コース全体の概況をざっと
秋田県南部、湯沢市の泥湯温泉を起点に小安岳、高松岳、山伏岳といわゆる泥湯三山を環状ルートで縦走できる。
2022年9月現在歩いたところでは、刈り払いが行われたようで稜線の登山道は明瞭で展望もよく気持ちがいい。
昨年2021年の情報では高松岳周辺は頭まで笹藪だったようです。
小安岳直下まで、泥湯から約2時間ほどは急斜面の山腹につけられた巻道が連続し、足がやっとひとつ置ける程度の箇所もあり山慣れない人には緊張する登山道かも。
えんえんと巻道が続き、やや飽きるころ登山道が稜線めがけてやる気を出して急斜面となり、展望がひらけてここまでの苦労が報われた気分になる。
全行程で約11km前後、下山ポイントに車を一台デポできれば1.8kmほど楽できる。
デポしない場合は、高松岳起点の山伏岳まわりだと泥湯温泉まで下り坂となるが、山伏岳起点だと、車まで上り坂となる。
高松岳まわりで登りの累積標高約860m。
下りで760mほど。
駐車場
泥湯温泉駐車場があり、トイレあり。
水洗式。協力金箱あります。
満車になったところは見たことありませんが、広い駐車場です。
山伏岳登山口にある駐車場は、二ヶ所。
ひとつは、登山口の向かいの道路脇のスペースで3〜4台ほど。
もうひとつは、川原毛地獄駐車場で水洗トイレあり。
登山届け
登山届けポストは、高松岳、山伏岳のそれぞれ登山口にある。最近はスマホで簡単に登山届けもできるが、アナログ派は入山の前に届出を。
水場とトイレ
水場は小安岳直下に一ヶ所。
泥湯温泉を出発して、標準コースタイムで2時間ほど歩いたころなのでありがたい。冷たい湧水だ。
トイレは山中にない。高松避難小屋にあるとの情報だが、わたしは使ったことがないのでわからない。
泥湯から高松岳〜山伏岳の山行記録
登山口から小安岳分岐
近々ガイドの予定もあるのと、
昨日からの大晴天。
がっつりと山歩きしようと、
高松岳登山口へ。
駐車場には登山者のものらしき車は
1台あるかどうか。
いつもさほど人と会わない山域だが
今日も1人かもなと
クマ鈴を取り出して出発。
このコース、昨年の記録では
ひどいヤブで展望どころじゃないとの
情報もあったが
先日、高校生登山部の大会が
あったようなので、大丈夫だろう。
新湯跡付近までは
登山道脇をパイプが巡らされている。
ふれると温かい。
新湯跡付近まで伸びている。
湯を引いているのだそうだ。
このコース、小安岳の北にあるP1246の山腹を
えんえんと巻いていく。
この程度の道なら楽なのだが、
ときどき、こんな際どい巻道も。
場所によっては木の根で滑りやすい箇所も多く、雨の滑りやすい日はあまり使いたくないコース。
地形図でも確認できるように、いくつかの枝沢を越えて巻道は続く。
こうした沢の前後も露岩で滑落しやすい。
ブナの巨木がいくつかある。
300年は生きていそうに立派なブナ。
登山口から25分ほどで新湯跡。
ちょっと前までガイドブックには
「新湯」と表記されてたが。
新湯跡の手前で沢を跨いで
登山道は90度、方向を変える。
昔の地形図では、この先、巻道ではなく
稜線の急登を200mばかり登るルートだったが
いつからかその表記はなくなって、
巻道表記だけになった。
新湯跡まで最近刈り払いをした形跡があったが
過ぎるととたんに道はやや不明瞭に。
迷うほどでもないので心配はない。
大木が根返りしていて
その脇の登山道が見つけにくいかも。
登山道はときどき思い出したように
きゅっと一瞬急登になり
またすぐになだらかな巻道となる。
緩い斜度の登山道だが、足場の不安定な
巻道がえんえんと続いて辟易する。
ようやく目指す高松岳の稜線が
梢の向こうに見えると
気持ちが前向きになる。
と、同時にずいぶん遠いなと
軽く驚く。
一番右側が高松岳だ。
露岩の道は滑りそう。
太いロープがあるので補助的に
使いながら通過。
