先週は湯の台コースから登った鳥海山だが
今日は再び矢島コース。
来週に迫った登山ガイド養成講座のため
コース確認のためにと考えていたら
登山ガイド先輩のサトウさんから
山頂小屋泊まりで行かね?とお誘い。
じっくり登りたかったので
一泊山行にしようと思っていたところだ。
じゃ、山頂集合でということで
わたしは祓川から、
サトウさん一行は鉾立からめいめいに出発。
一泊するとなれば出発時間は
9時でも余裕。標準コースタイムで
4時間かからないコースだが
15時までに到着でいいか。
すでに他の登山者は出発済みで静かな竜ケ原湿原。
リンドウはまだ蕾だったが
ウメバチソウが咲き始めている。秋だ。
祓川神社にお参りし
すぐに始まる急登は懺悔坂。
2週間前来たときは雪に埋もれていた。
先週までの鳥海山登山はとにかくザ・夏山で
水分消費量が激しかった。
本日は二日分なので
2リットル+ビールは最低ラインだろう。
だが不安だったので
福沢諭吉先生までとは言わないまでも
野口英世先生にご同行願おうか考えたが
貧乏根性をボッカ訓練と置き換えて
合計4リットル以上背負ったものの、
これが重くて重くてとにかく辛い。
耐えられず途中で水筒の水は半分捨てた。
9時40分、賽の河原。ここはまだ雪がある。
2週間前に使った5本爪の軽アイゼンが
あまり良くなかったので
6本爪の軽アイゼンをさっそく買ったのだが
出すまでもない。
ここは積雪のあるときのコースが沢の
右岸と左岸それぞれにつけられていて
この時期はややこしい場所だ。
雪渓を振り返るとだいぶ薄くなっている。
10時5分、御田通過。ここも雪が残っているが
夏道は露出している。
雪解け水が流れていた。煮沸前提で使用できそう。
御田の湿原を振り返る。東北の山ならではの風景だ。
御田を過ぎれば
七ツ釜避難小屋までの急登に。
5月の春スキーではここは急なので
いつも尾根の南側へ回り込むところだ。
10時34分、七ツ釜避難小屋への分岐点。
通行止めになっている。
おそらくトイレ設置工事が始まったのだろう。
しばらく小屋は使えなさそうだ。
おなじみ、康ケルン。
ケルンから見下ろせば
トイレ設置工事の資材が荷揚げされてある。
七ツ滝の雪もすっかり消えていた。
10時57分、康新道との分岐。
今日は舎利坂から登る。
プルタブが落ちていた。
このタイプって相当昔のものだがいつ頃まであったんだっけ?
ペットボトル飲料もなかった時代だったから
開けたら飲みきりの時代だ。
数十年前にここで一気に飲料を
飲み干した人がいたんだな、と考えると味わい深いゴミである。
さてこちらのコース
たしか私は登りで使うのは初めてだった気がする。
康新道は新山と七高山の双耳峰を
眺めながら登っていくが、こちらは七高山目指して標高を上げていく。
足元にはミヤマリンドウ。さながら青い星のよう。
大雪路という名前だけあって残雪が横たわる。
夏道は全部露出している。
大きな岩がモアイ像のように並ぶ場所は
氷の薬師。
モアイの下にはウゴアザミの
愛らしいピンクが群落を作っていた。
大きな岩を越えていく氷の薬師を抜けると
登山道は石畳に整備される。
下山して来たグループが
この石畳をうっかり落石させてしまい
石は、沢のほうへガコンガコンと
どこまでも落ちて行った。
落石もあのサイズになると命の危険を感じる。
花の少ない季節だがチョウカイアザミは地味に花盛り。
13時。七高山はまだ遠い。
適当なところで昼ごはんとしのんびり過ごす。
一泊山行は余裕があって楽しい。
石畳はうねうねと蛇のように山頂へ誘う。
リンドウが咲き始めていた。
舎利坂は
このコースの一番きつい場所じゃないだろうか。
斜度は普通に急登なのだが、ザレ地でとにかく滑る。
舎利というのはお釈迦様のお骨のこと。
このザレ地は、
お釈迦様の尊いお骨なのだと思って
丁寧に丁寧に足を置いて歩けば
足を取られずに登っていける。
そんな命名なんだろうか、など考えながら登る。
登り終えた人が羨ましい。。。。
14時14分、七高山。新山より7メートルほど低い。
あったあった!
今日の目的のひとつがこれ。山頂付近の河原石。
昔は麓に住む人たちが河原石を
担ぎ上げてご先祖を供養する習わしがあったそうだ。
なかには法名が記載されているものも
あるそうだ。
七高山の北側の斜面にある。
新山は登山者で大にぎわい。
外輪山にはイワギキョウ。
今日の宿へは外輪山を下っていく。
ここが小屋への下り口。累々とした岩を降りていく。
下りの途中で振り返る外輪山。
下りの途中で見上げる新山。
1801年だかそこらに噴火してできた山だから
名前通り出来立て200年ちょっとの新しい山だ。
ガイドブックに記されている水場。雪解け水だ。
煮沸前提で使用できるがゴミも浮くので
使うつもりならコーヒーフィルターなど
ゴミ取りできる用意が欲しいところだ。
頑張って本日、水分を多めに担いだのだが
思いのほか涼しく、ここに至るまで
スポドリ1リットルも飲んでいない。
外輪山の岩。溶岩が固まってできた景観。
14時40分、山頂小屋到着、
サトウ隊長御一行は見当たらない。
久々に小山で来て驚いた。
覇者の一杯があるらしい。
1000円で山頂生ビール!次はやっぱり
野口英世先生2、3人ぐらいと登らなきゃ。
小屋前でサトウ隊と合流し
なんと本日の宿は鳥海山山頂の
スイートルーム!(そう書いてある)。
本日はこの夏一番の宿泊人数だそうで
そんななかでスイートルームをグループで
使えるなんてラッキーだ。
スイートルームは鳥海山美術館の中にある。
見て見てオシャレ~。
荷物を解いて寝床ができればあとは夕日待ち。
日本海は鏡となって今日のクライマックスを
映し出す。
太陽と同じ高さになるにつれ
影がすっごく長く伸びる!
今日の宿泊者たちが
一斉に黙り込む厳かな時間。
飛島の彼方の水平に太陽が着水。
ジュッ!!
コメントを書く