9月21日 女神山 コルまで向沢遡行

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真昼山塊の南に位置する女神山。その稜線のコルに突き上げる向沢。
このルートは昨年夏に遡行した。
今回は矢留山岳会の仲間4人で入渓する。
標高差400m少しのショートルートではあるが、
本日私が初の沢リーダーということで、
万が一のことも想定し、皆さんには悪いが朝早めのスタートに。
善知鳥口6時50分、スタート。
50分ほどは一般ルートとして紹介されているコースを
入渓ポイントまで歩く。
早朝の草露に、沢に入る前に足回りはかなり濡れる。
一般コースの割には、沢沿いの道ということもあり
かなり不明瞭な上に、何度も沢を徒渉するので分かりにくい。
水量もあるので登山靴ではかなり不便だと思う。
沢シューズならばいっそ、沢の中を歩いたらとも考えるが
堰堤がいくつかあるので、登山道を素直に進むしかない。
7時37分、松坂。
ここから右側の沢に入る。
F1は、一般登山道からも見える3mほどのきれいな滝だ。
昨年よりも流木が多い気がする。
今月の大雨のときのものだろうか。
柱状摂理の岸壁。
F2。
この季節、釜にどぼんは避けたく
慎重にふちをへつる。
柱状摂理の滝。
気温は低いが沢水は思ったよりは冷たさがない。
流紋岩の岩床が緩やかに続く。
8時12分、左からの支流の4mほどの滝と
本流の滝とが合流する。
その本流の滝。3mほど。昨年は難なく越えたが
本日はぬめって滑るので思うように越えられず。
先に突破した一人がザイルを出してくれたので、楽をさせてもらう。
美しい岸壁のゴルジェ。
小滝ばかりではあるが、若いもんはあえて難しいルートを模索。
私は迷わず右側を。
すぐに2段の滝。このあたりは小滝が連続して楽しい。
右手の支流からなだらかにナメ滝が合流する。
ここともう1つ小滝を越えると、
8時50分、二俣に出る。
登山道が付けられた稜線の、868mピークから伸びる尾根だ。
その尾根を右に巻いて行く。
二俣を過ぎると地質が変わったことが分かる。
沢床は凝灰岩のナメとなる。
9時3分、右からナメ滝が合流するすり鉢状の広い滝に。
つるつるの滝。昨年は難なく登れたが、本日は結構すべる。
2人がトライするも越えられず、左のやぶを高巻いて
立ち往生する仲間をリアル「ファイト一発」。
こちらは左を。
スプーンカット残雪の滝。
ここは真ん中をシューズのフリクション効かせて。
崩壊地マークゾーンに入ると、右手に広い20mほどの涸れ滝。
土石流の堆積物がナメ床を埋めている。
ここは昨年からこんな感じ。

振り返ると真昼岳の南峰。
ゆるく長い滝。
やがて、地形図にも明確な巨大スラブの底を抜け
女神山から伸びる尾根につきあたる。
ここで一息入れて、この尾根を左に巻いて行く。
昨年は涸れた10mほどの滝だったが
今回は一面ダイモンジソウの群落となっていた。
ダイモンジソウの涸れ滝を過ぎると
水が絶えて苔むしたグリーンカーペットとなる。
一カ所、ピンクテープが下がる。
こちらに入っていって正解。
だいぶ詰め上がって来たところで、少ないながらもまた水が流れる。
夏場には足元がひんやりして気持ちがいい。
詰め上がりはところどころ、支流が合流してくるが
慎重にコンパスを、稜線のコルにあててルートを確認する。
そうすれば、薮漕ぎなしでぽんと登山道に飛び出るのだ。
本日も、ぽんと飛び出た。ビンゴ。10時23分。
下山はおとなしく登山道を。
きれいに整備されて刈り払われた秋の小径を
兎平分岐まで。
途中から、女神山が見えてくる。その横の崩壊地は
遡行中に見上げたスラブだ。
紅葉はあと少しか。緑がだいぶくたびれて来ている。
真昼岳とその奥に和賀岳のりりしい姿。
善知鳥口への分岐点。
昨年は稜線からの道がヤブだったが、本日は
きれいに刈り払われている。
眼下に稲穂の金色の絨毯が圧巻。
松坂コースの下山中、みーんみーんとセミの声が聞こえて来た。
気の早い私たちは、秋の訪れを探そうとするのだが、
まだ季節は夏と秋のはざまにあるようだ。
13時30分には下山完了。
本日は初の沢遡行リーダーを。
今まで付いて行くだけだったので気楽だったが
ルート確認など前日から程よい緊張感を味わった。
このルートは地形はさほど複雑ではなく、
随所に現在地確認の分かりやすい手がかりもあるので
リーダー初心者にはちょうどよいかもしれない。
昨年、ザイル不要だったので軽く考えていたが
今回は、岩がぬめってフリクションが効かず、
何度かザイルを出した。

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