泥湯三山の山伏岳とは
秋田県南、湯沢市の
泥湯三山に数えられる山伏岳。
標高1315m。いざ行こう!の1315。
麓には秘湯泥湯温泉や
かつての日本三大霊場の川原毛地獄、
豪快な滝の野天風呂の川原毛大湯滝、
そして令和元年から稼働した山葵沢地熱発電所。
温泉やら地獄やら地熱発電やら
やたらホットなスポットの理由は
この泥湯三山一帯は、
26万年ほど前に噴火した火山だったことに起因する。
夏おすすめコースと登山口
泥湯三山の環状縦走もいいが、
それなりに距離もある。
サクッと山遊びがしたいときは
山伏岳往復がおすすめ。
ガイドブックでは川原毛地獄付近からの
往復コースが紹介されているが
おすすめは川原毛大湯滝駐車場から
川原毛地獄を経由するコース。
通常コースに登りで20分弱、
下りで15分ほど追加になる程度だ。
ここを出発点にすることで
川原毛地獄も見物できるし
なによりも
下山後に大湯滝の豪快な野天風呂に直行できる。
大湯滝は9月中旬ぐらいまでがシーズンだ。
それ以降は湯温が下がってしまう。
川原毛大湯滝へのアクセス
登山口を川原毛大湯滝にしても、
川原毛地獄にしても
どちらも立派な駐車場と水洗トイレが
整備されているので安心だ。
大湯滝へは国道13号から
現在無料開放中の湯沢横手道路を
須川インターで降りて、県道51号を行くと
三途川を過ぎたあたりで上の画像の標識が出てくる。
川原毛大湯滝方面へ右折する。
道路は舗装されているが狭いので
すれ違いは注意を。とはいえ、
すれ違いできるスペースが多く、
あと何メートル先にすれ違いスペースと
表示された小さな看板があるので
チェックしながら進もう。
川原毛地獄とは
かつては恐山、立山に並ぶ
日本三大霊場に数えられていたが
今は硫黄採掘跡があるばかり。
白い岩は、火山ガスによって白色化したもの。
モデルコースタイム
コースタイムは標準タイムよりゆっくりめ。
特に夏は、休憩をこまめに入れながら
水分補給しっかり取って登ろう!
08:00 川原毛大湯滝駐車場
〜川原毛地獄見物〜
08:40 山伏岳登山口 着
08:50 山伏岳登山口 発
(→2時間)
11:05 山伏岳山頂 着
11:45 山伏岳山頂 発
(→1時間30分)
13:15 山伏岳登山口 着
(→20分)
13:35 川原毛大湯滝駐車場
13:50 〜温泉道具持って温泉へ〜
(→20分)
14:10 温泉 着
山伏岳山行レポ
8月27日、いつになく大湯滝駐車場が
賑わっているのは前日に
大曲花火競技大会があったからだろう。
8:00 予定通り出発。
川原毛地獄は遊歩道が整備されているが、
令和5年7月の大雨で
だいぶ大きな洗掘の跡が残っている。
硫黄鉱山で掘られた跡地は
まるでそういう地形だったかのよう。
正面のピークは本日、川原毛の槍と命名。
川原毛地獄から車道を少し下って、
山伏岳登山口。
登山届ポストがあるので忘れずに。
最近はスマホでも登山届を提出することができる。
この登山口の向かいにも
4〜5台ほど停められる駐車スペースがある。
すぐに登りたい人はここが一番近い駐車場だ。
登山口では大きなブナの木が出迎える。
この周辺のブナの木肌はつるんとしていて
お馴染みのまだら模様がない。
これは硫黄などのガスで地衣類が
付きにくいからかと考える。
森のなかを行けば
やたら偉そうなブナがいる。
よくよく見ればクマの登り爪と下り爪も
ついている。
見応えのあるブナなので
わたしは毎回ここで立ち止まる。
登山道は樹林帯のなかの
踏み固められた道。
カラマツと杉がまばらに生える道を過ぎれば
左手の梢越しに高松岳と小安岳が見えてくるが
山伏岳の姿は山頂直前までお預けだ。
何度か急登があるがどれもすぐ終わる。
緩急を繰り返して登っていく。
例年になく暑い今年だが
きょうは樹林が日差しを遮り、また風も
心地よく比較的涼しい登山となった。
樹高がやや低くなって
斜度が緩んだ登山道脇に
モウセンゴケがびっしり群生するゾーンがある。
8月上旬ごろなら白い小さな花が咲く。
モウセンンゴケは食虫植物で
しゃもじのような丸い葉っぱで虫を捕える。
洗掘の大きな箇所を回り込んで登る。
この登山道はときどきアサギマダラも
見られるが、
今年は暑すぎるのかまだ見ていない。
だいぶ樹高が低くなって
背後には横手盆地が見えてきた。
森林限界を越えるとようやく
山伏岳が見えてくる。
登山道から見る山頂は平過ぎて
言われなければどれが山頂か気づかない。
山頂到着。
この山伏岳山頂からのお楽しみは
すぐ下にある屏風岳のユニークな姿。
こちら屏風岳。
手前に見える登山道は秋の宮からのコース。
地元山岳会が手入れしてくれている。
雲がなければ山頂からは
鳥海山、神室連峰、虎毛山、栗駒山などが
ぐるりと展望できる。
本日はガスで最初なにも展望がなかったが
ランチで冷え冷えのノンアルなど飲んでいると
みるみるガスが上がっていき
屏風岳が姿を見せてくれた。
鳥海山は裾野だけだったが
屏風が見えれば満足である。
【おまけ】豪快な天然掛け流し露天風呂へ
8月から9月中旬までが
入浴シーズンとなる大湯滝。
駐車場から15分弱ほど下ったところにある。
ぜひ持っていってほしいものはこちら↓
・タオル
・サンダル(温泉が岩場なので裸足は痛い)
・飲み物
・アブよけや虫刺され薬
この暑い季節に温泉なんて、と
思われるかもしれないが、大滝までの道は
深い樹林帯で意外にも涼しい。
入浴前にまずは森林浴ができる。
梢の向こうに大きな滝が見えてくる。
2段の滝になっていて見応えのある滝だ。
脱い場は8月から9月中旬ごろまで
湯沢市が設置してくれる。
この脱衣場ではアブがいることもあるので
虫除けなど忘れずに。
なお、大湯滝の温泉周辺ではアブは私は見ていない。
脱衣場だけ要注意だ。
今日は湯量が多め。
最初、足湯だけと言っていた人たちも
登山着のままザブン。
源泉掛け流しのいい湯。
登山の疲れも癒やされる。
ところで、懸念されるのが
せっかく汗を流しても駐車場までの登りで
また汗をかいて暑いのでは?という問題。
これはおすすめは
登山着のまま入浴したら
そのまま着替えずにずぶ濡れのまま駐車場へ戻る。
夏とはいえ、気加熱でひんやりしてくるので
登りの体温上昇を抑えてくれる。
着替えは駐車場で。
トイレもきれいなので女性は
トイレでささっと濡れた衣類を着替えよう。
※野天風呂ですので石鹸やシャンプーなどの使用はできません。
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