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久々の小屋泊。
ビールはポリ袋に作った氷を
ジップロックに入れた保冷剤で
冷えていたので、水場で冷やすまでもなく。
なんの対策もなく
かついできたコーラはぬるかったが
炭酸と甘味と絶妙な風味が
山ではとてもおいしい。
アルファー米を戻している間、
寝床と荷物整理。
合間にビールとナッツ。
荷物も喉の渇きも落ち着いてから
レトルトカレーで晩ごはんに。
夜は冷えもせず暑すぎず。
午前3時に外を見ると満天の星。
ご来光と朝焼け目当てに
3時30分には小屋を出た。
当然みんな眠っているので
大きめスタッフバックに適当に荷物を
放り込んで小屋を出てから
改めてパッキング。
夜空の端が徐々に明るみ始める。
大深山荘から小畚へ朝焼けの山を
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/4-1.jpg)
月のない真っ暗な道を
ヘッデン頼りに。
小屋から大深岳までの登りは
石がごろごろで歩きにくい。
両脇は藪なのでさすがに
くま避けにと、蚊取り線香を焚き、
熊鈴を出した。
一度だけ前方の藪がガサガサしたが
あとは静かな夜明け前の蒼い道。
石に足をとられないよう
ゆっくりと進む。
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稜線に出ると夜の群青に
だいぶ紅がさしてきた。
岩手山と源太ケ岳のシルエットの山裾に
もったりと静かに雲が沈んでいる。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/5-1.jpg)
ご来光が見れるベストポジションで
たちどまりたかったが
ビューポイントについては
得に見当もつけないまま出発してしまった。
大深岳から先の登山道は
両脇に灌木がせまり、
明るみ始めた空の向こうが見えない。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/3-1.jpg)
大深岳からの平坦な道が
下りに差し掛かると
目当ての方向の視界が開ける。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/6-1.jpg)
ちょうど視界が開けた場所で
源太ケ岳の山腹から
朝日が差し始めた。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/7-1.jpg)
朝の最も美しい時間がはじまった。
これから向かう小畚と
奥に岩手山。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/9-1.jpg)
八瀬森との分岐。
ところで天気はいいが
夜露がすごい。
なんの準備もないままに
膝から下がびしょ濡れに。
スパッツでもつけるべきだった。
靴下が濡れたせいか
登山靴の中まで浸水し
沢靴状態になってしまった。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/10-1.jpg)
鞍部から小畚への登り返し。
5時10分。だいぶ明るくなってきた。
まだクマの活動時間なので
それなりに気を配って進む。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/8-1.jpg)
小畚への急登から振り返ると
昨日まったり過ごした源太ケ岳と
今朝、朝焼けを眺めた静かな大深岳が
遠い。
その稜線方面から
かすかに熊鈴の音が聞こえてきて
小屋泊まりの人たちも
出発したのだなと考える。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/11-1.jpg)
小畚の山頂が近づけば
ミネウスユキソウが出迎える。
毛深いミヤマウスユキソウに比べると
さっぱりとした印象だ。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/12-1.jpg)
5時30分、小畚。
写真撮りながらなのでだいぶゆっくりだ。
もうひとつ先のピークの見晴らしも
捨て難いが、お腹がすいたので
ここで朝食に。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/13-1.jpg)
ところで、夕方もそうだったが
早朝もホシガラスが元気だ。
わりと近くで囀っては
ハイマツの実をついばんでいる。
写真はハイマツの実をくわえて飛ぶ
ホシガラス。
登山道にも彼らが食い散らかした
ハイマツの松ぼっくりが散乱している。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/14-1.jpg)
昨夜のうちに沸かした湯を
もう一度沸かし直して
インスタントスープで
朝食は玉子スープのおじや。
ごはんは昨日の食べ残し。
いつもアルファー米は
一袋あれば夕食と朝食で食べ切る。
レギュラーコーヒーの香りと
熱さを味わいながら
誰もいない山頂で過ごす朝は格別だ。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/15-1.jpg)
ずっと早朝が続けばいいのにと
呑気に過ごしている間にも
日は昇り続け、鈴の音も近くなってくる。
