スローな芸術の秋

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赤りんご絵が描きたくなり絵画教室に通いはじめた。
可憐な高山植物や、荘厳な山を描くことができたらという目論見もある。
美大受験を控えた高校生にまじって今日で2回目。
受験生の皆様はデッサンにがっつりと取り組んでいるが
私のような道楽の手習いは、デッサンは一日目だけで免除していただき、
今回からは日本画にトライすることにした。
日本画道具については、父方の祖父が四六時中、
絵を描いていたので幼い頃から目にしてきたが、
しっかりと意識して手にするのは今日が人生で初めて。
まるで時間が止まったかのようなレトロなパッケージが、うれしい。
和紙を水張りするのだが、これは端折って和紙ボードを使う。
次にこのボードに胡粉というものを塗るのだが、この作業がいたく
職人スピリットをくすぐるのだ。
というのも、胡粉というのが牡蠣の貝殻を原料とし、
これを風化させ砕いたもの。
これを乳鉢に取ってすり潰すのだが、
30分もかけて細かくするという。(今回は少量なので10分ぐらい)
しかも作業はこれで終わらない。次に膠(にかわ)を混ぜて胡粉をこねる。
この膠だが、普通にやれば作るのに一晩かかるのだ。(今回はできあいのものを使用)
こねた胡粉は絵皿に100回ほど打ち付ける。それから細くのばして
絵皿に「の」の字に置き、熱湯を注ぐ。それからアクが出るのしばし待つ。
アクがでたら、水で溶きやっとボードに塗ることができ、ここにきて
ようやく絵描きの気分を取り戻すことになる。
胡粉を塗ったボードが乾くまでの間、本日のモチーフ「タマネギ」に
ようやく向き合った。
まずはデッサン。・・・結局はデッサンがついて回る。
デッサンが終わったら、これをトレースしていよいよボードに写す。
下描きが終わると今度は墨でアウトラインを取る。これを骨書きというらしい。
本日の作業はここまで。慣れない画材への好奇心と戸惑いが先に立ち、
「これを表現したい」という目的意識はすっとんでしまった。
早く道具に馴染み、登山道をにぎわす植物の絶妙な配色と形を表現してみたいものだ。

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