【山に泊まる】ソロでも女性でも大丈夫!避難小屋・無人小屋に泊まる

【山に泊まる】ソロでも女性でも大丈夫!避難小屋・無人小屋に泊まる

避難小屋はどんなところ?

最近は文明から孤立した山小屋でも

キンッと冷えた生ビールが楽しめたり

消灯時間までとはいえテレビがあったりと

不自由のない小屋も多い。

 

が、しかし。

われらが秋田をはじめとする東北の山小屋といえば

避難小屋、または無人小屋と呼ばれるものが

ほとんどだ。この不便さ、楽しいったらない。

 

山で宿泊を考えた時、次のような選択がある。

・営業小屋

・避難小屋

・無人小屋

・テント泊

・ビバーク

今回のテーマはこのうちの

避難小屋と無人小屋だ。

 

このふたつ、あまり明確な区別はないようだ。

ただし、

避難小屋泊まりの山行を企画するとき、

気をつけたいのが

避難小屋と表記されている小屋。

 

東北においては無人小屋=避難小屋と呼ぶ場合が多く、

そのほとんどが管理人がいないだけの

宿泊可能な施設となっている。

 

ところがなかには、本当に緊急時に

逃げ込むための最低限の機能に限定した

本来の意味での「避難小屋」もある。

白馬岳登山道沿いの緊急避難小屋

 

この場合、狭く質素で簡易的な構造の

施設がほとんど。

収容人数も少ない。

だから、宿泊を計画している小屋が、

こういった本来の意味での避難小屋かどうか

確認することが必要だ。

 

白馬岳登山道沿いの緊急避難小屋の内部

 

東北ではほとんどが無人小屋。

なかには大朝日連峰など、

夏季だけ管理人が常駐する小屋もある。

 

山小屋といえば汚い印象があるかもしれないが

昨今では無人小屋とはいえ

バイオトイレだったりして

とても清潔で快適な小屋が増えた。

なかには水洗トイレという小屋もある。

 

とはいえ無人小屋はさすがに電気はない。

寝具は非常用毛布や銀マットが

備え付けられているところが多いが

原則、各自がシュラフやマットを背負っていく。

大朝日連峰狐穴小屋に引かれた水

水道はもちろんないのだが

小屋の近くまで水が引かれていたり

湧水や沢がある小屋もある。

こうした水場のある小屋だと

夏場など特に飲料を多く必要なとき、

荷物が減るのでとてもありがたい。

 

山小屋は勝手に使っていいの?料金は?

裏岩手縦走の途中にある無人小屋の大深山荘

避難小屋、無人小屋などのほとんどは

登山者がいつでも利用できる。

もちろん予約は不要。

 

積雪期も開放されているが

雪囲いがある場合はそれを外すか

冬季用に用意された出入り口を使って

中に入る。

 

利用したら、出発時には必ず掃除をし

戸締りを確実にするなどマナーは厳守。

戸締りがしっかりなされていないと

雨や雪が吹き込んで

次に利用する人が使えなかったり

小屋が傷んでしまう原因ともなる。

 

使用料はほとんどが無料だが

協力金箱を設置している無人小屋もある。

事前に調べてお金を持っていくことも

忘れずにしたい。

たとえば山形県の

大朝日連峰の小屋では宿泊2000円(令和5年現在)、

トイレ利用100円となっている。

 

無人小屋泊まり登山のメリットとデメリット

大朝日連峰の狐穴小屋

無人小屋・避難小屋を使うメリット

営業小屋に比べると宿泊費がかからない

営業小屋の場合は素泊まりでも

9,000円前後の宿泊費が必要となる。

避難小屋や無人小屋の場合は、無料または協力費として

1000円~2000円程度。

 

日帰りよりも余裕をもった山行ができる

これは営業小屋でも同じではあるが

一泊することで時間に余裕ができる。

じっくりと写真を撮ったり、スケッチしたり

食事にこだわったりと

より充実した山時間を楽しむことができる。

 

テント泊よりも荷物が少なく済む

テントは軽量化が進んでいるとはいえ

アライのエアライズ、一人用でも1.3kg。

雨や結露でテントが濡れるとさらに重くなる。

これが、小屋泊まりの場合はゼロとなる。

もっとも、最近は環境保護の面から、

テント泊禁止の山域が多いので

テン泊をしたくてもできないかもしれない。

 

