月山へ姥沢から小屋泊まりで研修登山

月山へ姥沢から小屋泊まりで研修登山

月山へは八合目から2回ほど登ったことがあるが、この姥沢から登ったことがない。

今回の月山登山は、個人山行でもガイドでもなくガイド資格更新のための研修登山だ。

研修なので気楽に、とは行かないものの、行程を組んだりマネジメントしたりの手間がないので正直なところ気楽である。

しかも食事に定評のある月山頂上小屋に一泊できるので、研修とはいえ楽しみでしかない。

ということで、久々にブログで山行レポ。

コースはこちらYAMAPで。

標準コースタイム

往路:リフト駅==15分==リフト上駅ーー30分ーー姥ケ岳ーー20分ーー金蛇(湯殿山分岐)ーー30分ーー牛首ーー1時間ーー山頂小屋

往路:山頂小屋ーー50分ーー牛首ーー20分ーー分岐ーー30分ーーリフト上駅==15分==リフト駅

 

姥沢登山口について

本日集合は9時に姥沢バス停前。

秋田の横手からは無料開放中の高速道路をガンガン使って、クルマで3時間弱。

ガイド研修なので、ギリ到着など初歩的な恥ずかしいところは見せられまいと1時間早く到着した。

 

志津からくねくねとした車道を進むと、広い駐車場に。

340台も停められる広さに月山の人気の高さが伺える。

なお、駐車の際には協力金の名目で1000円を徴収された。

駐車場のすぐ向かいにある建物がトイレで、水洗の洋式だ。

 

リフトを使ってゴー

駐車場から坂道を登っていけばリフト乗り場。

きょうはリフトを使って、270mの標高差を15分で。

ありがたい。

 

片道1000円。往復1600円。

ペイペイも使える。

 

ニッコウキスゲ咲く山腹を出発。

 

リフト終点。ここにもトイレがある。

姥ケ岳へ

リフトを降りて、さっそくいろいろ咲いていたのでガイド研修の一環として植物同定。

ウズラハクサンチドリ。

はじめてみた。

葉っぱに水玉模様がある。

 

振り返ると大朝日連峰。

 

まずは姥ケ岳へ。

 

固くしまった雪渓で、軽アイゼンを履く。

 

 

通常30分程度で到着する姥ケ岳へ、研修しながら時間をかけて到着。

正直なところ、連日のガイドで疲れ切っていたこともあって、姥ケ岳パスしたいほどだったのだが到着してみてそんな横着もふっとんだ。

月山らしい草原と池塘に心身癒される。

 

三角点。

 

雄大な展望。

きょうまで忙しくて、月山について何の予習もなくきてしまったので、展望のどれがなんの山なのかさっぱりだ。

あとで調べたら、湯殿山方面の展望だ。

知っていたら、また景色が違って見えただろうにと残念に思う。

おかげで、われわれ登山ガイドが何を期待されるのか実感できた。

 

山頂一帯は雪も融け、高山植物で賑わっていた。

ミヤマウスユキソウ、ヨツバシオガマ、ミヤマリンドウなどなど。

月山ってこんなに花が見られるのかと驚いた。

ミヤマウスユキソウが今回は特にタイミングばっちりで、山腹一面を覆って群落を作る様子は圧巻だった。

ミヤマウスユキソウって、ぽつりぽつりと点在する、もっともったいぶった花だと思っていた。

 

牛首へ

伸びやかな展望の稜線歩き。

ザックは重いがもはや心ははずんで軽やかだ。

 

残雪が今年は多いようで、登山道のところどころを覆っている。

雪の上を、夏道を外さないようにルートファイディングしながら。

 

あいかわらず、どれが何の山か知らないままに登る。

振り返ると緑と残雪のコントラストが美しい。

地形図を見ると名もない頂のようだ。

 

雪がなくなって石段の道。

 

 

石段の向こうに石垣が見えてきて、お稲荷さんが祀られていた。

 

ガスと風が出てきてたころ、やっと山頂小屋手前に到着。

松尾芭蕉の歌碑。

 

ガスがなければ見える景色。

栗駒山も見えるのか。

 

やたら強風になってきた。

小屋が見えてかなりほっとする。

 

月山頂上小屋

強風のなか到着。

さすがに登山ガイドとはいえ、この爆風のなか屋外研修はやりたくない。

というか、研修よりも耐風訓練にしかならないだろう。

 

食堂の入り口ののれんがかわいい。

エゾツガザクラ、撮影しそこねた。

たくさん咲いていたことを思い出す。

 

靴棚スペース。

玄関が混雑しない同線がよい。

 

なんと。

今回の研修は女子は一人だったので贅沢に個室だ。

 

ロープワークや搬送などの研修をして晩御飯だ。

月山筍というぶっとい根曲りタケがおしげもなく振る舞われる。

そしてユキザサもこんなに!

 

山小屋から夕日展望

相変わらず風がものすごいが、夕日が見えたので急遽外へ。

 

日本海にじゅっとなるまえに、雲海にフェードアウトしたが美しい夕空が広がった。

 

夕日に草原が煌めいて、まるで天空の海原のよう。

 

クロユリもここで一輪。

 

さて夕暮れショーも終わったし、小屋へ。

風は一晩中強かったが、夜中に外を見てみると満天の星空だった。

さっそく起き出して、色濃い天の川と、夏の大三角形、そして早くも東に現れているアンドロメダ座などを眺める。

ご来光はといえば、明け方からはガスに覆われ叶わず。

おかげで朝ごはんの6時までゴロゴロのんびり過ごす。

 

朝露をまとうコシジオウレン。

別名をミツバノバイカオウレン。

葉っぱが3枚なのでミツバノ〜。

昨日、コシジオウレンなのかバイカオウレンなのかで話題になったのだが、結局どちらも正解といえば正解だ。

 

6時から朝ごはん。

お味噌汁の豪快な月山タケよ。

好物の山菜三昧の豪華な朝ごはん。

 

偶然にもこの日は、月山の山開きの神事が執り行われる。

視界のないガスにも関わらず、ぞくぞく登山者が登ってくる。

われわれも、せっかくなので神事の時間まで外で研修を行ったのち参詣した。

月山の山開きはいつも雨だという。

この日、ガスではあるが雨は降っていなかったが、神社のなかから祝詞が始まったらなんと雨が降ってきた。

なんだかご利益ありそうなので、小雨に打たれながら祝詞に耳を傾ける。

 

昼頃、ガスと風のなかをロープワーク研修しながら下山に。

ガスで視界がほとんどなく、しかも残雪でルートが分かりにくいにもかかわらず、山頂での神事目当てに大勢の登山者がやってくる。

毎年この行事にくるのか、驚くほど軽そうな方々もいてコース不明瞭なのに慣れた様子でさっさと行き交うのにはびっくりした。

 

下山は姥ケ岳には向かわず、その谷間のルートを。

 

リフト駅が見えてきた。

下界は晴れてきょうも暑そう。

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