2014年8月24日 鳥海山へ鉾立口から

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盆も過ぎ、大曲の花火競技大会も終わった日曜日。
そろそろ鳥海山の賑わいも収まった頃かと鉾立登山口に。
駐車場は手前はすでに満車。奥には結構空きがあった。
身支度を済ませて7時9分頃、出発。

朝のうちはガスがかかって
山頂は見えず。
8時10分ごろ、賽の河原。
越せども越せども熊避け鈴音楽隊が絶えないので
今日はもうのんびりモード。
歩き始めて一時間で鈴のうるささに、御浜まで行ったら帰ろうと考える。
オオバギボウシの青紫が、登山道脇に華やかだ。
ダイモンジソウも見頃。
賽の河原付近は遅くまで雪があるので
この時期にイワカガミが見られる。
終盤のニッコウキスゲもポツポツと見られるなか、
8時45分、御浜神社が見えてくる。
日本海側を見れば稲倉岳。
こうして見れば、簡単に行けそうだが
蟻の戸渡りという難所が、そんな甘い考えを打ち砕くのだ。
御浜神社の売店。ついついチェックするビールの価格。700円なり。
小屋の裏手に回ると、鳥の海と呼ばれる鳥海湖が見られる。
このコースの魅力のひとつだ。
湖面のフチを飾っていた残雪も、この一ヶ月でほぼ消えてしまった。
ここでようやく、新山の荒々しい姿が見えるようになる。
昨夜一泊して下山してきたらしい登山者たちが
山頂を振り返っては、ガスが切れるのを待って記念撮影をしあっていた。
今日の気分では御浜で引き返して温泉に行くつもりだったが
案の定、歩き足りないので先へ足を伸ばす。
岩が重なる登山コースから御浜を振り返る。
扇子森と外輪山のコルが好きで、個人的には
ハイジがいそうなコルと呼んでいる。
何だかアルプスの少女を走らせたら絵になりそうな場所なので。
そのハイジのコルをのんびり歩き、外輪山の端に取り付くあたりの
湿原で、ミヤマリンドウ。
ここまでは、遊歩道並みに石畳が整備されている。
この先は、登山道の巾も狭まり普通の山道らしくなる。
本格的に外輪山が始まる手前は、やや開けており
ここで一息入れる登山者が多い。
鉄はしごがあってここを登り切ったところで
谷コースと外輪山コースに別れる。
私は天気がイマイチだったり、風が強いときは千蛇谷コースを
見晴らしがいい日は外輪山コースを選択する。
本日は、外輪山コース。
風がややあるものの、展望が期待できそうだ。
そして何より、熊鈴音楽隊の方々はだいたいが千蛇谷コースを選択するので。
前世で熊だった私は、鈴から逃れてアップダウンが続く外輪山コースを選んだ。
それにしても、これだけ人がいて
しかもこんな明るい尾根道のどこに熊が出るというのだ。
こんな状況で出てくるイカれた熊ならば、おそらく
鈴をどんなに鳴らした所で出てくるだろう。
放牧牛よろしくでっかいカウベルをガンガン鳴らして歩く方々が
どんな判断でその騒音をまき散らすのか理解に苦しむ。
本に書いてあったから、という現場感覚のない理由ぐらいしかないのだろう。
途中でひときわ音量の大きな鈴を鳴らし、
香水のキツい香りを振りまいた女性を一人やり過ごしながら、
文殊岳に到着。
コーヒーでも飲んで引き返そうと思いながら
ここまで来たのだが、ガスはすっかり晴れて晩夏の青空が広がると
どうして蒸し暑い下界へ戻る気がしようか?
外輪山コースは特産のチョウカイフスマが見られる。
岩の間にかわいらしいフラワーポットができていた。
伏拝まで行こうと、だらだら歩き始める。
今日は山と温泉と百宅蕎麦と買い物をスケジュールに
詰め込んでいるので、妙なモチベーションでの山歩きだ。
外輪山コースは文殊、伏拝、行者とアップダウンが続く。
最近はところどころに鉄はしごが設置
されていて
安心して上り下りできる。
しかし谷側はすっぱりと切れ落ちており、灌木で足元が
見えにくい箇所もあるので、風の強い日などは注意が必要だ。
伏拝岳に着く。
のびやかな鳥海山の山肌や、
遠く河原宿小屋に至る登山道のうねりなどを眺める。
ここまでくれば、七高山も山頂小屋ももうすぐで、
もはや引き返す気分はなくなり、今日は山以外の予定は
すべてキャンセルすることに。
たぶん30分ものんびり歩けば七高山に着くだろう。
行者岳付近の鉄はしご。
以前は行者岳を過ぎたあたりから、大物忌神社へゆるやかにおりて行く道があったが
崩壊の危険があるのか通行止めになっていた。
アップダウンも終わると七高山と
手前の虫穴岩が見えてくる。
こちらは新山のドーム。
残雪があって、宿泊するならば今年はまだまだ水が取れそうだ。
12時前に山頂、大物忌神社で今日の山行を感謝し
小屋の前の広場でコーヒーを煎れる。
下山後、蕎麦を食べようとランチは軽めに済ませた。
コーヒーをのんびり味わい、12時10分頃には下山開始。
下山は千蛇谷コースを。こちらは外輪山コースのようなアップダウンはない。
荒神ケ岳山腹を谷沿いに1800m付近まで下りて行き、
谷を横切って外輪山の尾根に上がるコースだ。
ウゴアザミの群落が青空に映える。
谷沿いのコースとは言え、大きな谷なので明るく開放感はある。
岩だらけの登山道をひょいひょい下りて行くと
彼方に扇子森方面の斜面が見えてくる。
見上げる外輪山は、往路で辿ったデコボココース。
迫力がある。
ここで雪原を横切って、あちらの尾根に上がる。
久々の雪歩きは楽しい。
尾根に上がる道すがら
稲倉岳が見えてくる。
この鉄はしごを登れば、今朝の外輪山コースとの分岐に出る。
再び石畳の超整備された登山道に戻って来た。
手前が扇子森。コルは勝手に命名したハイジのコル。
ハイジのコルを越えて扇子森へ登り切ると
新山があんなに遠くなってしまった。
賽の河原付近で団体さんに追いついてしまった。追い抜くのも大変そうなのと
お腹がすいたので、カップラーメンで遅いランチ。
下山蕎麦はまた今度とする。
下山途中、御浜手前にいた鳥。あまり人に警戒心がない様子。
15時30分頃、駐車場着。冷えたファンタが美味しかった。

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