乳頭山は十和田八幡平国立公園の南部、
秋田県と岩手県の県境に位置する。
標高1478m。
山頂部分の東南側はかっこいい絶壁で
柱状節理が見られる。
山頂に至るコースは
秋田県側からは乳頭温泉を起点に
・孫六コース
・黒湯コース
・蟹場コース
などがありその気になれば
・鶴の湯からも行ける。
6月なかばにも乳頭山に登ったが
このときのコースは
秋田駒八合目小屋を起点に
笹森山、湯森山、笊森山を縦走する
長大なコースだった。
今回は黒湯温泉からのコース、
別名を一本松コースを登り、
孫六コースを下山してみた。
ログはこちらYAMAPでどうぞ。
コースタイムは参考までに・・・
08:20 黒湯温泉
08:53 一本松温泉あと
10:04 稜線展望のベンチ
10:46 孫六コース合流
10:56 乳頭山山頂
11:42 田代平避難小屋
13:18 孫六温泉
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起点の黒湯温泉。
駐車場に温泉利用以外はお断りの
文字がある。
交渉するために温泉まで下っていって
断られたら登り返しが面倒なので
乳頭温泉入り口の駐車場に車を止めて
ここまで歩いてやってきた。おかげで
15分ほどブナ林散策ができた。
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黒湯温泉の脇の道を下り
孫六温泉との分岐に出る。
このまま一本松沢沿いを行くのが黒湯コース。
別名を一本松コースだ。
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おお、スリリングな橋がある。
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途中、対岸に温泉の湯けむりを
眺めたりしながら、ゆるやかに
登山道が続く。
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登山道は意外にも、といえば失礼だが
木道が敷かれて整備されている。
勝手にマイナーなイメージを
このコースに対して抱いていた。
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渡渉点。コースは
岩にプレートで矢印が打ち込まれ
迷うことはなさそう。
雨の日はこのコースは
注意が必要かも。
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このコース、露天風呂があるときき
それを見るのが楽しみだ。
もともとは一本松温泉の施設があったようだ。
いまはこんなかわいい看板があって、
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露天風呂は登山道脇のすぐそばに
思いの外、立派なものだった。
指先を入れたが、かなり熱い。
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温泉を過ぎると登山道は徐々に
沢を離れて山腹を詰めていく。
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ところどころ、笹をかきわける。
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あれ、沢に迷い込んだ?
と思ったが、ここが登山道。
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ときどき木道が現れる。
木道がないと、地面の土は
かなり滑りやすそう。
木道で滑るか土で滑るか、悩ましい。
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林床にはブナの実生から
葉っぱが成長していた。
たくさんあったが、数年後、10年後
生き残っているのはどのくらいあるか
ないか。おびただしい実生は
ブナの親木の遺伝子の生き残りへの保険。
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地形図では渡渉はないが
沢地形の横断が1070m付近にあって
一箇所、渡渉。
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沢地形の渡渉横断ののち、
等高線が混み始めて急登に。
急登箇所は丸太の階段が組まれていた。
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それにしても一帯は
太い立派な笹が茂っていて
ちょっと覗けば食べごろが
目に付く。これに付き合ってたら
先に進めなくなりそう。
目を合わせないでと言いながら
いくらかお土産に。
これだけ笹があれば例の親方も
そこらにいるかなと気配を伺うが
黒い落し物ひとつなく。
平日の単独なので念の為
鈴は鳴らすが、今日はやたら
暑い日で、クマも動きたくないのかもしれない。
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1200mぐらいになるとモロビ、
つまりはアオモリトドマツ、あるいは
オオシラビソが出てくる。
孫六コースなどと同じくらいの
標高で森は、ブナにモロビが混じり
やがてハイマツなども出てきて
視界がひらけていくパターン。
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林床にイワカガミか
コイワカガミか。
ややこしいなあ。
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うっそうとした森を抜け、
笹藪の向こうに秋田駒が
見えてきた。
あまりに暑くてもう帰って
アイスでも食べようかという
考えはここまでくれば
もはや霧散する。
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登山道は、孫六同様にところどころが
このような感じ。
足元が見えないが、道は明瞭だ。
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だいぶ上がってきた。
数週間前はあちら秋駒の
八合目から乳頭山を
目指してがっつり歩いた。
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季節は早いもので、
ヨツバシオガマが咲き始めている。
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展望地。
一息いれるにちょうどいい。
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乳頭山の乳房部分が見えてきた。
花は、タニウツギが咲いていて、
ホバリングしながらそのタニウツギの
花の蜜を吸っているのは、
よくハチドリと間違える人もいるが
蛾だった。
わたしは蛾が苦手でして、
迂回するにも痩せ尾根でどうにもできず
しばらく蛾の食事待ち。
それにしても殆どの蛾は
口が退化してないのだが
このハチドリもどきは
長いストローのようなもので
長いこと蜜を吸っていた。
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尾根にでると
花の乏しいこのコースでも
ちらほらとかわいいのが出てくる。
これはアカモノ。
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北側、モロビのなかにポツンと一軒家は
田代平避難小屋。
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オノエランも咲き始めている。
漢字では尾上欄。
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乳房に引き続き
乳頭も見えてきた。
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ムシトリスミレが花盛りで、
これほどの群落のタイミングに
遭遇したのは初めてだ。
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今年はコバイケイソウと
よく出会う。
秋田駒で見るとあれは
ニョロニョロなのだと説明したくなるヤツ。
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イワカガミもフリフリ。
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森林限界を越えると
一気に夏めく。
平日で人もまばら。贅沢。
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いつもの分岐。
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チングルマはもう綿毛だ。
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累々と岩の道を行けば
山頂はすぐ。
今年、何度目だろう?
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到着。
秋田最高峰の男女岳も
日本最深の田沢湖も一望できる。
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岩手山はあいにく雲のなかだったが
三ツ石岳からモッコ、八幡平まで展望。
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眼下の登山道は
先々週に辿った道だ。
あちらもヤブ気味。
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山頂の柱状節理。
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下山は孫六コースへ。
こちらから上がってきた登山者が
滑って大変だった〜と嘆いていた。
下山は使いたくないから黒湯コースは
どうだったと聞かれる。
孫六よりはマシだと答えた。
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小屋で小休止。
とにかく暑い日で
塩分の効いた梅茶がうまかった。
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目の前の湿原には
ミツガシワやイワイチョウが咲いていた。
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木道沿いのモロビの下では
ズダヤクシュ。漢字では喘息薬種。
読んで字のごとく喘息の薬。
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高層湿原に夏の空を見ながら。
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ワタスゲも見られるとは
知らなかった。
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チングルマもここでは見頃。
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蟹場コースとの分岐。
積雪期は迷いやすい。
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さて、滑りやすい登山道に
取り掛かろうか。
きょうはリバーシブルグリッパー、
使っちゃお。
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滑りやすいのは稜線直下。
ブナ林にくればだいぶいい。
昼過ぎに下山。
帰りは駐車場まで、道路に並走するブナ林を
散策しながらぶらぶらと。
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