鳥海山へ湯の台コースから登らないかと
矢留山岳会仲間のフジイさんからお誘いがきた。
フジイさん、安定の渋めチョイス。
矢留メンバー3人で夏休みシーズン真っ只中の
鳥海山へ。
湯の台コースは駐車場がいわゆる「上」の駐車場と
「下」の駐車場があり、上が30台ほど
下が20台ほど。上下で標高差50mぐらい。
夏休み真っ只中だけあって
混んでいるだろうなと早めに到着したつもりだが
6時すぎぐらいでもう満車。
すでに路上駐車の帯ができ始めている。
この駐車場、満車になるとちょっと大きい車では
方向転換ができない。
トイレ前のスペースを使い、
見知らぬ登山者から誘導してもらい
ようやく満車の「上」の駐車場脱出した。
下の駐車場は余裕。
工事の資材置き場として1/3ほど
使われているが、なおガラガラ。
秋田からのフジイ隊もここに駐車し合流。
下の駐車場から10分ほど車道を歩いて7時11分、登山口出発!
駐車場から緩く5、60メートルほど
登ると登山道は途中、渡渉ののち山腹を巻いて進む。
巻道を抜けると滝ノ小屋。登山口から15分くらい。
大きくて立派な山小屋でしかもトイレが水洗でとてもきれい。
小屋前を過ぎると、白糸の滝から流れてくる沢を渡渉する。
渡渉して数十メートル登るとその白糸ノ滝が展望できるが
ちょっと遠い。
振り返ると山腹を覆う灌木帯のなかに
滝の小屋がよいアクセント。
彼方からは雲が低く集まりつつあり
標高があがれば雲海が見えるかも。
9時47分、家族旅行村からのコースとの分岐。
標高も1400Mを超えると灌木と岩の道。
今年初のハクサンフウロ。
8時32分。あれに見えるは月山森だろうか。
足元にはときおりアカモノの実。
外輪山が見えてきた。
有名な心字雪渓のなごり雪か?
心を見るにはやや想像力が必要だ。
8時39分、河原宿。
上の建物がトイレで、下の建物が|
避難小屋だ。避難小屋の記載は新しい地形図にはない。
というのも、老朽化が激しく
使用不可となっているのだ。
居心地良さそうな小屋でしかも
目の前には沢水が豊かに流れている。使えないなんて、とても残念。
ここのトイレも水洗で綺麗。
冷たい沢水で喉を潤して、外輪山を目指す。
雪解け遅い山腹に、8月半ばだというのに
チングルマ。
そしてイワカガミ。
春に逆戻りした気分。
きょう、雪渓を横切ったのはここだけ。
晴れているのでいいが、
ガスで視界が悪い日などは迷いそう。
雲海と奥には月山。
アオノツガザクラがたわわに。
わずかな残雪に
スキーを楽しむ人が2、3人いてびっくり。
ちょっとうらやましい。
さて、外輪山が近づくにつれ
だんだん斜度がきつくなる。
そしてこのコース、ほとんどがこんなガラ場歩き。
まるで沢歩きのゴーロ帯が延々と続くかのよう。
コースきっての急登、あざみ坂。
名前の通り、あざみがたくさん。
チョウカイアザミではなく
ウゴアザミが群落を成している。
もっとも、坂の容赦ない急登っぷりからすれば
鬼あざみ坂という名前でも良くないか。
急な登りはゆっくりと。景色は最高なので
むしろゆっくり登らないともったいない。
もとは修験の道。随所に石造りの祠がある。
鳥海湖が見えてきた。
奥には日本海に浮かぶ飛島。
飛島上空の雲が日本海に白く映っている。
あちらを歩くのは鉾立からの登山者たち。
11時7分、伏拝岳到着。外輪に到達だ。
あざみ坂に体力を搾り取られた我々は
いっそここが今日のゴールでも良くないかと
誰かが言い出すのを互いに待ちつつ小休止をとる。
あちらは新山。直線距離は近いが
外輪山をぐるっと回るので遠い。
きょうは七高山まででいいよねということで
伏拝岳をあとにする。
チョウカイフスマ。登山道わきにあり、
踏みつけられないようにと石が並べられ、
ささやかな結界が作られていた。
行者岳の鉄梯子。行列ができていて混んでいた。
きょうのゴールの七高山。
12時、七高山の一等三角点に到着。
たくさんの登山者で賑わっている。
風がよけられるところで昼の大休止とする。
30分ほど昼と展望を楽しんでから下山に。
この夏休みシーズンの鳥海山は
いろんな人が登っている。
衝撃的だったのは、オシャレなカップル。
女性はバックを斜めがけスタイルで
そのふたりの景色だけ見れば、
そこは夏フェス会場だ。
われわれがそのカップルに衝撃を受けたのは
彼らにみじんも疲労困憊の様子がないことで
ガチな登山スタイルでひーひー言っている我々とは
まったく対極だった点である。
かと思えば可愛い柄の膝丈パンツの
若い単独男性。外輪山から
日本海を向いて仁王立ちで
中島みゆきを聞き入っていた。
戸惑いながらわれわれは無言で彼の後ろを
通り過ぎた。きっといろいろあったんだろう。
先週は写真撮ったりで
たどり着けなかった七高山に到達しきょうはこれで満足だ。
天気のいい外輪コースは本当に爽快で気分がよい。
夏真っ盛りだが花はもう秋の気配。
ミヤマアキノキリンソウとイワギキョウ。
みっちりとした雲海までには
ならなかったが、雲の上を歩くのは楽しい。
のびやかな草原を見下ろしながら
あざみ坂をぐんぐん下る。
岩がゴロゴロしたコースなので慎重に。
このコースは残雪期には道迷い遭難が多いらしい。
かわいい青い星。ミヤマリンドウ。
15時30分ごろ下山完了。
帰りの車道ででかいクマと遭遇。
車の中だったのでひたすらクマが去るのを待つ。
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