2022年7月30日:八幡平〜三ツ石山一泊縦走2日目

2022年7月30日:八幡平〜三ツ石山一泊縦走2日目

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久々の小屋泊。
ビールはポリ袋に作った氷を
ジップロックに入れた保冷剤で
冷えていたので、水場で冷やすまでもなく。

なんの対策もなく
かついできたコーラはぬるかったが
炭酸と甘味と絶妙な風味が
山ではとてもおいしい。

アルファー米を戻している間、
寝床と荷物整理。
合間にビールとナッツ。
荷物も喉の渇きも落ち着いてから
レトルトカレーで晩ごはんに。

夜は冷えもせず暑すぎず。
午前3時に外を見ると満天の星。
ご来光と朝焼け目当てに
3時30分には小屋を出た。

当然みんな眠っているので
大きめスタッフバックに適当に荷物を
放り込んで小屋を出てから
改めてパッキング。
夜空の端が徐々に明るみ始める。

大深山荘から小畚へ朝焼けの山を

月のない真っ暗な道を
ヘッデン頼りに。
小屋から大深岳までの登りは
石がごろごろで歩きにくい。

両脇は藪なのでさすがに
くま避けにと、蚊取り線香を焚き、
熊鈴を出した。

一度だけ前方の藪がガサガサしたが
あとは静かな夜明け前の蒼い道。
石に足をとられないよう
ゆっくりと進む。

稜線に出ると夜の群青に
だいぶ紅がさしてきた。
岩手山と源太ケ岳のシルエットの山裾に
もったりと静かに雲が沈んでいる。

ご来光が見れるベストポジションで
たちどまりたかったが
ビューポイントについては
得に見当もつけないまま出発してしまった。

大深岳から先の登山道は
両脇に灌木がせまり、
明るみ始めた空の向こうが見えない。

大深岳からの平坦な道が
下りに差し掛かると
目当ての方向の視界が開ける。

ちょうど視界が開けた場所で
源太ケ岳の山腹から
朝日が差し始めた。

朝の最も美しい時間がはじまった。
これから向かう小畚と
奥に岩手山。

八瀬森との分岐。

ところで天気はいいが
夜露がすごい。
なんの準備もないままに
膝から下がびしょ濡れに。

スパッツでもつけるべきだった。
靴下が濡れたせいか
登山靴の中まで浸水し
沢靴状態になってしまった。

鞍部から小畚への登り返し。
5時10分。だいぶ明るくなってきた。
まだクマの活動時間なので
それなりに気を配って進む。

小畚への急登から振り返ると
昨日まったり過ごした源太ケ岳と
今朝、朝焼けを眺めた静かな大深岳が
遠い。

その稜線方面から
かすかに熊鈴の音が聞こえてきて
小屋泊まりの人たちも
出発したのだなと考える。

小畚の山頂が近づけば
ミネウスユキソウが出迎える。
毛深いミヤマウスユキソウに比べると
さっぱりとした印象だ。

5時30分、小畚。
写真撮りながらなのでだいぶゆっくりだ。
もうひとつ先のピークの見晴らしも
捨て難いが、お腹がすいたので
ここで朝食に。

ところで、夕方もそうだったが
早朝もホシガラスが元気だ。

わりと近くで囀っては
ハイマツの実をついばんでいる。

写真はハイマツの実をくわえて飛ぶ
ホシガラス。
登山道にも彼らが食い散らかした
ハイマツの松ぼっくりが散乱している。

昨夜のうちに沸かした湯を
もう一度沸かし直して
インスタントスープで
朝食は玉子スープのおじや。

ごはんは昨日の食べ残し。
いつもアルファー米は
一袋あれば夕食と朝食で食べ切る。

レギュラーコーヒーの香りと
熱さを味わいながら
誰もいない山頂で過ごす朝は格別だ。

ずっと早朝が続けばいいのにと
呑気に過ごしている間にも
日は昇り続け、鈴の音も近くなってくる。

山頂を次の人に明け渡すかと
出発する。

三ツ石覘標ノ台から三ツ石山荘

この先の登山道は
いつきてもときめく。

なだらかな稜線の先に
やや台形の形の山頂が
標高1447.9mの三ツ石覘標ノ台。
その奥に岩を頂くのが三ツ石山。

6時30分、三ツ沼。
振り返ると三角点のあるピーク、
三ツ石 覘標ノ台が沼に映っている。

草原の道を行く。
さすがにまだ誰ともすれ違わない。

秋田駒ケ岳と
手前に乳頭山が展望できる。
その下の湯気が上がっているのが
葛根田地熱発電所だ。

その近くに滝ノ上温泉があって
そこから千沼ケ原を経て乳頭山への
登山道がある。

三ツ石山への緩い登りが始まる。
標高があがれば、来た行程が一望できる。
右奥に源太ケ岳。なだらかな稜線を
左に行けば大深岳。
小畚は手前の覘標ノ台に隠れている。

モロビの香りと
ホシガラスの囀りの山道を。
庭園のような場所だ。

7時過ぎ、三ツ石山。
山頂の岩峰は、きょうはいいやと
下っていく。

三ツ石山荘から松川温泉へ

三ツ石山からの下りは
目の前に岩手山を眺めながらで
景色はいいが急なので
足元は悪い。

ぼちぼち登ってくる登山者と
すれ違う時間帯に。

三ツ石山荘が沼のほとりに。
いつもながらかわいらしい光景だ。

だいぶ下ってくると、
登山道脇にはニッコウキスゲが
見頃を迎えて咲き揃う。

7時30分すぎ、小屋到着。
一息いれていく。

さすがにすでに宿泊者はおらず、
小屋はしーんとしていた。
バルコニーでザックをおろして
コーヒーを淹れる。

のんびりしていると
昨日大深山荘で同宿の登山者も
やってきた。
山の話などして休憩時間を共にする。

沼にカモの夫婦がくつろいでいて
こちらも
しばしゆっくりと朝を楽しむ。

さて、ここからはひたすら下山だ。
開放感あふれる草原や池塘とは
ここでお別れ。

山荘を出るとすぐに湿原と
その向こうにはモロビに覆われた
大松倉山のなだらかな姿が横たわる。
さらに岩手山へと縦走する人たちは
あの大松倉山の山腹の道へ進む。

わたしは下山なので
三ツ石山荘を過ぎてすぐの分岐を
松川温泉方面へ。

笹藪迫るが登山道は
刈り払いもしっかりしている。
2時間ちょっとのひたすらの下りだ。

アオモリトドマツの大きな松ぼっくり。
拾った。ずっしりとした重量感が頼もしい。

あまり展望のない道だが、
途中で岩手山が間近にみえるポイントもある。
きれいな三角の山は姥倉山だろうか。

樹高も高くなり
ブナの木が多くなって
ときどき巨木を見上げたり
厳しい環境によじれた樹形に
シャッターを押したりしながら
下っていく。

9時55分、下山完了。日差しが暑い!
駐車場に戻ると、出発時には一台しかなかったが
満車に近い賑わいに。

早い時間で空いている峡雲荘で
いかにも効きそうな香りの温泉で
足をのばし、さっぱりとして帰路につく。

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