神室連峰の本山が
最もかっこよく見える場所は
積雪期限定ルートの通称「ひみつのテラス」。
ここ数年のSNSのチカラで
まったく「ひみつ」感はなくなったが
神室本山推しにとってはこの「テラス」、
推し巡礼にかかせない場所である。
ガイドメニューに盛り込むにあたり、
目的が「山頂」ではなく「展望」なので
パッとしないメニューになってしまうものの
このコースが好きなだけのガイド本人と
幾人かの物好きなゲストさんのため
今年もメニューに組み込んだ次第。
神室展望稜線から展望テラスレポ
コースタイム(ゆっくりめ)
06:50 役内大橋たもとから入山
08:55 P1035
10:15 分岐ピーク(P1154)
11:30 P1115 展望テラス(ひみつのテラス)
〜休憩
16:00 役内大橋駐車スペース下山
役内大橋たもとから分岐ピークへ
標高500mからP1035の稜線に出るまで
500m弱の急登から始まる。
昨年もこのツアーに参加のTさんと
そのご友人のTさん、
この最初の急登にかなりナーバスになりながら
本日を迎えたとのこと。
ルート上に現れる急登さんには
抗わず、ゆっくりじっくり付き合ってやるかと
腹をくくるに限る。
急がなければつらくない。
本日は雪質は重めだが
フリクションが効きやすそう。
これは登りやすいからラッキーだ。
杉林からカラマツ、そしてクロベの巨木を見上げ、
やがてブナの森へと植生は
急激に上がる標高に合わせて変化していく。
急ではあるがこのルート、
定期的に斜度が緩む場所が適度にあるので
いい感じにピッチを切って登れるので
とりついてみれば割と気分的にはラクである。
ゆっくり2時間かけて稜線へ。
ここ1035は例年だと見上げる様な雪庇が
行手を遮って非日常的な景観が楽しめるのだが
昨年に引き続き、今年も雪庇は小さくて
乗り越えるのには
まったく苦労もスキルも不要だった。
今年の雪庇。
積雪量は少なくとも1メートルは少ないかな。
1035の稜線に上がると
晴れていれば目の前に純白の屏風が広がって
神室山が出迎えてくれるのだが
本日は神室の親分はガスの中。
ここまでの急登が嘘のような
伸びやかでゆるい稜線を行けば
ガスが上がって軍沢岳が姿を現した。
雪の少ないのは一目瞭然で
いつもは純白の頂が今年はごま塩頭である。
分岐ピークから展望テラスへ
ところで本日の先行トレースは
アイゼン、スノーシュー、ワカンの3人分。
だいぶ早く出発したようで姿はない。
分岐ピークから展望テラス方面へトレースが続く。
相変わらず雲は標高1200m付近にあって
山々の展望は効かないものの
このコースは雪庇が楽しい。
見て見て、このぷりっとしたセッピーズちゃん。
コル付近であとからきた2人パーティが越してゆく。
山形からとのこと。
山形の積雪期限定の山など教えてもらう。
テラスへいったん下る。
この稜線の小ピークも展望が良いのだが
まだ雲が重く神室にのしかかる。
さて、最後の登り。
ここを登り切れば・・・・
青空もでてるよ。
親分、出てくれるか?
あと80mほど雲が上がってくれればと
ランチをとりながら神室の出待ち。
下山中に雲が上がりそうだなと
往路を引き返す。きっと1035あたりで
雲が上がるかも。
ほら、虎毛山も見えてきた。
徐々に青空の面積が広がってきたよ。
左に分岐ピーク、右に軍沢岳、
そのコルの窓から覗くのが虎毛山。
神室本山の雲はまだ取れないが
青空をバックに虎毛山が映える。
「神室展望稜線じゃなくて
虎毛山展望稜線でいいんじゃない?」
などと笑いながら虎毛山の見事な姿に盛り上がる。
ここの雪庇はいつも見事。
最後のゆるい登り返し。
その雪庇のほぼ垂直斜面を
トラバース気味に登る、
ウサギのトレースがあるので
われわれはどよめく。
このゆるい雪庇稜線の登り、
神室の展望が良い。
見ればだいぶ雲が上がってきた。
きりっとしたリッジの陰影と
雲のコラボが迫力だ。
1035まで戻ると
本山山頂もガスから姿を現した!
やれやれ。
神室の展望稜線ツアーの看板を
虎毛の展望稜線ツアーに架け替えずにすんだ。
満足したので1035の雪庇を下りる。
こんなに急だったっけ。
と、毎回思う。
急すぎる箇所からはスノーシューを外してツボ足で。
午後の雪まくれの出来はなかなか
ハイクォリティ。
ご参加ありがとうございました!
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