗駒山登山コースの魅力は、

なんといっても展望の良さ。

樹林帯を早々に抜けることができるので、

天気次第では栗駒山の姿を間近に展望しながら、

のびやかな雪田草原を行く。

秋には草紅葉と灌木の紅葉で、

神の絨毯とも称えられる景色の只中を

歩くことができるのも大きな魅力のひとつ。

 

こちらの動画は紅葉シーズンの栗駒山へ秣岳から縦走のコース説明です。

 

東栗駒コース&中央コースの概況

◇東栗駒コース

標高1113mのいわかがみ平から

東栗駒山を経て、栗駒山へ登頂する。

登山口から40分ほどは岩がごろごろし、

雨水などに削られたやや歩きにくい道が続く。

途中にハシゴがあったりで、ところにより段差も大きい。

また新湯沢の沢を100mほど遡上するため

雨などで増水しているときは注意が必要となる。

沢を抜けると樹高が低くなり

やがて行手に栗駒山の山頂が見えてくる。

目の前、なだらかな高みが東栗駒山だ。

ここから先は山頂直下までは

なだらかで快適な山歩きとなる。

展望もよく、振り返れば

いわかがみ平の駐車場も見える。

裏掛けコースとの分岐を過ぎると山頂直下の登りとなる。

丸太の階段で整備された広い登山道だが、斜度が増してくる。

やがて中央コースと合流すれば、

山頂まで0.2kmの標柱に励まされながら

急登を行けば山頂の標柱が見えてくる。

山頂まで標準コースタイムで2時間。

 

◇中央コース

登山口はいわがみ平の

レストハウスの前の道路の終了点にある。

はじめのうちはコンクリートに石を埋め込んだ、

整備された登山道が続く。

整備された単調な道を登れば、

やがて小ピークに至り目の前に栗駒山が大きく広がる。

 

その東のなだらかな尾根の起伏が東栗駒山だ。

丸太の階段が始まると斜度が増してくるが、

景色に立ち止まりながら登れば

いつのまにか東栗駒コースと合流し山頂に至る。

山頂まで標準コースタイムで1時間30分。

コースタイム:東栗駒山〜栗駒山へ縦走モデルタイム

09:00 東栗駒コース登山口→40分

09:40 沢渡渉点(10分休憩)→50分

10:40 裏かけコース分岐(5分休憩)→30分

11:15 栗駒山山頂(展望岩頭へ25分)

11:40 展望岩頭(ランチ40分)
12:20   山頂へ→30分

12:50 栗駒山山頂→1時間10分
中央コースを下山

14:00 いわかがみ平

以上のモデルタイムは標準コースタイムなので、

初心者はこの1.2倍ぐらいの時間をみればちょうど良い。

登山レベル

東栗駒コース、中央コースのどちらも

初心者でも登ることができる。

中央コースのほうが登り1時間30分と所要時間が短く、

危険箇所もないのでより初心者向き。

ただしコンクリートで固められた登山道は、

下りのときに斜度もあって歩きにくい。

つまづかないよう注意しよう。

 

一方、東栗駒コースは途中に

沢を通るため雨のあとなど増水時に注意が必要となる。

晴れが続けば沢の水はなく、

こうなると沢というより岩場歩きとなる。

 

この沢を100mほど進めば

ロープが張られてあるので迷うことはない。

しかし大きな岩の間を

歩きやすいところを選んで抜けていくその途中には

目印もないので慣れていないとちょっと不安かもしれない。

このコースは初心者でも登れるが、

沢でのコース判断が必要な場合があるため

経験者とともに歩くことをお勧めする。

 

水があるときの様子。

 

登山口へのアクセス

クルマ利用の場合

定期バスの運行がないため、クルマ利用が便利。

ナビに「いわかがみ平」と打ち込むのがラク。

 

秋のマイカー規制2023年について

いわかがみ平が最も混雑するのが紅葉シーズン。

この期間についてはマイカー規制が敷かれる。

2023年の規制は次のとおり。

○規制期間:2023年9月16日(土)〜
10月22日(日)

○規制時間:24時間終日となる

○規制区間:いこいの村栗駒跡地からいわかがみ平まで

○シャトルバス:5:00〜15:00

○環境保護協力金:500円(バス利用の下車時に)
期間限定パスポート1000円(何度でも利用可)
マイクロバス通行:3000円/1台
中型バス通行  :3000円/1台
大型バス通行  :5000円/1台

2021年の10月の紅葉最盛期では、

宮城県道42号は10キロ以上もの渋滞となった。

このため2022年は9月23日から

10月16日までの間、終日マイカー規制が敷かれ、

前夜からの車中泊も禁止となった。

夏山シーズンではそこまでの混雑はないが、

紅葉シーズンに登山する場合は下記まで問い合わせるのが安心。

栗原市観光物産協会
電話:0228-25-4166

 

公共交通機関利用の場合

いわかがみ平への定期バスはないが、

紅葉シーズンならJRくりこま高原駅または

JR石越駅から土日祝日など期間限定特別運行バスが出る。

問い合わせはミヤコーバス TEL:0228-22-2250。

公式サイトはこちらhttp://www.miyakou.co.jp/top.php

駐車場と登山口施設

駐車場は広く100台分。

紅葉シーズン以外なら余裕で駐車できる。

 

登山中も振り返ればすぐわかるほど広い。

 

トイレは水洗トイレ。

多目的トイレは更衣室としても利用できるように、

スノコが置かれている。

 

駐車場から少し登ったところにあるレストハウス。

ここで登山届を出すことができる。

バッジなども購入でき、

食堂ではそばやうどんなども食べられる。

売店は10:00〜16:00

食堂は11:00〜15:00

 

