八幡平は登山する者としては
山頂は観光客が多いしなんだか興ざめな
気持ちが先行し、あまり足が向かない山である。
せいぜい、南八幡平縦走路の起点程度か
積雪期の、アスピーテライン開通前の
静かな時期に行くところ、
そんな認識だ。わたしなどは。

だが、昨今のブラタモリに影響受けて
なんだか、地学目線でめぐりたくなって
数年振りにアスピーテラインを
山頂までドライブ。

途中の蒸ノ湯などに寄り道し、
八幡平山頂よりもイキのいい火山を
見学する。

露天風呂側には、ぼこぼこと泥火山。
こんな場所で温泉につかるのも
シュールっていうか
地球のエナジーパワーが
ものすごくチャージできそうに思える。

露天風呂の一角には
オンドル小屋もある。

さて、アスピーテラインをさらに進めば
大型観光バスがひしめく八幡平山頂レストハウス。
すっかりリニューアルされていて三階建てに。

その付近にはパークサービスセンターがある。
レストハウスはお土産ものなど
道の駅寄りな感じだが
こちらのパークサービスセンターは
八幡平トレッキング向け。
売店もこちらのほうが山々している。

その半地下になっている階では
写真が展示され、上の写真の空中写真も。
ここでざっと予習すると八幡平の噴火口めぐりが
またひとつ味わいがますだろう。

これから巡る、大小の沼。
あれらは全てが噴火口。
ひときわ大きな八幡沼も、実は
いくつかの丸い噴火口が連なってできたサイズ。
そのお向かいのガマ沼も3つの火口から
できたもの。

沼がきれいに一列に並んでいる。
これはこの沼が火口列だったため。
八幡沼、ガマ沼の火口列と
メガネ沼、鏡沼の火口列がとっても
わかりやすい。面白いでしょ。

さて、さっそくレストハウスから
火口列に萌えるコースへ。
反時計回りで、八幡沼から山頂、
そしてメガネ沼をまわる。
一周、約40分。ゆるやかなコースで
手頃である。

なお、ずっとコンクリートの道である。
ソールの硬い登山靴はかえって歩きにくい。
普通の運動靴がオススメだ。

コンクリートで整備された小道を
登って振り返れば、駐車場とその奥には
畚岳のかわいい三角形、
その先へは南八幡平縦走路がえんえんと
大深岳まで続くのが見える。
霞んで秋田駒ケ岳も見える。
見える山ほとんどへ、ここから登山道が
続くのだ。

トイレは使用禁止になっていた。

8月上旬の山の空は秋めいている。
オオシラビソの林が出迎えると
独特の甘い、お茶のような香りが漂う。

まもなく八幡沼。ほとりには
陵雲荘。沼の縁にはニッコウキスゲと
トウゲブキが鮮やかだ。
ただの長い沼かと思っていたが
よくよく見れば、いくつかの円形が
連なってできた長さだとわかる。
これがかつての噴火口。
いまではこの一帯の火山活動は終わっている。

八幡沼と遊歩道を挟んで反対側、
西側にあるのがガマ沼。
こちらは3つの火口が連なってできている。
ほとりまで降りて見れば
水深が途中から急に深くなっているようだ。
深さは9mくらいとのこと。

ガマ沼の淵には見下ろす展望台がある。
お昼はランチ会場になって賑やか。

さて、ふたつの沼を過ぎて山頂へ。
ニッコウキスゲやウメバチソウなど
夏の終わりの花が鮮やか。

山頂だ。
八幡平山頂はこの展望台に登っても
周りをアオモリトドマツの森に覆われて
さほど展望が良いわけでもない。
やっと岩手山や森吉山が
木々の間に見える程度。

八幡平山頂付近はだいたい70万年前に
できたとのこと。
そしてこの付近は、大規模な地滑りで
削られてできた地形。
南側もに大きな滑落崖があって
アスピーテラインから見上げることができる。
東にある源太森もたまたま
地滑りがあってできたピーク。

山頂から西に見える森吉山。

遊歩道脇には
オオバスノキが実をつけていた。
すっぱい実。

山頂をメガネ沼方面へ下っていく。
写真の手前の丸い沼、そしてその奥に
メガネの相方の沼の湖面がわかるだろうか。
さらにその奥には、鏡沼があるが
一望することはできない。
この三つの沼が一直線に並ぶ、
かつての火口だ。

メガネ沼。なんとか二つを画面に収める。
収まり切らない。

メガネ沼の下の方の沼から
南側を見れば、鏡沼の湖面が
ちらりと見える。

鏡沼。
最近はドラゴンアイのほうが
分かりやすいかもしれない。
写真左上の奥にメガネ沼のひとつが並ぶ。

遊歩道を降りていくと
さきほどのメガネと鏡の火口列と
同じ並びにもうひとつ、
遊歩道の右手に窪地がある。

不思議な凹地と案内が書かれているが
おそらく、メガネ沼、鏡沼と
一直線上にあるから、同じような火口列かもしれない。
諸説あるようだ。

山頂よりも見晴らしのいいコース上。
1時間以上かけてじっくり歩いて
満足の高いトレッキング。

レストハウスにある展望台からは
すぐ眼下に雪田草原が広がる。
今年は不発でなかなか
見られなかったコバイケイソウが、
ひとかたまりに咲いていた。

アスピーテライン沿いはほかにも
日本最大規模の1、2メートルもの
泥火山が見られる後生掛自然観察路も
あるので、立ち寄ってみてはどうでしょ。
さすがにもう少し涼しくなってからが
いいかなあ。