標高1059m。1000mをちょっと
越える程度の標高とはいえ、
厳しい気象にさらされて、
真昼岳は森林限界が低い。
稜線からの展望は、
2000m級とまではいかずとも
実際の標高より300〜500mは
高い地点にいる気にさせる。
そんなお得感ある真昼岳へ
赤倉岳から往復してきた。
赤倉口はこの大鳥居の先が
通行止め率が高い。
本日は開通だった。
しかし林道の路面には
雨水逃しの溝が随所に掘られ
車高の高い車でないと
車体をこする。
気になる方は、この大鳥居で
車をデポするのがおすすめ。
コースタイムは
登山口の看板にあるように
登り2時間40分をみていれば
オッケーではあるが、
昨年から取り掛かりの
沢沿いの登山道がほとんど
沢のゴーロ歩きとなっている。
苦手な人はここで時間を
取られるので要注意。
沢沿いのスペースに駐車する。
沢がだいぶ暴れたようで、
駐車場脇まで路肩が崩れている。
しょっぱなから
渡渉がはじまる。
登山靴の防水スプレーとスパッツで
だいたい濡れずには済むが、
不安な場合は登山靴を背負って
ここから40分以上続く沢道は長くつを
使って、沢道終点にデポしていくのが
いいかも。
本日は矢留山岳会のFさんと。
連休中この日しか晴れない!とばかりに
賑わう鳥海山に背を向けて
赤倉口の沢道を黙々と行く。
沢の途中の湧き水。
昨年は沢が崩れて埋もれていたが
復活の様子。
雪渓トンネルができていた。
さすがに潜らないけれど。
アズマシロガネソウは
そろそろ見頃。赤倉コースでは
この沢沿いでだけみられる。
やがて登山道が沢と決別し
ようやく山腹に取り掛かると
杉林からブナ林に出る。
ブナの二次林の森は
ようやく芽吹いたばかり。
まだ空が見える。
「真昼のブナ林」の標柱までくると
ブナの梢の芽吹きはまだ。
ちょっとの環境の違いで春の速度は
こうも違う。
今日の晴れ予報は里限定か。
真昼岳の山頂は雲のなか。
おかげで、とても深い山のなかにでも
いるみたいだ。
残雪はこのくらい。
登山道は拾いやすい。
踏み抜きもない。
ヤセツル手前のブナは
ぐっと矮小化。
マンサクが咲いたばかりだ。
里の感覚ではまだ3月上旬の景色がある。
ヤセツルの雪はこの程度。
雪解け直後らしく
ショウジョウバカマが見頃。
ときどきイワナシ。
ヤセツルをすぎると
いつもの残雪ゾーン。
今日はさほど踏み抜きもない。
ピンクテープもあり、わかりやすい。
山腹のトラバースで
唯一危険箇所がここ。
斜度もあり、このまま谷に
滑り台になっている。
稜線に出た。風もあるし
なんだか山頂、もういいか。という
気分もあり、Fさんとしばし談義。
あ、山頂が見えてきた、ということで
真昼岳に誘われる形で
やっぱ行っておくかと最後の登りへ。
大型連休、どこもピークを
踏まないというのも締まりが悪い。
しかもこの程度の風で撤退じゃあ
ただのダイエット登山になってしまう。
背後に音動岳。
シラネアオイはまだか。
この稜線歩きが、アップダウンあって
面倒っていえば面倒感・・・。
せめて晴れていればねえ。
晴れていれば青空に
カッコよく映える景色。
到着。
稜線から15分程度なんだけどね。
なんだか3回に1回はあの分岐で
下山してしまう。
風が強いので神社に逃げ込む。
建物が揺れるほどだ。
大型連休でさぞかし山密だろうと
警戒していたが
まだ新緑にもシラネアオイにも
水鏡の展望にも早いこの時期、
登ってくるのは単独の登山者が
ポツポツいるくらい。
山頂神社では単独の二人と我々だけ。
のんびりできたが、
冷えてきたので下山する。
メールチェックすれば
鳥海山チームは風とガスで
大変みたいだが、さすがは鳥海山、
人は多いみたい。知り合いのほとんど
集結している模様。
見下ろせばブナの峰走りが
始まっている。
昨年、倒れていた
石造りの方位盤も治っていた。
女神山を眺めてさて下山。
寒い寒い。
なんと、下山途中で
登ってくるYuraさんとばったり。
何年振りかの再会だ。
お昼近くなると山頂のガスも
だいぶ取れてきた。
Yuraさんは、今頃景色を堪能しているだろうか。
割と早く下山できそうなので
ゆっくりとイワウチワに付き合う。
山腹一面がイワウチワだ。
シラネアオイはようやく蕾が
地表に出てきたところ。
カタバミは咲いたばかり。
イカリソウもやっと葉っぱが
地表にひょろっと登場したばかり。
けれど春から夏への
季節はあっというま。
雪以外の時間が停止する冬山から
時間感覚を切り替えないと
置いていかれそうで
春はなんだか落ち着かないのだ。
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