スノーマウントの作り方

スノーマウントの作り方

りんご三山2023冬イベントの
メニューにもあったが、
スノーマウント作り、覚えておくと
遊べるし、楽しいし、宴会もできる。

いや重要なのは、冬の万が一のときの
心強いシェルターとしての機能だが。

万が一のためにも、しょっちゅう作って
遊んでおくのがおすすめ。

スノーマウントというのは、つまり「かまくら」。
横手の冬の伝統行事でよく見るあの
かまくらみたいなもの。
これを手軽に作るスキルだ。

講師はりんご三山友の会のメンバーでもあるSさん。
雪山でのシェルターといえば、
雪洞やイグルーが思いつくところだが、
スノーマウントは比較的雪が少なくても
作れるところがポイント。
イグルーだと居住性は高いが
締まった雪がたくさん必要だし
雪洞も一定量の積雪が必要だ。

作り方

土台の雪を盛る

作業スペースをある程度踏んだら、
スノーシューは脱いだ方が作業しやすい。

スノーマウントを作る場所に
円形に雪を盛る。押し固めなくてOK。
今回は膝上ぐらいまでの高さに。

ザックを土台に置く

土台の雪の上に、全員のザックを
ひとまとめに置いて、上からシートを被せる。

このとき、ザックの中から
飲料ほか、必要なものを取り出しておくことを
お忘れなく。

ザックの上にツエルトを被せる場合が多いが
今回は百均のブルーシート。
Sさんいわく、昨今のツエルトは
薄いので破れやすいので使わないようにしているとのこと。

雪を乗せていく

積んだザックのうえにどんどん雪を乗せる。
ブルーシートがすっぽりかくれて
そこそこ厚みができるまで。
強く押し固める必要はなく、
雪の自重である程度は締まっていく。

入口を掘る

ある程度雪が積み上がったら
穴掘りスタート。
仲間と一緒に作っている場合、
1人が掘って、もう1人はその後ろについて
掻き出された雪を始末する。
もう1人いれば、スノーマウントの
雪の積み上げ不足箇所に雪を積む。
もしくは、さらに広い居住を欲張って
すぐ隣にもうひとつ、作り始める。

ザックを取り出す

ある程度掘り進めばさきほど埋めたザックに
行き当たる。

一気に引っ張り出すと
雪が崩れてしまう恐れがあるので
ザックが自然に落ちてくるように掘っていく。

ザックが全部取り出され、
ブルーシートが最後に出てきたら、
本格的に居住スペースを掘り始める。

穴の中の雪はブルーシートに入れて
まとめて外へ出してもよし。

中で掘る人、排出された雪を処理する人と
役割分担を決めて交代しながら掘る。

堀っていると、雪が薄い箇所ができるので
その場合は、他のメンバーがそこへ雪を乗せて
補強する。

下へと掘ることで居住スペースが広くなるのと
雪を積み上げる作業が少なくすむ。

仕上げ

中の壁や天井はなるべく綺麗に
なだらかに削ることで、溶けにくくなる。

足元を掘り炬燵のように掘れば
座り心地アップ。
余裕があればテーブルを作っても。

ランタンよりは蝋燭がおすすめ。
雰囲気がいいのもあるが一番の理由は
一酸化炭素中毒予防のため。

蝋燭が消えるようなら酸欠ぎみになっている。

なかは暖かい〜

避難小屋だと風がないだけで室温は
外とあまり変わりないほど低い。
ツエルトやテントはガスをたけば暖かいが
消せば避難小屋同様。

一方、雪洞やスノーマウントなど
雪の中では氷点下を大きく下がることはない。
そしてとても静か。
外で話す人の声も聞こえないほど。

なるほど、春まで冬眠するクマの
気持ちがわかる気もする。

後片付け

せっかく作った秘密基地。
最後はちゃんと埋めて帰る。
もし知らず人が上に乗って崩れたら
大変なことになる。

短時間の滞在だったが
スノーマウントの雪は締まって
上に乗っても崩れないほどだったが
さすがに力をいれて踏めばどすんと穴に落ちた。

雪山では気象が厳しいことは言うまでもなく。

なのでアクシデントで停滞を余儀なくされたとき
いかに体温を維持し続けるかが
生死を分けることとなる。

風を防ぎ、保温ができる空間が確保できれば
生存率はぐっと高くなる。

状況によって最速で効率よくそうした空間を
作り出せるノウハウは雪山に入るなら
ぜひ身につけておきたいスキル。

ふだん遊びながら慣れておくのがおすすめ。

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