2024年1月28日石黒山の2つのピークへ積雪期限定ルートご案内

2024年1月28日石黒山の2つのピークへ積雪期限定ルートご案内

石黒山には地形図では夏道の記載があるものの

実際にはヤブに埋もれていて使えない。

ということで登るなら積雪期。

今回のガイドツアーはこの石黒山へ

地図読みしながら登ろう!という趣旨である。

 

わたしの登山ガイドツアーでは

地図読み登山をいくつか用意しているが

この石黒山、等高線が表現しきれない地形や

コンパスが必要な単調な地形、

その一方で

ものすごく分かりやすい地形など

地図読み練習に手頃な地形が

コンパクトに収まっている。

 

じっくり地図読みしながらでも

往復できる距離なので地図読み勉強には

ちょうどいい山域のひとつなのだ。

 

石黒山とは

どこにある?

秋田県にある1103mの山で

秋田駒ケ岳の北西、または乳頭山の西にある。

麓に鶴の湯があり、ここは

大白森や乳頭山への縦走コースの起点にもなる。

ルートはどう取る?コースタイムは?

雪山なので好きにルートを取れるが

わたしの定番ルートが上の図。

夏道を辿るのもいいかもしれないが

途中の渡渉の沢がどの程度か分からないので

このルートとしている。

拾いやすい尾根を結んだ最短ルートだと

思っている。

 

コースタイムは雪にもよるがゆっくりめで

三角点ピークまで登り3時間30分ほど。

最高地点の1103までは

三角点ピークから500mの距離だ。

往復で1km。

4mほどの高低差なのでほぼ平坦な

ブナの疎林帯をのんびりスノーハイクできる。

時間に余裕があればぜひ

三角点と最高地点の二つのピークを踏んでおこう。

見どころ&おすすめポイントは?

ブナの大木群が見事

出発点の鶴の湯温泉から

林道を横切って杉林を抜けると

小ピークふたつに挟まれた先に

ブナの大木群が枝を広げて待っている。

見惚れてしまうその樹高と枝っぷり。

カラマツ林が美しい

地形図の植生を見れば針葉樹林マークだが

921付近はカラマツの林となっている。

カラマツは日本固有種。

落葉する針葉樹林なので冬は

開放感ある明るい森となる。

冷え込んだ日は、枝についた霧氷が

青空に映え、思わず立ち止まってしまう美しさ。

秋田駒ケ岳の展望が素晴らしい

山頂直下はブナの疎林となっていて

眼下の森とその奥の秋田駒の展望が開ける。

秋田駒ケ岳まで直線距離にして約8キロ。

とても間近に、男女岳から笊森、乳頭へと

なだらかな稜線が展望できて満足度が高い。

山頂のブナ林

三角点と最高地点を結ぶ、

なだらかで広い山頂部分には見事な

ブナ林が広がる。

クマの楽園らしくブナの幹には

爪痕がたくさん。

クマ棚もたくさん見られるが

さすがに2024年1月は昨年のブナの不作で

クマ棚は見当たらず。

石黒山ガイドツアーレポ

本日は曇り空。風もなく穏やかな日曜日、

仙岩情報サービスセンター集合ののち、

車一台で鶴の湯へ向かう。

 

事務所に挨拶してから身支度し

橋を渡って除雪の雪山を乗り越えて

杉林へ入っていく。

 

本日は地図読みということで

ゲストの3人様にはそれぞれ

地形図とコンパスを持ってもらう。

杉林は単調で見通しが効かない。

そこでコンパスをセットして進む。

 

林道に出たところで

ばっちり入山ポイントに。

林道を横切ってから杉林の登りになるのだが、

できれば落葉樹の森を歩きたいので

尾根をひとつ逸れて杉林を抜ける。

 

うっそうとした杉林から一転、

ミズナラの明るい森を進めば

前方に3つの小さいピークが見えてくる。

 

尾根づたいにぬければブナの見事な

大木ゾーンに。

 

大木ゾーンから

しばしゆるやかに杉林を行けば

第一急登に。

尾根づたいに真っ向から挑むには

ちょっと急すぎ。

3月など雪が締まった季節には

この急登はアイゼンが必要になる箇所だ。

 

石黒山は山頂直下含め

こうした急登が三ヶ所。

ほどよいスパイスになっている。

急登を2回登り切れば

左に1ヶ所、秋田駒の展望地があるが

本日はガスで見えず。。。

 

一息入れてからゆるやかに進んで

921にさしかかればカラマツゾーンだ。

さほど冷え込まない日であったが

木々には繊毛のような霧氷が

びっしりと。これに雪がふれば、

もふもふの見応えある霧氷になるだろう。

 

カラマツを抜けて再び急登に。

山頂直下の最後の登りだ。

本日の雪はやや重めながらも新雪で

踏み込めば崩れやすい。

ラッセルを交代しながら

じっくりと取り組めばいずれ山頂が見えてくる。

 

ガスが出てきて視界が悪くなり、

一回偽ピークでバンザイを決めてしまったが

無事、三角点ピークに到着。

 

ツアー予定では

三角点ピークがゴールなのだが

ゲストから最高地点も踏みたいとの

リクエスト。

ここから500mほど。

そして雪質もいいので下山は

さほど手間取らないだろう。

なにより、もう一つのピークに行こうと

決まったとたん、みなさん

ランチのラーメン、

立ち食い蕎麦屋で蕎麦をかっこむ

24時間戦うビジネスマンさながらに

ものの数分で片付けた!

予定外のルートではあるが

登りもなくブナの森歩きなので

気分は楽だ。

とくに山頂の目印もないうえ、

だだっぴろい山頂なので

どこが最高点か分かりにくい。

 

みんなでスマホ片手に山頂ピークを

割り出しながら進む。

ピーク手前、ステージのような広場に出た。

気持ちのいい空間だったので

ここが山頂でいいやと記念写真。

けれどせっかくなので

その数m先、ブナの森のなかに

山頂を割り出して記念写真。

山頂ジャストにはこちらのブナ様が

いらっしゃったので

どいてもらうわけにもいかず、

ブナ様と記念写真を。

曇りの日だが時折青空。

再び三角点ピーク手前に戻ってくる。

最高地点ピークは

なだらかで分かりにくいが

こちらの三角点ピークはごらんの通り。

とても分かりやすい。

山頂稜線上のブナは

あまり風は強くもないのか

結構な樹高の立派なブナ。

 

さて、下山。

ガスがなければ

秋田駒の絶景が見えるのだが

今日は心の目で。

 

がんばって登った分、

新雪ぱふぱふスノーランは快適。

ラストにスノーゲートを

潜ってそろそろ人の世へ。

15時30分、鶴の湯温泉到着。

皆様ご参加ありがとうございます(^^)

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