この秋、神室山へ役内口からのガイド企画を
予定していたのだが、
治山工事があり、林道歩きが追加されること、
そして
下山コースに予定していたパノラマコースの
通行止めになっていること、
以上の理由もあってコースを変更。
山形県側の有屋口コースにした。
結局こちらも、天候がよろしくなく中止と
なってしまったのだが、リサーチで3週連続で
神室山に通ったので情報アップ。
有屋コースってこんなところ
山形県金山町の神室ダムに有屋口がある。
こちらも役内口同様に、治山工事がダム脇で
なされていたが、通行止めにはなっていない。
林道終点からしばらくは川沿いを進み
20分ほどで広場に到着する。そこから先が
歩きにくい巻道となる。
20分か30分ほどで到着する、長沢を
鉄板で渡渉し、カツラの大木の沢沿いの道を
また30分ほどいけば二股。
ここまでが、渡渉と巻道が続いて歩きにくい。
二股からは急登を一気に標高を700メートル登って
主稜線へ出る。この二股からの登山道は
急登ではあるが歩きやすい。
主稜線に出るとパノラマコースや
西の又コースと合流し山頂へは30分弱。
有屋コース印象としては、西の又コースを
やさしく短く単純にした感じ。
神室山入門としても手頃かも。
コースタイム
08:00 登山口(→二股まで1時間20)
09:20 二股(→稜線まで1時間50分程度)
11:10 稜線(→山頂まで30分程度)
11:40 山頂
アクセスと駐車場
神室ダム沿いの舗装された道路なので
普通車でも問題なくアクセスできる。
ダムの橋を渡ったあと、道幅が狭くなるので
対向車に注意する程度か。
駐車場は道路脇に5〜6台ほどのスペースと
その手前すぐにも同じくらいのスペース。
トイレなどはない。
↓この、手前の駐車場から300mほどで登山口だが・・・
登山口直前のここにも3〜4台ほど停められる。
登山届けはこの最終駐車場にある。
登山口から沢沿いを取り付きの二股まで
金山川沿いをしばらく進む。作業道かなにかだったようで、だいぶ広い道だが今では、踏み跡の幅20センチほどを残して、両脇緑に覆われている。
天狗沢渡渉は、昔のコンクリートの橋の上を
じゃんじゃんん水が流れていた。
沢による撹乱が多い地形らしく
植生は教科書通り。
サワグルミ、トチノキと、
カツラの大木が目を引く。
この季節、当然あたりはカツラの甘い香りでいっぱい。
20分ほどで広場に到着。
たぶん、昔はここから登山がはじまったのだろう。
虫が多くてなかなか立ち止まれない。
このシーズン、入山する際には、
この沢沿いでは虫の熱烈歓迎を受けることになる。
衣類調整や靴紐などなどは駐車場で万全に
済ませておくことをお勧めする。
車道の幅は登山道の幅となり、
ここから二股までは歩きにくい巻道と
渡渉が続く。
道沿いにはハイイヌガヤ。この実が飴色になれば
食べごろなのだそうだ。
たぶん一番ヒヤヒヤする巻道が
このあたり。さきほどの広場から
10分も歩いたあたり。
岩が露出していて滑りやすい。
行きは登りなのでいいが、
帰りは、狭い露岩のこの巻道は、沢のそばでもあり
いつも濡れていそうで滑りやすい。
長沢との合流点で鉄板の橋を渡る。
この橋を渡ると、道はだいぶ歩きやすくなる。
とはいえ、ここまでの道と比較しての話ではあるが。
鬱蒼とした森、とも言えるが
ここまで急斜面の巻道をじりじりと
歩いてきた身にとって、ここに開けた空間は
なかなかほっとさせられる癒しの景色である。
沢沿いの大カツラ。15年ぶりに再会。
なかなか居心地がいい森。
二週続けてここを歩いているが
先週は雨のなかだった。
雨に沈んだ森は薄暗かったが、
ひとりでも何だか心が落ち着く。
贅沢な雨の1日だった。
途中で崩壊地を抜ける。
最近になって崩れたのだろう。
まだ安定していないようなので
すみやかに通過する。
崩壊地を見上げたところ。
よくぞあのカツラ、持ちこたえたものだ。
帰りに通った時は、上からパラパラと小石が
転がってきて、焦った。
ここを通過の際には、くれぐれも気をつけましょう。
駐車場から1時間20分ほどで二股。
沢沿いの道もここで終了。
二股から主稜線の八幡神へ
二股の渡渉を過ぎると
ちょっとの間、荒れた巻道をマタタビの実を
くぐりながら抜ける。
巻道が終わると、いよいよ標高差700メートルを
ひたすら登る鬼コースが始まる。
植生も、トチノキやカツラから
おなじみブナの森に入れ替わる。
鬼の急登ルートとはいえ、西の又コースの、
不動明王から始まる胸つき八丁に比べると
歩きやすさは段違いだ。
登山道も幅広く、丁寧な九十九折りになっていて
危険なところや、ムリして足をあげるような
箇所はかなり少ない。
いっきに700mという数字には
正直なところメンタルに来るものがあるが
こういうときは、100mとか200mとか
自分にとって心が折れない標高差で
ピッチを区切りながら
じわじわと行けばいい。
今回わたしは100m刻みで一息いれながら
じっくりと登った。
7回休めば稜線だと考えれば気持ちは
前向きになるもの。
いつしか樹高も低くなり、
稜線を成す山々も梢の向こうに
近づいてくる。
やや際どい、巻道で顔を上げれば
前神室山がどっしりと。
やたら四角い岩があると思ったら
それは春日神の大岩だ。
うっすらと文字が彫られているが
特に案内板もないので見落とす人も多そうだ。
春日神を過ぎれば、だいぶ標高が上がった感。
紅葉も週末にはだいぶ楽しめそう。
神室山の山頂と、避難小屋。
そして奥にはあれは、小又山か。
主稜線手前がたぶん
八幡神。昔はこの岩を取り囲むように
広場になっていたが、今はだいぶ
笹が進出してきていた。
この石がもしかすれば八幡神にゆかりのあるものなのか。
パノラマコースとの合流点の手前が、
前神室のビューポイント。
振り返れば、真室川か新庄方面は
雲海がかかっている。
鳥海山は裾野がチラ見え。
神室山までここから20分ぐらいで
いけるだろうが、まあ、先々週も登ったし
今日はここまででいいや。
何よりも来週、ガイドで登る予定だから
山頂はそのときのためにとっておこう。
というのもガイドあるあるなのだが、
下見登山で良い想いをすれば
ガイドの日はあまり良くない天気になる。
なので、そんなゲン担ぎ。
あちらは役内からの西ノ又コース。
今日は天気もイマイチなせいか
あるいは、工事が入っているせいか
例年より登山者が少ない。
100メートルずつじわじわ登った九十九折り。
くだりはあっという間。
ご覧の通り、ここの登りは
なかなか登山道がやさしげだ。
雨などで濡れていない限り、安心して通れるかと思う。
カツラの甘い香りを楽しみながら。
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