鞍掛山スノーハイク

鞍掛山スノーハイク

冬と言えば西高東低の気圧配置。

これにより、日本海側に位置する我らが秋田は

冬と言えばどんよりと雪雲がたれこめて

青空にお目にかかれない日が続く。

 

だからたまには青空のもとで

白銀の雪山を歩きたいなと思うのだ。

そんなときは奥羽山脈を越えてすぐの

鞍掛山が手頃だ。

ということで5年ぶりだが鞍掛山に

スノーシューで行ってみた。

 

鞍掛山は岩手県滝沢村にある標高896.7mの山。

日本百名山の岩手山の麓、というよりは

この巨人の山裾に寄り添うように、並んでいる。

 

宮沢賢治が愛した山でもあって

イーハトーブの風景地のひとつでもある。

「くらかけの雪」にその風景が書かれている。

鞍掛山の登山口

相の沢キャンプ場が登山口となり、

このキャンプ場は冬期間も使えるし

車でのアクセスも良い。

登山口の相の沢キャンプ場

ナビに相の沢キャンプ場と打ち込めば良い。

だがしかし、わたしのナビでは

通行止めの方へ案内するので

注意が必要だ。

そちらは私有地や自衛隊の敷地になっている。

 

県道219号線沿いにあるので

それ以外の道に入るようならスマホなどで

確認した方が良い。

県道219沿いにこんな看板がある。

 

駐車場について

休日は年中登山者が絶えない。

駐車場は広く除雪もされているが

早めの到着がいいかと思う。

 

スノーシューレンタルあります!

駐車場そばには

たきざわ自然情報センターがあり

ここでスノーシューのレンタルができる。

地元の人なら300円、

県外だと500円だ。

 

ヒールリフターのないタイプだが

着脱簡単そうだった。

ストックもセットで借りることができる。

 

ふかふかの新雪のときなどは

スノーシューで樹林帯をぱふぱふと

浮遊感を楽しみながらの下山も楽しい。

 

スノーシューが絶対必要かと言えば

そうとも言えないのがこのコース。

よほど降雪がないかぎり

コースを外れて歩かなければ

しっかりとしたトレースがあるので

ツボ足でも十分だ。

凍結するシーズンなら軽アイゼンか

スパイク長靴があるといいかと思う。

 

トイレなど施設利用に協力金を

キャンプなら500円、

登山者は100円の協力金をお願いします!

 

きれいで暖かいトイレ棟

駐車場から少し離れたところに

トイレがある。

暖房も効いていて快適だ。

 

2024年2月上旬のスノーハイクレポ

コースタイムとルート

エルニーニョで小雪の2024年2月上旬、

スノーシューで出発。

トレースはかなりしっかりしているので

スノーシューはなければなくて良いのだが

せっかく雪があるのだもの。

人の道を逸れたいのだ。

 

なので、ツボ足登山者ばかりだったが

スノーシューでわたしは行く。

 

コースタイムは

9:50 トイレ棟出発

10:18 いっぷくドコロ

10:46 第一展望

10:56 沢の出合い分岐

11:13 第二展望

11:30 山頂

12:00 下山開始

〜寄り道したりしながら

13:00 下山完了

 

コースレポ

スタートは赤松とカラマツの森。

雪は固くしまっていてまるで3月のよう。

 

リスが松ぼっくりを食べた跡。

 

このコースかれこれ

3、4回ほど来ているが

いつもとてもしっかりと踏み跡がある。

 

そしてピンクテープも丁寧に付けられているので

コースを逸れる用事でもない限り

ルートファインディングについては

雪山初心者でも安心して登れそうである。

 

そんな安心感ある登山道ならではの

登山者たちの「心の余裕」の賜物が

あちこちに。

 

途中途中に、

このようなものがあってこれは

クマよけの鐘。

缶の横にぶら下がるパイプで缶を鳴らし、

クマにこれから騒々しい人間が

お邪魔するぞと告げるためのもの。

 

いっぷくドコロという分岐に着いた。

ここは分岐になっていて

右へ行けば稜線の展望を眺めて山頂へ。

まっすぐ行けば森の中をゆるやかに

登って山頂へ至る。こちらがやや距離がある。

 

本日は展望が良さげなので

右へ曲がる。

標高差90mほど登る。

 

トレースは明確だが

せっかくスノーシューなので

人の道を逸れる。

トレースのない雪面を。

 

80mばかり登って

ヤブがうるさくなってきたので

人の道に戻る。

 

人の道の横は広い樹林帯。

あるのは動物のトレースばかり。

 

第一展望台。

遠く姫神山が端正な姿で佇む。

 

すぐ手前には鞍掛山の山頂。

 

なだらかな稜線を進むと

下りとなって沢を渡る。

下りも登り返しもきれいな階段が掘られていた。

ツボ足にはありがたい。

 

30mばかりまた人の道を逸れて登れば

第二展望台。

ここから先はまたなだらかに。

 

雪庇ができる箇所があり

視界不良時には要注意。

危険箇所にはロープが張られている。

 

山頂へ最後の登りになると

励ますつもりか、

おちょくるつもりかこんな標識。

天ぺんマで400m。

それはこの世なのか。

 

どうやらわたしは「天ぺん」の標識から

100m進んだらしい。

てっぺんマで300m。

信じていいのか怪しげな綴りよ。。。

 

「天ぺん」まであと一息。

地元の登山者は朝早くから登っているらしく

ほとんど下山する人ばかりである。

 

山頂到着。

岩手山見えたぞ。

夏に登った山頂を見たくしばらく待ったが

雲は上がりそうにない。

山頂のブナごしに姫神山とともに

盛岡を見下ろす。

 

山頂には立派な山座同定盤があって

山頂部分にはあのブナの木も描かれている。

愛されているのだな。ブナ。

 

下山は周回しようか考えたが

展望のいい場所を通りたく、往路を降りるも

再び森の中を歩く。

細い幹だがクマのりっぱな爪跡があった。

 

沢の出合いの分岐から

深雪ならば東コースの急登を

ぱふぱふとスノーランしたかったが

あいにくの締まり雪。

スノーシューでは辛いだろう。

 

なので沢を渡ったのち

コンパスをあてて北側の登山道へ

行ってみることにした。

 

やや薮が出ているが

誰のトレースもない雪原をつっきるのは

雪山ならではの醍醐味だ。

 

鞍掛の腰掛け発見。

ふたりで腰掛けたら楽しそう。

 

人のトレースを追うのはつまらないと、

雪原へ足を向ければ

動物たちの先行トレースがあちこちに。

 

せっかくのイーハトーブだもの、

動物のトレースを辿って歩くのも一興だ。

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