2021年6月13日和賀薬師岳〜甲周回ルート

2021年6月13日和賀薬師岳〜甲周回ルート

昨年刈り払いしたばかりの
薬師岳から甲周回コース。
久々に歩くことができました。
よくぞまあ
この稜線のぶっとい笹を
刈ってくださいました。感謝です!

コース中は季節がらクマの気配が濃厚。
ラジオやカウベルなどの過剰な
音は不要ですが
一人歩きの際には鈴とホイッスル、
クマスプレーを携帯
しましょう。

コースタイム
8:07 甘露水口
8:30 ブナ台
8:55 滝倉
9:30 倉方
10:17 薬師岳
11:25 大甲山
12:17 甲分岐
14:28 甘露水口

コースログはこちらから。ただし甲分岐からすずみ長根のログが取れていませんでした…

和賀山塊のミズナラ

天気はイマイチで、こんな日に
薬師岳に登るような人もいないだろうと
登山口についてみたら
たまたま登山教室開催とのことで
大勢の登山者が。
これはクマよけ鈴いらないかも。

途中で追い越させてもらい、
ひとり蒸し暑い曇天の森の急登に
取り掛かる。

ブナの原生林

甘露口の取り付きこそ鬱蒼とした
杉林だが、すぐに広葉樹林帯に。
このへんはミズナラの巨木や
ブナの原生林に近いだろう森で
お気に入り。

巨木の定義は地上1.3mの位置での幹回りが
3m以上の樹木を言う。
両手を広げた長さがその人の身長だから、
大人二人でひと抱えもあれば
十分に大木だ。

サワモタシ

サワモタシだ!

ブナ台

今日はとにかく蒸し暑い。
汗を拭きふき、
水分飲み飲み、高度を上げていく。
このブナ台を過ぎたあたりで
強烈な獣臭。
はじめて嗅いだ。
たぶん、夏場の山男が一ヶ月風呂にも
入らなければ醸し出すであろう悪臭だった。

なるほどこれがクマのニオイか。
ガサガサという音もなく
ニオイが離れていく。
念の為ホイッスルを数回吹き、
クマスプレーの使い方を頭で
シミュレーションしながら
先を進む。
クマは静かに去っていった。

ブナのプレート

ブナのプレートが
完全埋没するのもあと数年か。
10年まえはブナと読めた。

滝倉

滝倉。
この付近の沢の名称ではないが、
そう呼ばれている。

倉方

倉方。
ここまでくれば樹高も低くなり
空が明るく感じる。

倉方からの登山道

尾根すじの道は明るい。
10分も登れば
展望もきくようになる。

展望のある尾根

晴れていれば、甲や背後には
鳥海山も見えるのだが、
本日はガスガス。

ウラジロヨウラク

ウラジロヨウラクも咲き始めた。

ニッコウキスゲ

今年初のニッコウキスゲ。
まだほかは蕾だった。

稜線にかかるガス

振り返れば
稜線にガスが迫り
幽玄みがある。
遠くの展望なくともそれなりに
自然の動きは見応えがある。

イワカガミ

イワカガミ。

和賀岳

甲への分岐を過ぎれば
和賀岳とご対面。
ガスとはいえ
大将が見えると気分があがる。

薬師岳山頂

薬師岳山頂。
ガス〜。

しらねあおい

薬師平方面の花リサーチに、
少し下っていく。
ようやくシラネアオイ。

薬師平方面

もう少しであの斜面に
ニッコウキスゲがひしめくのだろう。
かの花も、ミヤマカラマツも
ウゴアザミもまだまだ蕾。

ハクサンチドリ

こちらハクサンチドリは
見頃だった。
他にはゴゼンタチバナ、ツマトリソウ、
ちらほらのコバイケイソウ。

和賀岳

御大将へはまたの機会に。
今日は甲方面へ。

甲周回ルートへ

急な下りからはじまる。

深い谷と樹海

ずっと稜線沿いを歩くので
ガスがなければとても見晴らしがいいのだ。
きょうはうっそうとした樹海を
ながめながら歩くか。

クマの落し物

クマの落し物が真ん中に。

痩せ尾根の登山道

このコースはところにより
結構な痩せ尾根になる。
刈り払いがなければ
藪で足元が見えずかなり
危険だ。
谷側は切れ落ちているような
箇所もあるので
バランスを崩さないように慎重に。

