2021年9月11日神室山ガイド

2021年9月11日神室山ガイド

今週末はみちのくの小アルプスこと、
神室山のご案内でした!
秋田県の役内口から
西ノ又コースを登り、パノラマコースを
下山する周回コース。
標高1365mと、標高こそ
さほど高くもない山ですが
どこから登っても急登の
なかなか手強い山でもあります。

なんだか敷居が高い山。
ご参加のお客様が神室山について
そのようにおっしゃっていました。
おそらくそう思わせるのは、
時間がかかるわりになかなか
捗らない標高にあるのかも。

今回の西ノ又コースは
えんえんと1時間ほど
標高が上がらないまま沢ぞいの
コースを歩き、
一方のパノラマコースは
えんえんと標高の変わらない、
稜線歩きのアップダウン。

それでも山頂にたどり着けば
苦労した甲斐あってのこの展望!

山頂から小又山

ガイドでは登山体験教室以外では
オリジナルリーフレットを。

出発はパノラマコース登山口に
クルマをデポして、
西ノ又登山口まで林道を15分ほど。
西ノ又登山口、というか
林道崩壊の手前にもクルマ4、5台ほど
停められるスペースがある。

登山口

紅葉とキヌガサソウシーズン以外は
割と入山者もまばらな神室山。
西ノ又コースは沢ぞいの
変化に富んだコース。

吊橋を2回渡ったり・・・

吊橋

こんな岩をへつったり。
岩には手がかりのボルトが
打ち込まれている。
この上を巻く道もあるが
滑りやすいので
ここをへつるのも、巻くにも
気が抜けない。

わたしのガイドツアーでも
募集は3人に。
キャンセル待ちの方には
申し訳ないのですが
いく筋もの小沢が刻まれる山腹の
巻道は、狭く足場も悪く滑りやすい。
大人数では1人のガイドの視界内に
お客様が入らない箇所が多い。

このコースについてはガイド1人で
3人が精一杯かなあと考える。

沢ぞいのへつり

三十三尋の滝が見えてくれば
最後の渡渉点に。
雪解けシーズンはかなり水量もあるが
秋になればこの通り。

この最後の渡渉点手前の渡渉点で
沢を遡ってしまいやすいので要注意。
すぐ対岸に登山道があるが
見落とされやすいようだ。

第三渡渉

最後の渡渉のあと、
不動明王の広場に出る。
水場はそこから少し登ったところにある。
冷たい湧水なので、暑い日は
本当にありがたい。
山頂に水場マークもあるが
あれは沢を百メートルも下るので
あまりアテにしたくない。

水を補給したら胸突き八丁。
標高差450メートルほどを
えんえんと登る。
今回は80メートルごとに
たち休みを入れながら
気長に急登に取り組む。

急登が終わると視界がひらけて
まもなく御田の神。マミヤ平だ。
目の前には前神室山が大きい。

やや平原をやや下って草原を渡る。
草紅葉が始まった草原に
ちらほらとエゾリンドウ。
イワイチョウの葉は黄色く色づき、
ようやくその名前の通り
イチョウに似ていることに納得する。

マミヤ平から稜線へ急登となる。
初夏にはキヌガサソウの一大群生地だ。
今年はシーズン中に雹が降って
台無しになってしまったようだ。
ここの群落は世界一の規模!
まあ、日本固有種ですからね。

キヌガサソウの姿のない急登には
オニシオガマが見頃だ。
名前のわりに愛らしいピンクの
オニシオガマに励まされ
急登を登り切れば「窓くぐり」。

窓くぐり

窓をくぐってようやく、
神室山が目の前に立派にそびえる。
たぶん、このコース中でこの稜線からの
神室山が一番主峰らしい風格を
見せてくれる。

神室山

主稜線に合流すれば
途中にこんな岩場があるが
山頂はもうすぐ。
ここは両脇が切れ落ちているので
1人ずつ、焦らず急かさず
慎重に。

神室山山頂手前の岩場

順調に進んで30分ほど早く
山頂に到着。
この画像は昨年のものですが、
紅葉前のシーズンですと
人もまばらで静かな神室山が
堪能できます。

神室山山頂

ちょうど山頂は私たちだけとなり
おかげで展望独占。
のんびり大休止を。

下山はパノラマコース。
展望に慰められながら
アップダウンを。

昨年がこのコース通行止めだったせいか
前神室手前が薮かぶっていました。
迷うほどではありません。
この写真の程度。膝ぐらいです。

花はセンシュガンピなど。
華やかなのはナナカマド。
朱色の実が眩しいくらいに
たわわに。何度も足がとまる。

そして前神室山の登場。
どうです。立派でしょう。
振り返る主峰神室山は、どうみても
この前神室やその奥の小又山の
堂々とした風格に霞んでしまう。

さすが主峰と見上げるには
やっぱり窓くぐりのあとの展望地だけ。

このシーズン、花も紅葉もなかりけり、
なのですが、意外とピンク要素は高め。
こちらはホオノキの実。

こちらのピンク要素はコブシの実。
春先に大きな白い花が真っ先に咲く、
あのタムシバ。

あちらこちらにピンクの
この独特な形の実を実らせた木が
見られます。
この表皮が割れると中から
赤い実がのぞくので、ぜひ、そっと
それを摘んで引っ張ってみてほしい。
赤い実には糸がついていて、
摘んだ指を離せば
ぷらんと垂れ下がって地味に楽しい。

そしてよくよく見れば
タムシバは早くも冬芽が越冬準備。

こちらはオニシオガマ。
大きいのでオニ、なのだそうだ。
マミヤ平付近で見られます。

パノラマコースはブナの巨木があちこちで
見られてブナ好きには楽しい。
登山道わき、いっぷく平付近には
これでもかというほどの
クマの登り爪と下り爪。

お天気にも恵まれ、
気の抜けない際どい登山道を
怪我なく元気に下山。
お疲れ様でした!

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