乳頭山は秋田の雪山登山の定番コース。
当ガイド雪山ツアーでもこの時期は
定番のツアーメニューだ。
今年はツアーに読図&コンパスをプラスしてのご案内。
ここでは、ツアーのレポとあわせて
雪山シーズンの乳頭山のアプローチなどについても
紹介しますね。
アプローチ
駐車場所は要注意
国道46号線から田沢湖スキー場へ向い、
その先、
乳頭温泉郷を目指す経路となる。
さて目的の登山口に到着し問題は
車をどこに停めるか、なのだ。
数年前まで、われわれ登山者らはよく
大釜温泉向いのバス停わきにあるスペースを
駐車場として利用していた。
今もその場所を駐車に利用する登山者がいるが
だが、これは避けたい。
現在、この場所は
妙の湯温泉の従業員駐車場となっている。
妙の湯の方も「ご遠慮ください」とのこと。
特に何も注意書きはないのだが
無用のトラブルは回避すべき。
おすすめ駐車場
それではどこに車を停めればいいのか。
おすすめは休暇村乳頭温泉郷の手前、
旧乳頭スキー場の向いにあるスペース。
ここにはトイレもあるので重宝する。
登山口まで15分ほどの徒歩となる。
しかも途中の道路が凍っていることもあり
転倒しやすいので注意が必要。
駐車場からバスを利用する
このおすすめ駐車スペースから、
大釜温泉まで歩けば15分の道のりだが
時間が合うようならバスを利用する。
休暇村乳頭温泉郷にバス停がある。
休暇村 7:40のバスで
乳頭温泉7:42の到着。
積雪期は乳頭温泉方面のバス停看板がないので
反対方面の乗り場で待機しないよう注意。
コース概要
積雪期もほぼ夏道ルート。
昔はピンクテープなどなかったが
ここ2、3年でやたらピンクテープが増えた。
昔は回収したものだが昨今は
残地する輩が増えたのか。。。
しかもここいらんがな的な箇所にも
神経質かてほどピンテがヒラヒラしているのには
正直閉口するのは古い人間なのだろうか・・・。
ということで最近はあまり迷う心配もない。
迷うポイント
1、尾根の分岐
今回のツアーでその箇所を確認しながら登りました。
2、視界不良時の避難小屋から山頂
今回のツアーで視界不良時のルートの取り方を確認しながら下山しました。
詳細は以下のツアーレポをご覧ください。
コースタイムゆっくりめ
大釜温泉〜孫六温泉 20分
孫六温泉〜避難小屋 2時間30分
避難小屋〜山頂 50分
ツアーレポ
休暇村のバス停から7時40分のバスに乗り、
乳頭温泉で下車。
大釜温泉前まで2分で到着だ。
ここから大釜温泉の脇の
除雪のない歩道に入りスノーシューを履く。
20分ほど行けば孫六温泉。
8時17分着。
孫六温泉からやっと登山スタートだ。
さすがに少雪。
孫六温泉の登山口までところどころ雪がなく
しかもバッケまで顔を出していた。
孫六からの急登は
新雪だとずり落ちて難儀するところだが
先週の記録的な気温上昇があったせいか
10センチほどの新雪の下は
しっかりと締まっていた。
なので、わりとあっさりと上ることができた。
942の小ピーク。8時56分。
例年だと標柱がほぼ隠れいてるが
今年はご覧の通り。
このピークは現在地がわかりやすいポイント。
ここから次に進行方向が変わるポイントが1178。
なのでコンパスセット。
1178までの間にやや広い尾根がある。
登りでは迷う心配はないが
それでも単調に広がるブナ林で吹雪かれたりすると
ちょっと不安にもなる箇所だ。
コンパスをセットしておくと安心だ。
ブナの美しい二次林を。
多雪エリアはときどきブナに
アクロバッティな生き方を選ばせるようだ。
9時56分、コンパスでセットした1178に到達。
コンパスワークの核心は
セットする際にも、
目的地に到達する際にも
現在地が分かることにあると言える。
その理由、目的に着いた際に、
そこが「目的地」だということが
わからなければ通り過ぎてしまって
あらぬ方向へ邁進することになる。
この1178到着を知るためのいくつかの
地形や植生などが示すサインについて
ゲストへ説明しながら進む。
ところで1178付近では、
ぜひとも立ち寄りたい展望地がある。
知らないのか寄らない人も多いが
これは非常にもったいない。
そこから乳頭山と秋田駒のパノラマが
目の前にばーんと広がるのだ。
本日はガスの切れ間に
乳頭山が挨拶に顔を出してくれた。
1178から先は右手の谷を目印に
最大傾斜を登っていく。
ここは地形を読めばコンパスセットの必要はないだろう。
登るにつれブナの樹高は低くなり
モロビの森が濃くなっていく。
10時16分。
視界が開ければそこは田代平湿原だ。
ここで乳頭山から大白森へと連なる稜線に
合流する。
下山時にはこの降り口で迷うポイント。
必ずピンクテープをつける。
だが最近は必ず誰かが残したピンテがいくつかある。
安心といや安心だが・・・。
乳頭山がりりしくお目見え。
登っている登山者も小さく確認できる近さだ。
振り返れば田沢湖がきらめく。
視界が効けばここは歓声があがるポイント。
風の向きと垂れ込める雲の高度を確認し
気まぐれな雪雲に目指す山頂が
覆われる心配が低いことを確認しつつ、
存分に田代平の景色を楽しむ。
10時32分、田代平山荘。
ここで小休止のあと山頂へ。
視界が悪ければここで
手前の尾根を外さないようにして
乳頭山の肩へコンパスを当てる。
本日は視界良好。
念の為、ルートフラッグを背負ってきたが
必要なさそう。
10時53分、山頂へ向かう尾根の最高地点。
眺めが良い。
そしてここから先、気温も下がり
風も強まるので防寒対策をしっかりと。
また、ここの尾根上の最高地点は
現在地の把握がしやすいので
コンパスをセットするポイントでもある。
なお、この尾根は雪庇ができるのと、
雪庇崩落のクラックができるので
あまり東側に寄らないようにする。
雪は少なく、例年なら見られる樹氷モンスターも
ここ数年はとんとご無沙汰だ。
ブッシュがやや出ている山腹を登り、
岩の山頂へ。
山頂付近の雪は例年通り。
ここは常に風が強いらしくあまり雪が残らない。
11時30分、山頂。
おめでとうございます!
乳頭山は山頂周辺は南を除いて
なだらかで単調な地形となる。
視界不良時はルートを見失いやすい。
山頂からはさきほどの尾根を目指して
コンパスをセットする。
12時10分、再び田代平山荘へ。
山頂付近は風も強く気温も刺さるような寒さだったが
ここまで降りれば環境は比較的優しくなる。
下山にとりかかる。
途中、田代平からの降り口と
迷いやすい尾根の分岐点が2箇所あるので
確認しながら下山する。
本日の雪はだいぶ締まっていて、
スノーシューでは降りにくくツボ足に。
どちらかといえばギアは
アイゼンが良かったかもしれない。
14時45分、孫六温泉まで降りてきた。
ご参加ありがとうございます!
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