単調な巻道が続くので
ずいぶん進んだつもりが
まだ1.7kmしか進捗していないことに
衝撃を受ける。
小安岳までの半分ほどしか
捗っていないのか。
そして高松岳までは4キロ弱。
相変わらずの巻道。
ようやく登山道が空に向かう。
トラロープが下がるほどの急登だが
巻道に飽きたころでむしろほっとする。
また巻道だが
雪崩でも多発するのか
樹林のない山腹。
展望もきいて気分がいい。
振り返ると、鳥海山。
昨日はあちらにいた。
再び樹林帯に入るとまた急登が一瞬だけ。
まもなく水場に出て、
小安岳分岐が近いことがわかる。
水の勢いはないが、冷たくておいしい。
わたしが知る限り、枯れたところは見たことはない。
小安岳(おやすだけ)分岐。
往復で20分ほど。
山頂は何もないが展望が良い。
今回は寄らずに高松岳へ。
分岐から高松岳へ稜線歩き
登山道は今年刈り払いがあって
広く、すっきりと整備されている。
ありがたい。
この先は待ちに待った稜線歩き。
鬱蒼とした巻道から解放され
青空の下、とても楽しい。
小安岳に背を向けて、正面には
虎毛山。
ときどきまた
巻道になるが、展望があるので
気持ちは明るい。
これは紅葉が楽しみな山腹。
高松岳は奥の左に突き出た三角部分。
さらにその奥には
神室連峰がくっきりと。
石神山分岐。
石神山方面はヤブなので
一般的なルートではない。
昨年はヤブだったらしいが
高松までの縦走路はこのとおり。
天空散歩。
振り返ると、さきほど延々と
歩いた巻道のある山腹と、
小安岳。
展望がよくてなかなか進まないが
避難小屋が近づいてきた。
稜線上は、割と湿っているようで
ぬかるみが多い。
見事に苔むした箇所もあるほど。
石神分岐から約30分から40分ほどで
避難小屋到着。
山頂は小屋からさらに先へ。
刈り払いされたばかりで
刈られた笹の葉の下に
石がごろごろとあって、少し歩きにくい。
山頂。
展望はこのとおり。東に栗駒山。
先週はあちらにいました。
奥が虎毛山。
そしてここから続く、
虎毛山への縦走路。
西に鳥海山。
この先に続く登山道は湯の又温泉方面へ。
途中、虎毛縦走路と分岐する。
虎毛縦走路は背丈ほどのヤブなので
覚悟してつっこむルート。
高松岳から山伏岳へ下って上って
さて1348mの高松岳から
山伏岳へ縦走するにあたり
ここから150mほど延々と下る。
高松岳直下は結構、急斜面。
こういう下りは
ストックは一本持ちにして
片手はヤブにつかまりながら
下る方がサクサクと下ることができる。
ゆっくり下ると
無駄に筋肉が疲労する。
自分のバランス感覚と相談して
下りましょう。
まだ下るのかと、うんざりしたころ
小沢地形を境にようやく
登り返しとなる。
60mほど登り返せば小ピーク1261。
樹林帯から出るので見晴らしもよく
一息つける。
1216から50mほど下っていく。
再び樹林のなか。
日陰で心地よい。
岩を抱いた灌木が目に楽しい。
100mほど登り返せば
山伏岳山頂。
鳥海山、神室連峰と展望がいい。
屏風岳。
ここからの景色の定番。
山伏岳からしばし広い稜線歩き。
ここまで歩いてきたルートが展望できる。
よく歩くものだなと我ながら感心する。
ここからは標準コースタイムで
登山口まで1時間10分。
歩き慣れていれば1時間。
途中、大きな段差もあり
歩き慣れていないと
場合によっては2時間。
怪我しないマイペースで
最後の下りを行こう。
泥湯から小安岳、高松への道に比べると
とても歩きやすい。
山伏岳ピストンなら
3時間もかからずのんびり歩けるので
ちょっと時間があいたときなど
手頃なコースだ。
だいぶおりてくると
左が小安岳。
今日歩いた稜線が展望できる。
登山道から先は
川原毛地獄の観光客をぬけて
1.7キロほどを泥湯まで。
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