山行レポ2023年8月

登山口から東栗駒コースへ

令和5年、いつになく暑い夏。

標高を上げれば涼しいだろうと

栗駒山の登山口、いわかがみ平にやってきた。

ところが朝からの晴天で、

駐車場で身支度している間も暑い。

登ればマシだろうと東栗駒コースを出発する。

 

下界では熱中症警報アラートが鳴るようなこの日。

大きな岩がごろごろする登山道は、

最初のうちは樹林帯で風もなく暑い。

 

日陰があることが唯一の救いだが、

暑いことに変わりなく

出発20分もしないうちにもう退却が頭をよぎるほどだ。

 

このコース、雨の日などは登山道は沢状態。

上の画像は雨の日に登った時の様子。

 

ときどき階段や梯子がある。

大きな岩で段差が大きい箇所に設置している。

 

こちらは雨の日の様子。

F1、1.5mほどといったところか。

 

30分も登り、

斜度が緩んだところで新湯沢の沢の手前。

こんな注意書きの看板がある。

雨の日などは沢水の音が結構大きく響いてくる。

 

夏、晴れがつづけば沢はほぼ枯れている。

暑い日などはちょっとがっかりだ。

 

日陰はひんやりするので、しばし休憩。

 

こちら前日から雨で、当日も霧雨の残る日の沢がこれ。

結構な沢の音。

この日は、晴れが続いて

岩が乾いていたところへの水流だったので

沢床の岩にヌメリはなく

滑らないので登山靴でも大丈夫だった。

 

これがもし絶えず水流のあるような沢歩きの場合は

沢床がヌメっている場合が多いので

登山靴ではとても歩けたものではない。

 

もし沢水がある場合は念のため、

岩が滑らないか確認してから歩こう。

 

ルートを示すペンキの目印などはないので

状況を見ながら安全なところを歩く。

沢岸の水流のないところを登っていく。

上の画像は、雨の日で沢水があるときの様子。

晴れが続けば、ほとんど流れはない。

 

対岸へ渡るところでロープがあるので

ここはルートを見逃す心配はない。

水量が多い場合は、

無理して渡らずに引き返す。

たとえ膝下でも水圧で

バランスを崩してしまうと流されるので

侮らないことだ。

 

雨のあとはこの沢の状態を知らないまま

下山でこちらのコースを使うのはリスキーだ。

こうしたコースは登りよりも、下りが怖い。

また、ここまで下山してきて

増水で渡れない場合、

引き返す判断はとても難しいと思う。

 

雨があった日などに、この沢の状態が不明の場合は、

登りでこちらのコースを使い、

増水の状態によっては

引き返して中央コースピストンとするのが安心だ。

 

新湯沢を過ぎれば灌木帯となり、

視界が開けてくる。

 

向こうに見えてくるは栗駒山。

 

あちらに見えるは東栗駒山だ。

 

東栗駒コースは、

最初の40〜1時間は歩きにくいが

そこを抜ければ展望のよい雲上散歩が楽しめる。

 

なだらかすぎて気づきにくいが

東栗駒山到着。

展望の良さに、暑さも忘れてしまう。

 

なだらかな稜線歩き。

東栗駒山から栗駒山山頂へ

さすがは火山、というだけあって

巨岩がところどころに落ちている。

 

手頃な穴が開いた岩なので

人としてはどうしても、何か詰めたくなるし

積みたくなるものだ。

 

伸びやかな風景が続く。

危険な箇所はないのでのんびりと楽しめる。

 

ときどき平坦な道となる。

雨の日は、大きな水たまりがあって

やや手こずるが。

 

中央コースからの登山者もはっきりと見えてくる。

8月上旬にはキンコウカや、

イワショウブ、シロバナトウチソウが

出迎えてくれる。

 

裏かけコースとの分岐。

ここから山腹を巻いて進んだのちに登りとなる。

 

階段が出てくれば、最後の登りだ。

 

8月には可憐なイワショウブが草原に咲く。

 

結構急だし、暑いし山頂はパスして

もう下山しようかと思うのだが

山頂まで0.2KMと書かれていると

仕方ない登るか、となる。

 

脇にはモウセンゴケ。

8月上旬ごろ、白い可憐な花が咲く。

 

ノリウツギは、これから秋にかけて

ピンクに色が変わってとても華やかになる。

 

山頂!

時間があれば天狗平方面へおりて行き、

展望岩頭まで足を伸ばすと素晴らしい景観が楽しめる。

 

山頂部分はロープが張られている。

これは植生保護エリアだ。

裸地だからといって

立ち入ることはダメなので注意を。

また、風蝕でえぐれて

ちょうど座り心地のいい段差ができているが

植生にダメージを与えるので

植物にザックを置いたり、座ったりするのは厳禁だ。

 

栗駒山など人気山域は、山のマナーを知らない人が多く

植生へのダメージが深刻である。

下山は中央コースをいわかがみ平へ

山頂から東栗駒方面。

 

下山は中央コースを下りる。

だが登山として面白いのは東栗駒コースなので、

下山でも同じコースを下りるのもいい。

 

コース沿いの灌木。

厳しい環境が作ったちょっとした盆栽。

単調な道、と言ってしまったが

この環境でしか見られない

小さな景観が足元にもちゃんとある。

 

中央コースは振り返ると栗駒山の姿が凛々しい。

手前はハクサンシャジン。

 

さて、コンクリートと石の道となる。

濡れていると石の部分が滑りやすい。

慎重に下りていく。

 

8月中旬ごろ、ふわりと

甘い香りがしたらおそらくリョウブの花。

単調な道の脇には、ホツツジやタムシバ、

ミヤマナラなど植物は豊富だ。

1時間ほどでモーターの音が聞こえてくれば、

レストハウスの前に出る。

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