鳥海山へ鉾立から

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来週は沢おさめ。
ここしばらくクライミングばかりで脚力が不安なので
鳥海山に足慣らしに行くことにした。
どうせなら、前日に鉾立駐車場に車中泊して
鳥海山へ登ろう!という初企画でね。

夜の11時に到着した鉾立の登山者用駐車場には、先客一台。
冬用のシュラフを持ってきたが
割と温かくスリーシーズンでも良かったかも。


4時前に起きて、まだ暗いので出発を躊躇していると
私の他に停まっていた一台の車の主が起きだして
ヘッデンを点けて出発していった。

心強くなり、こちらもヘッデンを点けて出発する。
風はなく、思ったほどに冷え込みがない。
頭上には月が明るく
煌煌と登山道を照らしている。

途中、鉾立の展望台付近からしばらく、所々で
バナナの匂いがした。
熊の糞はバナナの匂いがすると聞いたことがあり、
少しナーバスな気分ながらも熊鈴を友に、月夜の登山道を行く。


7合目の御浜に着くころ空が白み始めた。
静かな秋の夜明けを鳥海湖で迎え、
鳥海山がよく見える扇子森まで進んだ。

扇子森までは大小の岩がごろごろした歩きにくい道。
以前、御浜小屋から夜の2時に起きだして
山頂を目指したときは真っ暗で道が分かりにくかったが、
今日は夜明け前で迷うこともなかった。
扇子森で熱いお茶を飲みしばし休憩。


夜明けが一番冷え込むと言うように、ぐっと寒くなってきた。
歩くと暑くなるので休憩後はしばし震えながら歩いた。
八丁坂を下り、外輪コースを目指す。
ここからが歩きにくくなり本格的な山歩きとなる。


振り返ると鳥海湖を囲む鍋森などユニークな
たたずまいが見える。



扇子森から八丁坂を下る。
ここは気持ちのいい草原が左右に広がり、
ハイジが走っていそうに気持ちのいい場所。
いくつもの高山植物が、ドライフラワーになっていた。
夏には彩り豊かだったろうが、今はみな一様にセピア色となり
形だけをとどめて冬を待つ。


振り返ると鍋森。何度見ても面白い風景。
七五三掛(しめかけ)で外輪山コースと
千蛇谷コースに分かれる。
時間的には千蛇谷コースが10分ぐらい早い。
本日は見晴らしのいい外輪山コースを選んだ。
久々の2000m超え。


外輪山を歩いていてようやく朝日が差してきて、
枯れかけた花や草や岩を輝かせた。


文殊岳、伏拝岳のアップダウンを経て行者岳の
新しいハシゴを下りると
山頂直下に続くショートカットルートが出来ていた。

もう一つ超えなきゃなあとうんざりしていたのでちょうどいい。
木製の大きな看板は文字は判読できなかったが
どうやら近いらしい。
ハシゴを下って行くと外輪山の
荒々しい岩山をくぐるようにトラバースして
ルートが整備されていた。


新山へ向かうルートは積雪期に比べると、とても歩きにくい。
しかも、林立する岩山のどれが頂上なのかが
とても分かりづいらい。

今日はまだ誰も登っていないし、一番乗り確実なので
どうしても登りたいと思っていたら
一人、新山らしい岩山から下りてきた。
なんだ~。2着か、とちょっとがっかり。
おかげでどれが新山か分かったけど。


新山から。
一人占めできたので、おにぎりを食べて少しゆっくり過ごす。
新山を下りる途中、鉾立で私の先を出発し、
御浜のあたりで追い越した登山者が登ってきた。
見ると若い男性だ。

山で会う人はだいたいが中高年なのでとても意外だった。
たぶん向こうも、あの暗がりを女一人で登ってたのかと
意外だったかも。


新山よりも外輪山の方が好きなので、
登り返してコーヒーを入れ、
景色を楽しんで下山にとりかかった。

帰りも見晴らしのいい外輪山コース。
途中、伏拝岳を超えてから河原宿へ
間違えて下って行ってしまった。

ここは間違いやすいポイントで、
間違いも分かりやすいポイントだったのだが
あまりにも歩きやすい下山路でついつい
アザミ坂をかなり下っていってしまった。

見えるはずの鍋森がなく、
見えるはずのない河原宿小屋が見えてきたので気がついた。
思わぬトレーニングとなったけど、
こちらもまた素晴らしい景色だった。

さて、鳥海山に行ってよく驚くのが、
7合目付近まで下山してくると時間は1時前後になるのだが、
この時間から山頂を目指す人がいることだ。
夏なら小屋泊まりなのだろうけど、
この日にすれ違った人々は
小屋は営業していないし、荷物もせいぜい
20~30リットル程度。

しかも1パーティは半袖短パン姿で荷物は20リットル程度。
千蛇谷を下りて行った。
その後は中高年の女性二人。
装備を何気なく見て、
まさか、山頂じゃないよなと思っていたら
しばらくしてもう一人の仲間らしい女性が
慌てて八丁坂を下りてきた。

「あの人たち頂上へ行く気なのよ!そこまで
行って叫べば聞こえるかしら」
たぶん十分に聞こえる距離だったので見送った。
扇子森から鳥海山の山頂を見て「近いわね」と出発したらしい。
ということは、きっと地図も見ず、目分量・・・・。
怖すぎるよ。鳥海山、でかいから近く見えるだけだよ~。

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