2022薬師平付近のニッコウキスゲとすずみ長根と。

2022薬師平付近のニッコウキスゲとすずみ長根と。

ガイド業で7月2日、9日と2週続けて
甘露水口から薬師岳を登った。
9日は天気にも恵まれたが、
なによりニッコウキスゲの大群落。

フェスに押しかけた群衆さながら
青空のもと咲き揃っていた。
せっかくなので、記録がてらブログアップ。

そして9日はすずみ長根という
名前はとても涼しげなコースを周回。
マイナールートながらも味わい深いコース。
上の写真の大甲山、甲山方面へ向かう。
こちらも記録がてらアップ。

さて先週は土曜和賀岳、
日曜真昼岳、水曜女神山と
ひとり真昼山地フェスかというほど。

そしてふたたび土曜日は薬師岳だ。
甘露水から薬師岳までの
きつい登りも、こうも通えば
気持ちが慣れる。
気持ちが慣れれば
フィジカル的にもなんだか楽になる。

樹林帯の急登から解放され、
広がる真昼山地の展望と
遠くに鳥海山を見つければ
われわれ登山者は大いに励まされ
疲れた心身にふたたび力が蘇る。

単純なものだ。

だがさすがに
薬師岳直下の急登は徐々に
足取りを鈍らせる。

いいのだ。こういう急登は
じっくり付き合うべと割り切って
一歩一歩登ればそれだけ標高が
じわりじわりと上がっていく。
一歩一歩は裏切らない。

ほら一歩一歩の集大成の展望。
和賀岳の大将が出迎えてくれた。

どれが和賀岳?とお客さんに聞かれ
奥で偉そうにしているヤツ、で
通じました。

薬師岳の山頂に立つと、
黄色く染まる稜線に思わず誰もが
声を上げる。

奥には田沢湖、その奥には森吉山まで。
今日は大仙市の和賀岳登山で
総勢30人以上が登って行ったが
そのうち数人があの黄色の群落に
止まって動かない様子が見えた。

ちなみに↑こちらが1週間前。
蕾が多かったもののこれでも十分に
感激したのだ。だが。

1週間後の爆咲き。
言葉はいらないだろう。

ニッコウキスゲは1日花。
まだ蕾はあったが、今日が天気ともに
絶好のタイミングだったんじゃないか。

この花びら、6枚あるのだが
じつは花びらは3枚で、残りの3枚は
ガクなのだとか。
外側の花びらっぽいのがガク。
当たり年の今年、ウンチク語ってみましょう。

さて、もうニッコウキスゲの中で
夕暮れまで寝転んでたほうがいいように
思えてきたが、今日のメニューのもう一つ、
すずみ長根へ向かうとする。

分岐から少し、
草がだいぶ繁って足元が見えにくく
さらには急斜面なので
はじめて足を踏み入れるには
とても躊躇うかもしれない。

急な藪の下りがいつしか終わり、
しゅっとした痩せ尾根となる。

背後を振り返れば薬師岳が遠い。
そして急激に落ち込む谷の底には
和賀川に流れ込む沢が
滝を作りながら流れている。

深い森からはエゾゼミか
エゾハルゼミの涼やかな声も。

痩せ尾根が続くので、
強風時は避けたいルート。
今日も風はあったが、気をつければ
いいレベル。

行手に見えるは大甲山だ。
薬師岳までの登りに比べれば
楽な登りだ。

遠くの空は雨が降っているようで
雲から地上へかすみができていた。
風向きからして
雨雲がこちらに来るか来ないか
ギリギリなところ。

大甲山への登り。
ときどき樹林に潜るが
展望が良い。

薬師岳はずいぶん遠くなった。

このコース、樹林帯に潜ると
厳しい環境が作る奇形の味わい深い樹木が
さながら美術サロンのように
待っている。
これも楽しむポイント。

その美術サロンに
クルマバツクバネソウ発見。
ツクバネソウはよく見るが、
これはなかなか出会えなくてようやく対面。

大甲山の山頂は標柱があり、
ちょっと広め。
一息いれるにはちょうどいい。
そして展望が素晴らしい。
左が薬師岳、和賀岳が切れてしまっているが
もちろん展望できる。
本日は日本海の水平線もくっきり。
となれば当然、男鹿半島もくっきりと。

大甲山から急斜面をぐんぐんぐんぐんと
下っていけば登り返しがある。

このコース最後の顕著な登り。
見た目よりあっさり終わる登りなので
がっかりする必要はない。

一年でだいぶ笹も育ってきたが
登山道は明瞭だ。

登り切って、痩せ尾根を辿っていけば
甲山(曲がり甲)の奇峰。
これは下界からも良く見える。
あいにく登山道は廃道で
痩せ尾根を灌木が覆っている。

背後を振り返れば
今日歩いた道が一望できる。

甲分岐から中ノ沢岳方面へ
しばらく下っていく。
地形図にある登山道は旧道で
現在は違う尾根に道があるので
惑わされないように。

7月9日現在、中ノ沢岳コースから
甘露水口方面への分岐点に
標柱などはないので、
ピンクテープなどの目印を
見落とさないように注意。

いずれ標柱が設置されるとのこと。

この分岐から登山口まで
ゆっくりペースで2時間ほど。
山慣れて元気ならば1時間少しほどだ。

すずみ長根は、名前ほどには
涼しくもないのだが、ブナ林のなかを
のんびりと、、、としたかったが
本日は虫が多くて立ち止まれなかった。

すずみ長根から旧車道に出ると
もう登山終了した気分になるがここから長いし
道は石がごろごろしていて
とても歩きにくくなる。
疲れた足に酷なラストだ。

終盤、渡渉が2回。
顔を洗うなら最初の沢が浅くて手頃。
沢水はぬるい。

二つ目の沢には小滝がある。
対岸に登山道があるが
刈り払い前だと草が茂っていて
わかりにくく、沢を下って行きがち。

対岸の草の中に道が埋もれているので
しっかりルーファイしましょう。

今年の刈り払いはこの記録の翌日、
7月10日に実施されたようです。

夏の周回コースのあとは
甘露水がことさらおいしい。
日の長いこの時期おすすめの味わい深いルートでした。

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