さて、ホワイトアウトナビゲーションについて、
先日の南郷岳で紹介したのだが、
これは別にホワイトアウトじゃなくても
雪山の行動計画にかなり使える。
これまでは現地でいちいちコンパスを
当てていたのだが、あらかじめこれを
作成しておくと行動中のルート取りがとても楽。
なにより事前の行動計画がかなり入念になる。
雪山を始めたい人にはおすすめだ。
まずは基礎から。地形図に磁北線を引く。
磁北線は西偏の値で地形図に記載されているが
年々変化しているので、
国土地理院のホームページなどで
最新を確認することをオススメする。
西偏の値が例えば8度20分だとする。
分度器があればそれを利用すればいいが
なければ25000分の1地形図になら下表をご参考に
上図のように線を引く。
地形図の下辺の右端から上辺の右端から
53ミリのところへ直線を引く。
これで西偏8度20分の磁北線が引けた。
あとは25000分の1地形図なら4センチ間隔で
同じ角度で線を引いていけば
間隔はちょうど1キロに該当する。
他の方法としてはコンパスで8度分、
西へカプセルを回す。
例えば8度50分なら下画像のように。
そのコンパスを地形図の右脇線に置き、
カプセル内の線が地形図の枠線に
平行になるように置けば、
コンパスは西偏8度50分の傾きで置かれるので
コンパスの長辺に従ってラインを引く。
他には国土地理院やその他地形図サービスで
磁北線を設定すれば一発でオーケー。
磁北線が引けたら次はルートを決める。
雪山なので、基本としては尾根を辿る。
ルート上の特徴的な地形や
ルートの方向が変わるタイミングなどに
ポイントを設定する。
ポイントとポイントの間にコンパスを置き、
角度を求める。
コンパスの向きは進行方向に向ける。
そしてカプセルを回すとき、
南側にカプセル内の赤矢印を回さないように。
そうしてしまうと、現地で真逆に進むことになってしまう。
コンパス長辺をルートに合わせたら
カプセルを回して磁北線にカプセル内の
ラインを平行にすれば、
これがコンパスにセットする数値だ。
127度。
ベアリング表には
ポイントを出発点を0として記入していく。
ポイントの標高、ポイントと次のポイントの
角度つまりベアリングの数字を記入。
バックベアリング欄には、ベアリングの数字から
180を引いた数字を記入。
引き返すときにはこのバックベアリングを
コンパスにセットすればいい。
続いて2ポイント間の標高差、距離を記入。
ベアリング表はこちら
ダウンロードできますのでどうぞ。
あとは雪山へゴー。
ポイント間の時間については
今後のデータにもなるので、実際かかった
データをメモしておくと
今後のホワイトアウトナビゲーションの
精度が増してくる。
ただし、地形図をある程度読むことができて
現在地をちゃんと把握できないと
意味がないので、不安な方は徐々に慣れて行きましょう。
[…] ホワイトアウトナビゲーションを勉強していきます。いやいやホワイトアウトのときに山行かないし。 […]