2016年4月16日 ユキツバキを期待して平鹿の金峰山

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そろそろ平鹿金峰山のユキツバキが咲いているのではないかと
今月2度目の金峰山詣でである。
前回2週間前にあった車道の雪もすっかり消え、登山口まで
車で入ることができた。
そしてユキツバキはまだほとんど蕾ではあったが
日当りの良い場所ではこの通り満開の株もあった。
来週から4月下旬までの間にどんどん咲きそろうだろう。

ところでこの金峰山、南下していけば真人山に至る。
その途中のピークは2012年に残雪を使って踏んでいる。
名前は地形図にもないのだが、
地元では「おがめ山」と呼ばれているらしい。
私は勝手ながらこの金峰山、おがめ山、真人山を平鹿三山と呼ぶ。
本日、ユキツバキに誘われて金峰山から
このおがめ山の隣、「女亀山(たぶん)」まで縦走してきた。

こんなルートである。地形図もガイドマップも持たず
行き当たりばったりのミステリー山行であった。

8時48分、おなじみの金峰山入り口だ。
昨日の飲み会で先週に引き続き二日酔い。予定では
羽生本の最高峰「週末仙台」入手のため北海道へ渡るつもりだったが
配布に制約がかかってしまい断念。行き場を失ったアドレナリンを
ぶつけるために仙台へ行くことにしたのだが、
朝起きたらあまりに天気が良かったので、結局山を選んだ次第。
ああそれにしても週末仙台。カメラマンが川島小鳥さんということもあり
その破壊力はんぱなかった。そして、
入手の道を絶たれた私の悔しさ悲しさは計り知れない。
とはいえ東京まで行って腐女子らと行列作るのはイヤだ。
こうなったら山で軽く薮漕ぎするしかない。

入山口こそまだ蕾だったが、登るにつれちらほらと
濃い紅色が目にとまる。大きく薄い花弁は
昨日の雨風でかなり痛んでしまっていた。

2週間前の雪はほぼ消えている。
急登が終わると観察路の標柱が現れる。

ユキツバキの赤はとても目立つ。
発色のいい赤なので、まるで南国の花のような印象だ。

もう山頂が見えて来た。

9時9分、山頂452m。
神社から真っ正面に目を凝らせば、鳥海山の端正な姿がある。

せっかくなので一服。
ああ、二日酔いの体に染み渡り格段においしい。
日差しも温かく、昼寝したくなるほど居心地の良い山頂である。

ところで神社の前には鉱脈が走っているとのこと。
この真横に走るラインだけ石の色が違うのだ。
写真ではよく分からないが。
そしてこのライン上、南方面へ辿って行けば
かつての鉱山跡がある。

さて、山頂で40分近くものんびりしてしまった。
登りではユキツバキばかり見ていたので気づかなかったマンサク。

こちらのモフはコブシだろうか。

桜も咲いていた。

そしてブナの新芽が出始めている。

さて、本日は行き当たりばったりも甚だしいが
おがめ山へ縦走することにした。地形図も持っていなければ、
登山道もないのだが、何だか気持ち良さそうな森がなだらかに伸びている。
おがめ山は2012年の3月に真人から登ったピークである。
金峰山からおがめ山までトレースを繋げたいと
常々考えていた。

一カ所、植林の杉林がある。(画像は振り返っての撮影)
居心地が良くないのか
杉林の林床にはユキツバキの群落はない。

この山域一帯はユキツバキで埋もれている。
これらが咲きそろったら圧巻だろう。
これほどまでに一面、ユキツバキに覆われている山というものは
どこか妖艶である。ガスのかかった日などにここにくれば
異界に迷い込んだかのような不思議な気分が味わえそうだ。

金峰山からおがめ山まで道は整備されていない。
ただ薄く踏み跡がある。この季節ならば薮もさほどひどくない。

金峰山直下より、こちらの方が咲きそろっている。

途中、不自然な穴があり聞くところによればこれは
鉱脈の試し掘りの跡だろうとのこと。この延長上に
金峰山の先ほどの鉱脈ラインがあり、南にはかつての鉱山がある。

今年初のショウジョウバカマ。

おがめが見えてくる。
おがめは「男亀山(森)」で「女亀山(森)」と対である。
手前が女で奥が男である。

振り返って驚いた。なんと、薮こぎするすぐ横に
車道があるではないか。
地形図もなく行き当たりばったり山行ならではの
衝撃である。笑うしかない。

日当りがよく桜もかなり咲いていた。
せっかくなので道路に降りた。

降りて間もなくさらに衝撃を受けた。
なんと、遊歩道が整備されている。

名前の記載はないが、たぶん女亀山方面だろう。

ピーク付近から男亀山が見える。

なんとムラサキヤシオが咲いていた。

展望地の東屋。

東屋から男亀山が見える。
奥には鳥海山がうっすらと。
男亀山のピークへ縦走する道はなかったが
ここから眼下のりんご園に降りて行けば、男亀山の取りつきに
行くことができる。

引き返して遊歩道を歩くのは面倒だったので
この斜面を強引に下ることにした。
結構な斜度で、薮がなければ懸垂下降したほうが良さそうな
場所である。手頃な薮を頼りに下る。

クロモジの花が満開だ。

秬の長いスミレ。名前が思い出せないや。

りんご園に降り立って、
先ほどのピークを振り返る。

さて、冬に男亀山に登ったトレースはそこだ。
これで、金峰山からのトレースが繋がった。

帰りは車道を使う。車道を目指して行く途中に
義経三貫桜伝説の地の標柱を発見。
源義経が奥州平泉へ下る際にこの地を通り、岩肌の上の山桜の
枝を折ったところ、老婆が現れ咎められたので謝罪に金三貫を差し出した。
実はその老婆は桜の精だったという伝説があるようだ。
この近くの真人山は、かつては清原氏の居城があったという説もあり
なかなか興味深い一帯なのである。

その三貫桜伝説の岩肌がこれ。
道路から見上げられる。

さて、あとはてくてくアスファルトを歩くだけである。
途中、東屋が所々にある。

標柱に真人地区(男亀森、女亀森)とある。
この二つのピークには、どこにもその名前が記されていないのが
残念である。

たぶん女亀森。先ほど急斜面をムリヤリ降りてきたピーク。

12時4分、往路で降り立った車道に合流した。
看板によるとこの道は「学習の森」に続くらしい。

岡村頼母(たのも)戦死の地があった。
1868年の増田町平鹿、真人付近での庄内藩と秋田・新庄連合軍との
戦いで死亡した新庄藩士で、金峰山の地獄沢に落ち延びたものの
力つき息絶えた場所と言われる。
なるほど、学習の森の名が付くだけあり勉強になる。
途中、車道があまりに迂回する距離が長いので嫌気がさし
ふたたび道なき道を薮こぎし、小さい沢を下って駐車場に着いた。
12時26分。
さくっと登って降りる予定が思いがけず
念願の男亀山縦走を果たすことができて満足だ。
ときどき「週末仙台」が頭をかすめるが
良い土曜日となった。二日酔いも抜けた。

帰りは真人公園まで行って
ババヘラを。

本日の蕎麦は国道13号線沿いの十文字にある
村さ来で十割そば大盛。
 

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