本来は淡い黄色い花のようだが、
あいにくまだ一度しか会ったことのない花で
そのときのこの花の装いがこの画像の
シックなピンクであった。
秋田県ではなかなか見られないようだ。
この画像は秋田駒ケ岳付近で10月に撮影したものなので
きっともう花も終わりかけだったのだろう。
プロフィール
ハナイカリ |
花錨 |
リンドウ科 |
分布
北海道から九州にかけての山地で、日当たりの良い草原などで会うことができる。
花の時期は8月から9月。
レッドデータ
絶滅 | ー |
絶滅危惧Ⅰ類 | 秋田・福井・岐阜・愛媛・高知・熊本 |
絶滅危惧Ⅱ類 | 埼玉・東京・神奈川・富山・石川 |
準絶滅危惧 | 宮城・福島 |
特徴
円筒状の花の先には、ツンとトンがった4本のツノが生える。
このツノのような部分は距(きょ)と言って、スミレなどにも花の後方一本細長く伸びるがあれと同じ。
この距のなかで蜜が作られるので、この蜜にありつけるのはストローなど長い口を持つチョウや奥まで潜り込める蜂に限られる。これらの虫は、ちゃんと花粉を運んでくれる虫たちだ。
花にとってはちゃんと花粉を運んでくれる昆虫にだけ、ご褒美の蜜を提供し費用対効果を高めたいもの。
このユニークな形状は、植物の戦略なのだ。
葉っぱは全縁の卵形。大きい葉同志、小さい葉同志が向き合って着く。
葉を見ればなるほど、リンドウ科だな。
名前の由来
4本の距が昔の舟の錨に似ていることに由来する。
春に咲くイカリソウと区別して「ハナ」が付けられた。
似た植物:イカリソウ
花の雰囲気は同じく4つのツノ(距)があって似ているが、こちらはメギ科。
葉っぱの形も全然異なっていて、たまたま受粉に対して同じ戦略を採ったためなのか花の形が似てしまったようだ。
春のイカリの名には「草」が付いてイカリソウ。
夏のハナイカリは、名前のとおり花が上につくが、こちらのイカリソウの花は葉っぱで俯いて咲く。
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