てんくらCではありましたが
いや午前は晴れるし風も大丈夫!と判断。
乳頭山へ地図読み登山のご案内催行しました。
地図読み山行は、前回は南郷岳。
南郷岳は地形が拾いやすいので
地形図を見ればOK。
コンパスの登場はほぼ不要でしたが、
今回は、広い尾根があるので
コンパスワークにはもってこい。
いつもの配布リーフレットに
地形図もプラス。
今日の相棒はこの地形図とコンパスです。
さて、本日のやらかし。
集合場所から、大釜温泉まで
早朝は除雪車通過あとで道路がツルツル。
転倒などしてここで怪我などしては、と
乳頭温泉休暇村から大釜温泉まで
路線バスに乗ろう作戦を組み立てた。
バスが来た!
バスが通り過ぎた。
どよめきが走る。
とっさのことに、待ってーと手をふる機転も利かず
みんなで羽後交通の赤い車体を見送る。
てっきり、やらかしたのは羽後交通側だと思ったが、
よくよく考えればやらかしたのは私である。
われわれは反対側のバス停に10分も前から
スタンバイしていたことにやっと気づく。
われわれが待っているべきバス停は
目の前の3メートルもの雪壁の中だったので
そちらに気が付かず、
ついついきれいに除雪された
反対車線のバス停で待機していたのだった。
という顛末を経て
本日一番の危険箇所、ツルツルの道路を
大釜温泉まで歩いたのだった。
先行ラッセルを期待したが
あいにく本日の入山者はゼロ。
てんクラCの影響力。。。
孫六温泉から最初の急登を
突破隊長を名乗り出たFさんが行く。
乾いた新雪で踏み込みが効かず
難儀するも、ここを越えれば別世界だ。
急登のあとはなだらかに
ブナの尾根歩き。
最初の小ピーク手前、
ワラワラの木が出迎える。
「ラッセルを体験しよう!」という名目で
ラッセルを交代しながら青空へと。
このルート、
最初の小ピークを越えるまでは
迷うことのない尾根歩き。
ここはコンパスも
なんなら地形図も不要。
小ピークをすぎ、登り返しから先は
標高が上がるにつれていくつかの尾根が合流し
尾根が広くなっていく。
単調な樹林帯なので、不安になる箇所。
ここはコンパスを。
ということで、みんなでコンパスセット。
一本、尾根が合流し
コシアブラの冬芽など眺めながら進めば
プチピーク。
一息入れるポイント。
必ず元気な誰かがこのプチピークに
登りたがるのはお決まり。
本日はラッセル隊長のひとり、Fさん。
ここから先はブナの二次林帯。
二次林は原生林よりも樹間が込み入って
視界が効かない。
こういったっところもコンパスが心強い。
吹雪でなければ、左右に沢地形が目視できるので
その沢を横断しない限りは
ルートロスの心配はない。
けれどそれでも不安なら
スマホ先生に登場願いましょう。
地形図通り、
1100mを過ぎれば針葉樹。
モロビが出てくるのをみんなで確認。
現在地の標高の目安になる。
そしてこのルートでは
モロビが出て来ればそろそろ
このルート上の尾根に、南側の尾根が合流。
そうすればP1178は近い。
P1178付近のお楽しみはこの展望。
ルートから少し外れて南側に行けば
目指す乳頭山から、秋田駒の山並み、
田沢湖、鳥海山が一望できる。
本日、秋田駒も田沢湖も雲の中だったが
乳頭山はくっきりと。
そして本日はラッキーなことに
霧氷がすばらしい。
青空バックに見あげる霧氷は
雪山登山のうれしいご褒美。
ラッセルに難儀し、
ややタイムオーバーで田代平へ。
下山タイムを多めに取っているので
まあ大丈夫な範囲。
青空の下このルートのお楽しみ、田代平を
堪能する。
八幡平から森吉山までくっきりと。
さて、田代平ではくっきりとしていた乳頭山。
避難小屋に着く頃にはガスのなかに。
コンパスを合わせ、山頂というよりは
ガスを目指す。
乳頭山は小屋を過ぎて
尾根を登ると気象が厳しくなる。
風は強まり、ガスも濃くなっていく。
バラクラバで顔をガードし
さらにフードで風を避けるなどの対策をとる。
肩の手前に差し掛かると
雪面とガスの境界は溶け合って不鮮明に。
ホワイトアウトとなってしまった。
コンパスを確認しながら進行するが
視界がないと右利きの人は左へ逸れていく。
確かに本日も、左へ逸れがちで
コンパスを確認しては方向を修正しつつ進行する。
肩まできて
山頂はあとすぐであったが
視界不良とタイムオーバーで撤退の判断。
悔しいログがお土産となってしまった。
戻りながらも、いや行こうかと未練がましく
ときどき振り返っていると
「充分、満足ですよ」と
お客さんに励まされ、うるっとくる。
ログを見れば
山頂あと少し!な悔しさはあるものの
やっぱりコンパスは正しいとばかりに
ルート維持はバッチリ。
実のところ、ホワイトアウトや吹雪で
知らず左へ進路がずれてしまうと
自分では真っ直ぐに進んでいるつもりなので
コンパスの示す方向がなんだか
疑わしくなってくるものだ。
だが、コンパスが正しいのだ。
磁石はホワイトアウトだろうとなんだろうと
ブレることなく磁北を差し続ける。
もちろん、コンパスの近くで
磁石っけのあるものは厳禁だが。
そういったコンパスワークが実践できて
コンパスが楽しかったと、
山頂を踏ませてあげられなかったお客さんから
フォローのお言葉をいただく。
小屋でランチの後は
ぱふぱふフリーラン。
気温が高く、午後の雪は重かった。
午前中の霧氷は風で飛ばされていた。
孫六からの帰り道、
道路脇には早くも春が咲き始め。
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