乳頭山へスノーシューで

乳頭山へスノーシューで

年末の晴天時に一人ラッセルで同じコースを登った時は、稜線に出るまででタイムオーバーだったが、雪が締まり歩きやすくなったこのシーズン、天気も安定しており久々に山頂まで登ってきた。

コースタイム
8:50 :大釜温泉
9:15:孫六温泉
11:06:稜線
11:17:田代平小屋
12:12:山頂
12:40:小屋〜大休止
13:00:下山開始
14:20:大釜温泉

年末には孫六温泉まで除雪があったが、4月中旬ごろまで営業しないようで大釜温泉脇からスノーシューの出番である。
雪はつながっているものの、ガードレール脇にある雪壁をかろうじてたどる。大きく踏み抜いた跡などがあちこちに。

15分から20分ほどの、孫六温泉までの歩きは沢沿の雪の造形を楽しみながら。

今日はだいぶ暑い。ここで衣類調整をしこのあとの取り付きの急斜面に備える。本日の入山者は、スキーのトレースが二つにスノーシュー、ワカンなどが数人。待ちに待っていた今シーズン久々の晴天に、どこの山も賑わいそうだ。

途中の朽ちかけた幹に開いた大穴。猫でも潜れそうに大きな穴は、ひょっとしたらクマゲラだろうか。秋田駒の八合目小屋付近で昔はクマゲラが目撃されているから、まだこの一帯で生息していても不思議はない。

取り付きの急登は滑落しそうに急だが、そこを過ぎればしばらくはゆるやかに登りが続く。先行者に追いついてしまった。

小ピーク940付近にある、わらわらの木。わたしが勝手にそう呼んで目印にしているだけ。もっと気の利いた名前にすればよかった。ミズナラだから、おそらくもとは大木が朽ちたあとの株立ちだろう。イヌブナは株立ちできるようだが、ブナの木はこれができない。

小ピークで小休止して痩せ尾根を一旦下る。雪が少ないのでいつもはできる雪庇が小さい。

鞍部から再び登りになると、しばらくはブナの古木も混じる表情豊かな森となるが、標高1000mを過ぎるあたりから森はブナの若い二次林となる。戦後かそのあたりに大々的に伐採が入ったのだろうか。

ブナの純林にちらほらとアオモリトドマツが混じり始める。ルート上にこの木が現れ始めると、ぼちぼち展望地が近い。

展望地。秋田駒ケ岳と田沢湖が一望できる。ラッセルが大変ならこの景色だけ見ても満足できるかも。最も、稜線まであと標高差70m程度だが。

展望地からは行く手の乳頭山もくっきりと。遠いなあという印象だが、よく見れば登っている人影がはっきり確認できる距離だ。

あと70mの標高差。ブナの樹高は低くなり、霧氷の白がレースのように早春の濃い青空に広がる。景色の良さに励まされて、その先へと足が伸びてしまう。

囚われのアオモリトドマツ、といったところか。ブナのなかに取り込まれている。

稜線が見えてくる。標高1200を超えると景色の美しさは日常を超える。

田代平の稜線には地元住民の先行トレース。草食動物、こんな雪原は決死の横断だろうなあ。

本日も絶景なり。背後に田沢湖。

雪原を横切って、10分ほどで小屋に。先行者は三人。小屋には寄らず山頂へ向かっている様子。このルートの積雪期は、雪の状態天気の状態でこの小屋まで来て様子見、というプランとなる。
毎回のことだが、ここまで来てしまうと、だいたい山頂へ気持ちが向きそして足が向いてしまうのだが。

きょうは天気も安定し、風もない。当然行くでしょう。

吹雪などで視界が悪い時は、このあまり明確ではないものの広い尾根を辿って山頂へ向かうのだが、本日の天候ではもう直登でいいでしょう!

雪の少ないなりの樹氷モンスターは、モンスター的なボリュームがなくむしろモノノケ感を醸している。

先行者のスキーヤーふたりが下山してきて、続いてスノーシュー一人がおりてくる。そのスノーシューの人は同じ矢留山岳会のIさんだった。いつもお互い山スキーなのだが、雪の少なさに藪を嫌って、きょうはお互いスノシューだ。

今日は春めいた日差しながらも、山腹にはシュカブラや風紋が刻まれ厳冬の名残を見せている。奥には乳頭山直下からのかっこいい秋田駒。駒が流れてくる雲を引き受けてくれるのか、乳頭山一帯は晴れている。

山頂はしっかりと雪に覆われている。下界の雪の状態はまるで4月だが、山頂までくればまだまだ3月が健在だ。

とはいえ、今年の暖冬や小雪が植生に影響がないわけがない。ふだんなら着雪で覆われた低木が、厚い氷に閉じ込められている。ことしの雪解け後はダメージを受けた植物や樹木が少なくないだろう。

山頂!久々だ。展望はもう、素晴らしく、岩手山から八幡平まで伸びる縦走路が一望できる。そして本日は風も弱い。

この山頂の先は崖なので、視界の悪い日は気をつけよう。

森吉山も今日は大にぎわいだろう。さらにその奥にも白く山並みが展望でき、おそらく八甲田山だろうか。
田代平小屋がぽつんと、アオモリトドマツのまばらな森の中にかわいらしい。

お昼は小屋前で。山頂からの雪は凍っていたり新雪だったりで、スキーにはさほど快適そうではなかった。ただしモロビの中に入れば雪はふかふか。一人のバックカントリースキーヤーが、秋田駒のほうからか新雪をたどって滑ってきていた。

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