樹海

ガスでどんより感はあるのだが、
谷の森中から
エゾハルゼミや鳥の声などが
湧き上がってきて
山全体が生命力で満ち溢れている。

そう思って眺めると
このどんよりとしたガスの
湿度の高い景色全体がどっぷりと、
巨大な培養液の中にでも
浸されているような気分になる。

痩せ尾根の登山道2

登山道脇には
ナナカマドの花が最盛期。
あんまり好みの香りではないが。

奇形の樹木

展望のよい尾根に出たり、
樹林の中にもぐったりと
アップダウンしながらの道。
この矮小化した樹木の
モンスターゾーンを抜ければ・・・

大甲山山頂

やがて、大甲山。
山頂付近は笹が広く刈り払われ
大勢での休憩も余裕。
まあ、こんだけの笹薮。
クマもいるわなあ。

謎の登山道新ルート?

大甲山からまた急斜面を
ぐんぐん下りていく。
途中、右の尾根筋に道ができていて
はて、どこに通じるのだろう。
甲方面へは左側の尾根を。

甲分岐手前の登り。
刈り払いしたてなので
足元には刈られた笹の根元部分が
ときどき足をさらってよろめく。

甲山

里からも見える、特徴的な形。
甲山。
山頂付近に標柱らしき影もあるが
登山道はなく、目指すなら藪漕ぎとなる。

甲山分岐の標柱

甲山分岐。
甲山への藪には古いピンクテープがある。
この標柱で紛らわしいのが
中ノ沢岳とすずみ長根方面が同じコース上なのに
標柱の向きが微妙に異なる。
しかもコンパスをあわせても地形図と
コンパスの針が示す方向が違って
真面目に付き合えば混乱する。

甲からの地形図

上の地形図は甲山分岐付近のもの。
登山道は分岐のピークから南西の尾根に
付いているが、
実際は南の尾根上を辿ったのち、
トラバースして南西尾根に合流する。
地図上のピンクマーキング箇所が
実際の登山道。

なので、
分岐ピークでコンパスをあてて
方向を確認すると、行く手は藪となっており
おや?となる。
中ノ沢岳までの登山道が
地形図上にはないこともあり、
悩ましい。

中ノ沢岳

あちら、中ノ沢岳。
地形図に登山道はないが
刈り払われている。

すずみ長根コース

甲分岐から下っていけば
途中、右手に登山道が分岐し
すずみ長根に至る。
特に標柱などないので見落とさないように。

稜線から枝尾根へ降りていく。
濃いブナの森がよい。
途中、また獣臭がしてホイッスルを吹く。
クマは音もなく距離を取ってくれる。
ところで、クマよけにラジオを
鳴らす人がいるが、
登山中、ずっと世俗の雑音を聞かされるのには
閉口してしまう。あれは、
タケノコ採りで笹薮に入っているときぐらいに
してほしいと思う。
それならば登山者は通り過ぎるそのときだけ
世俗の音を耳にするだけだ。
よほどイかれたクマでもないかぎり
小さな鈴で十分だし
団体ならばその足音と気配だけで事足りる。
いざという時のためにホイッスルと
クマよけスプレーを状況に応じて
使えば良いと考えるがどうだろう?

すずみ長根終了。
ここから古い林道になる。
もはや林道の面影も薄い。

終了間際に2回渡渉がある。
そこそこ水量があるので
雨の予報または前日までに雨だったときは
こちらのコースを往路にしたほうが良い。

下山したら甘露水が待っている。
びっくりするくらい柔らかで
よい水だ。

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