山頂を次の人に明け渡すかと
出発する。
三ツ石覘標ノ台から三ツ石山荘
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/16-1.jpg)
この先の登山道は
いつきてもときめく。
なだらかな稜線の先に
やや台形の形の山頂が
標高1447.9mの三ツ石覘標ノ台。
その奥に岩を頂くのが三ツ石山。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/17-1.jpg)
6時30分、三ツ沼。
振り返ると三角点のあるピーク、
三ツ石 覘標ノ台が沼に映っている。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/18-1.jpg)
草原の道を行く。
さすがにまだ誰ともすれ違わない。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/19-1.jpg)
秋田駒ケ岳と
手前に乳頭山が展望できる。
その下の湯気が上がっているのが
葛根田地熱発電所だ。
その近くに滝ノ上温泉があって
そこから千沼ケ原を経て乳頭山への
登山道がある。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/20-1.jpg)
三ツ石山への緩い登りが始まる。
標高があがれば、来た行程が一望できる。
右奥に源太ケ岳。なだらかな稜線を
左に行けば大深岳。
小畚は手前の覘標ノ台に隠れている。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/21-1.jpg)
モロビの香りと
ホシガラスの囀りの山道を。
庭園のような場所だ。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/23-1.jpg)
7時過ぎ、三ツ石山。
山頂の岩峰は、きょうはいいやと
下っていく。
三ツ石山荘から松川温泉へ
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/25-1.jpg)
三ツ石山からの下りは
目の前に岩手山を眺めながらで
景色はいいが急なので
足元は悪い。
ぼちぼち登ってくる登山者と
すれ違う時間帯に。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/22-1.jpg)
三ツ石山荘が沼のほとりに。
いつもながらかわいらしい光景だ。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/24-1.jpg)
だいぶ下ってくると、
登山道脇にはニッコウキスゲが
見頃を迎えて咲き揃う。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/26-1.jpg)
7時30分すぎ、小屋到着。
一息いれていく。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/27-1.jpg)
さすがにすでに宿泊者はおらず、
小屋はしーんとしていた。
バルコニーでザックをおろして
コーヒーを淹れる。
のんびりしていると
昨日大深山荘で同宿の登山者も
やってきた。
山の話などして休憩時間を共にする。
沼にカモの夫婦がくつろいでいて
こちらも
しばしゆっくりと朝を楽しむ。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/28-1.jpg)
さて、ここからはひたすら下山だ。
開放感あふれる草原や池塘とは
ここでお別れ。
山荘を出るとすぐに湿原と
その向こうにはモロビに覆われた
大松倉山のなだらかな姿が横たわる。
さらに岩手山へと縦走する人たちは
あの大松倉山の山腹の道へ進む。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/29-1.jpg)
わたしは下山なので
三ツ石山荘を過ぎてすぐの分岐を
松川温泉方面へ。
笹藪迫るが登山道は
刈り払いもしっかりしている。
2時間ちょっとのひたすらの下りだ。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/31-1.jpg)
アオモリトドマツの大きな松ぼっくり。
拾った。ずっしりとした重量感が頼もしい。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/30-1.jpg)
あまり展望のない道だが、
途中で岩手山が間近にみえるポイントもある。
きれいな三角の山は姥倉山だろうか。
樹高も高くなり
ブナの木が多くなって
ときどき巨木を見上げたり
厳しい環境によじれた樹形に
シャッターを押したりしながら
下っていく。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/08/32-1.jpg)
9時55分、下山完了。日差しが暑い!
駐車場に戻ると、出発時には一台しかなかったが
満車に近い賑わいに。
早い時間で空いている峡雲荘で
いかにも効きそうな香りの温泉で
足をのばし、さっぱりとして帰路につく。
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