プロフィール
オサバグサ |
筬葉草 |
ケシ科/ケマンソウ亜科 |
6月ごろ、秋田県の真昼岳界隈でよく見かける。
ああ、シダの花が咲いているなと、
その素性にあまり関心がなかったころは
そんなふうに感じていたものだが、
よくよく考えればシダにあのような
可憐で分かりやすい花が咲くものか。だ。
そもそも
シダの花に相当するものは「胞子」だ。
山仲間がこの小さな白い花があると
ありがたそうに足をとめかがみ込んで
写真など撮るのではじめて、
それがオサバグサという植物だと知った。
分布
日本固有種で、本州の中部地方から東北地方の
山地〜亜高山帯の森林などに生育する。
東北では6月ごろに花が咲く。
絶滅 | |
絶滅危惧Ⅰ類 | 青森・秋田・宮城・埼玉・東京・岐阜 |
絶滅危惧Ⅱ類 | 山形・新潟・福島 |
準絶滅危惧種 | 岩手 |
名前の由来
はた織りの筬というクシのような道具に
葉っぱが似ていることから
筬っぽい葉でオサバグサ。
・・・って「葉」と「草」が
被って命名されている理由が気になる。
シダじゃないよ、草なんだよという
命名者の様々な思いなのだろうか。
特徴とみどころ
シダっぽい葉っぱは、出始めのころは
柔らかそうで、かわいい。
つぼみは米粒のような形で
ぷらぷらとぶらさがる。
この様子もなかなか萌える。
花びらは丸みがあってやさしいフォルム。
似た植物:オサシダ
見た目もさることながら名前も似ている。
こちらはれっきとしたシダ。
山地の岩肌などに生息する。
オサシダの命名の事情は
やっぱりはた織りの筬に似ていることに由来する。
現代では馴染みの薄い道具だが、昔はすぐ想起するほどに身近なものだったのだろうな。
ほかにも似た植物に
シシガシラというシダがある。
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