2025年10月11日鳥海湖へ鉾立から

2025年10月11日鳥海湖へ鉾立から

春のブルーライン開通からの

バックカントリースキーで賑わう大型連休、

高山植物咲き乱れる景色目当てや

名峰のピークハント目当てなど

大賑わいの季節が過ぎて

秋である。

 

紅葉については

栗駒山という横綱が登山者の関心を一手に引き受けるせいか

鳥海山は割と空いている季節である。

 

とはいえ、この季節の鳥海山は

草紅葉で一面が黄金色に覆われる。

今回のツアーでは、そんな草紅葉が見頃の

鳥海湖をくるっと周回してきた。

 

鉾立から象潟コースを出発

7時、鉾立集合。

天気予報は曇りで、午後遅くから雨マーク。

風は風速2m前後で、ないに等しい。

 

雨が降ったとしても小雨ではあるが

コース中は木道と、石畳の道がある。

濡れると滑りやすくもなるので、

雨を避けられるものなら避けたいなと、

集合時間を30分だけ早めての出発だ。

 

曇り予報であるが、高曇り。

展望はすばらしく、新山はもとより

日本海には男鹿半島が、

優雅な海岸線を伸ばして横たわる。

 

思いがけず、灌木帯の紅葉も見頃だった。

ミネカエデが多いようで、黄色が優勢する景色である。

 

まずは県境。山形県に入る。

ここまでの登山道は、3回ほど緩急を繰り返して高度を上げる。

この先は、一定の斜度でだらだらと石畳を登っていく。

 

岩には苔の豪華三点盛り。

苔が醸す小さな風情も山の魅力。

 

標高も上がって、ナナカマドも足元の高さに。

緑から赤へとのグラデーションが美しい。

 

鳥海湖が待つ御浜へ

賽の河原で一息入れてから、御浜へ向かう。

行動中は汗ばむものの、ちょっと足を止めるとひんやりとする。

脱いだり着たりをまめにして体温調整。

 

御浜への登山道はやや急だ。

あれ登るの?と引き気味な感想が囁かれる場所だ。

こんなところは、焦らず気負わず。

途中途中に立ち休みをちょっとずつ入れて、ゆっくりと。

 

御浜への登りの途中から、手前に稲倉岳と奥には男鹿半島。

ここの草紅葉は、ブルーラインからもよく見える。

 

奥の笹まで行けば、斜度がゆるんでまもなく小屋が見えてくる。

 

七合目の御浜小屋到着。

久々の山、という方も今日一番の急登を終えた。

ところで、トイレ。

ウエブサイトで調べたところ、御浜のトイレは明日12日に閉めるとあって安心していたが、着いてみたらすでに閉鎖されていた。

厳しい環境の只中の施設だ。

閉めるタイミングは気象次第で前後することは仕方がないこと。

毎年使わせてもらえること、ありがたい。

 

鳥海湖と、こんもりと鍋森。

遠くには月山のやさしい三角形も展望できた。

 

御浜から扇子森へ向かう。

整備された石畳の登山道は一転して、積み重なった岩を縫って進むルートとなる。

ルートは、ところどころにペンキで記されているが、さほど親切には案内されていない。

しかし岩をよく見れば、ルートになっている岩には泥で白く汚れている。

これを頼りに進む。

 

鍋森の背後には笙ヶ岳。

 

さすがの花の百名山も、この季節では花はなと諦めていたのだが、なんとハクサンイチゲが。

ほかにも、イワハゼ、ツルアリドオシが小さな花を咲かせていて我々を驚かせた。

 

鳥海湖が本日のゴールではあるが、せっかくそこまで登ったのなら扇子森方面へ足をのばすべきだ。

というのも、新山が目の前にどんと広がって見応えのある景色が待っているのだ。

きょうはいっそう近く見えるので、最高峰まですぐ登れるように錯覚する。

御田ケ原分岐から鳥海湖へ

扇子森を御田ケ原分岐までおりて、鳥海湖方面へ。

石畳の道は木道になる。

奥には笙ヶ岳。

 

進むほどに西鳥海山ののびやかな草原が一望できる。

草原に伸びる登山道が千畳敷方面の道だ。

賽の河原から下山へ

 

振り返ると新山。

鳥海湖をくるりと周回するころに、ポツリと雨がきた。

予報より早い降り出しとなった。

霧雨に近い小雨は、ときどき止むので雨具は上衣だけ着込む。

 

賽の河原で遅い昼食。

運良く、雨も気付かない程度のやる気のなさ。

暖かいスープで体を温め、長い石段の登山道を下っていく。

 

登り始めは、整備されて歩きやすいねと言い合っていた登山道も、疲れた足にはやや硬い。

雄大な雲を眺め、飛島を眺め、男鹿半島を眺め、気持ちを切り替えながら下っていく。

 

 

展望台まで来ればもう、下山完了も近い。

御浜小屋が見えると、あんなところまで登ってきたのかと驚きながら、みんなで指を差し合う。

高曇りの潤んだ空に、少し霞みながらも新山が覗く。

 

ご参加ありがとうございました!

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