テント泊のような設営や撤収の手間がない

テント設営は気象がよければいいが

風が強かったり、雨だったりすると

荷物やテントが飛ばされそうになったり

濡らしてしまったりと手こずる。

 

気象がよくても、小屋泊まりに比べると

どうしても時間がかかってしまう。

小屋泊なら、シュラフと身の回りのものの

出し入れだけで済むので時短。

 

宿泊者同士、交流が生まれやすい

営業小屋に比べると宿泊者同士の交流が

自然と生まれてひとときの絆が生まれる。

これは無人小屋・避難小屋ならでは

味わえる山の連帯感かもしれない。

大朝日連峰の天狗小屋で宿泊者同士盛り上がる

お互いに場所を譲り合うこともあり

自然とコミュニケーションが生まれやすく

山の情報交換などで思いのほか

ほのぼのとした時間を過ごすことができる。

 

お互いに名前も知らないまま話題が盛り上がり

翌日にはそれぞれが目指す山へ出発していく。

そんな山の出会いと時間は無人小屋ならでは。

 

無人小屋・避難小屋のデメリット

営業小屋に比べると荷物が多い

シュラフに食事、食器類、飲料など

すべて担ぎ上げるため荷物が増えてしまう。

営業小屋の場合ザックは30リットルでも間に合うが

無人小屋の場合は50リットル以上は必要となる。

 

ちなみに私は営業小屋泊まりで50リットルサイズ、

無人小屋で70リットルサイズのザックを使っている。

大型ザックが70リットルしかないからだが

パッキングが苦手な人はせめて60リットルは

必要かと思う。

 

電気がない

わたしはずっと無人小屋かテントばかりだったので

営業小屋にはじめて宿泊したときには

電気が点いていることにとても驚いた。

テレビもある!と

まるで昭和初期の子どものように

目を丸くしたものだ。

 

無人小屋などは電気がないので

日没時間までにとても忙しい。

・シュラフを用意する

・夕食を用意し食べ、片付ける

・明日の準備をする

・ヘッデンなど灯りを用意する

したがって、無人小屋泊の場合は

日没時間は必ずチェックしなければならない。

 

消灯時間というものもないが

東北の無人・避難小屋の場合は

早い人では19時ぐらいに、遅くても

20時にはほとんどの宿泊者がシュラフに

潜り込んでしまう。

 

たった一人で心細い場合もある

混雑を避けてシーズンオフや

平日、あるいは天気の悪い日を狙って

小屋泊まりをしてきた。

それでも今のところ、わたしは

たった一人で無人小屋泊まりになったことはない。

 

ほかに宿泊者もなく

山のなかにポツンと建つ小屋にひとり、

こうした状況が心細い場合は

あらかじめスマホに映画などダウンロードしたり

星を眺めたりと気を紛らわす準備をしていこう。

私の経験では、テント泊でたった一人、

しかもその山域に1張りだったことがあるが

思いのほか心細さはなくむしろ楽しかった。

私はどちらかといえば

怖がりだし、幽霊だのにも会いたくない。

 

しかしこうした「ぼっち泊」をしてみれば

下界で想像するほどには

心細いことではないのだな、というのが

わたしの見解。

怖くて死ぬことはないし

数時間もすれば朝がくる。

まずは体験してみてはどうだろう。

はじめての無人小屋泊まりをしてみよう

無人・避難小屋は収容人数が

10人程度のところから50人までなど

その大きさによってまちまち。

それほど多くの人数は泊まれない。

 

シーズンによっては、人気山域の場合

満員で入れないということもある。

 

こうした無人・避難小屋を利用する場合は

それらの収容力を考えれば

大人数パーティでの利用はあまり適切ではない。

 

もし無人・避難小屋泊まりツアーを計画するなら

あまり大人数にならないよう

2〜3人程度で計画するのが無難だ。

 

はじめての無人小屋を選ぶポイント

やさしいコースにする

大荷物に慣れていないなら

最初は急登があまりなく

初日の行動時間がせいぜい5時間前後ぐらいの

コースがいいかと思う。

もちろん体力ある!という人は別だが。

 

水場がある小屋を選ぶ

水は荷物のなかでも重い部類。

そして省くことができない荷物。

小屋のそばに水場があれば、飲み物を冷やすこともできる。

 

紅葉シーズンなど混む時期を避ける

紅葉シーズンや、3連休などは

マイナーな山域であっても混雑する。

どうしても、というなら

14時前には小屋に到着し、

よい場所を確保できるプランにしよう。

特にソロでの宿泊だと、

寝場所は壁際などを確保したい。

無人小屋泊まりの装備

ふだんの登山装備に最低限加えたいのがこちら。

□シュラフ

□マット(エアでも銀マットでも)

□夕ご飯

□朝ごはん

□翌日の行動食

□ヘッデン

□歯ブラシなど

 

より快適にするための装備プラスα

□エアまくら

□耳栓

□夏は着替え

□靴下の替え

□アルコール類

□朝晩の防寒着

□物干し用の細引き(設置されている小屋が多い)

□簡易スリッパ(サンダル設置している小屋が多い)

□虫コナーズなど虫対策(夏)

無人小屋に到着してからのやることリスト

焼石岳の金明水避難小屋の2階 小屋の外に水場あり

到着時刻は遅くとも15時まで

できれば14時には到着をお勧めする。

特に女性の場合はまだ誰も到着していなければ

着替えなどもできるうえ、

良い場所も確保できる。

到着してからやることリスト

①場所の確保:マットを敷いてシュラフを広げる。

②着替えなどするならしてしまおう。

③水汲み

④汗で濡れた衣類を干す

⑤晩御飯の支度〜片付け

⑥暗いうちに出発するなら明日の荷物整理

⑦日が落ちる前にヘッデンを装着

⑧夜間の飲み物など枕元へ

⑨就寝

無人小屋のマナー

大朝日連峰の竜門山避難小屋 水が引かれている

日が暮れたらほぼみんな寝る

地域にもよるかもしれないが

東北の避難小屋はほとんどこのパターン。

したがって、夜遅くまで宴会という期待は

しないほうが良い。

 

ヘッデンは間接照明に。または赤ランプに。

トイレや早発ちで暗いうちに動くとき

ヘッデンで寝ている人を照らして

睡眠妨害をしないように注意。

 

ヘッデンは間接照明のようにして使うか

赤ランプに切り替えられるなら切り替える。

 

寝ている人がいるなら音を立てないように気遣いを

シャカシャカと音の出る素材の袋は極力使わない。

暗いうちに出発するなら、寝ている人を起こさないよう

とにかく静かに素早く小屋を出る。

 

クマ鈴の音に注意

クマ鈴は小屋に到着するときに

しまっておいて、

早朝に出発する際にも小屋から

少し離れてから鳴らし始める。

 

カウベルクラスの大きな鈴を

鳴らしている人がいるがそもそも

あのサイズは渓流や爆風などで音が

かき消される場合に使うのであって

普通の登山道では大げさすぎるサイズだ。

 

ラジオの音にしても

山菜採りや人がいないような藪漕ぎで

使う物であって

一般登山道で下界の俗音を鳴らすものではない。

小さなクマ鈴で十分である。

 

早発ちは素早く静かに!そのコツ

夜明け前に出発して朝日を待つ

ふだんはどうってことのない音も

狭い山小屋の夜にはとても響く。

 

暗いうちからの出発のときは

小屋のなかで出発の準備をすることは避ける。

 

どうするかというと、

大きめのスタッフバックを用意しておいて

その中にシュラフなどを

手早くまとめて詰めてしまう。

 

そして小屋の前室や

雨風がなければ小屋の外であらためて

ザックにパッキングをすることをお勧めする。

 

女性登山者のための無人小屋泊まり

早めに到着して壁際確保。

着替えはできる?

しきりや別室はない場合が普通なので

早めに到着して着替えたり

2階建てならば、2階を着替えに使わせてもらえば

下の階からは見えにくい。

 

ツエルトがあれば

それを被るか目隠しに使うこともできる。

 

だがわたしは面倒なので

日が落ちて暗くなってから着替えている。

 

男性ばっかりだったら不安

結果論としては

男性ばかりでもさほど不安な思いはしたことがない。

むしろ女一人だと

気を遣わせてしまい申し訳ないくらいだ。

山男たちは紳士なのだ。

 

とはいえこうした無人小屋で過去に

犯罪が全くなかったわけではない。

 

不安やリスクに対処することは大事だ。

そこでクマよけスプレーだ。

クマよけスプレーのペッパー成分のもの

クマ以外にも「悪人に」と用途例を紹介している。

 

せまい小屋で噴射したら、自分や

他の客にも被害が及ぶが、万が一のために

手元にあってもいいかもしれない。

 

くれぐれも油性の強力タイプではなく

ペッパー成分のものを。

ツキノワグマと悪人には

このタイプでちょうどいい。

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