2023年4月22日芽吹きと岩めぐり筑紫森のご案内レポ

2023年4月22日芽吹きと岩めぐり筑紫森のご案内レポ

筑紫森(つくしもり)は
秋田市郊外にある392mの低山。
筑紫森岩脈の名前で国の天然記念物に
指定されている。

イワウチワやカタクリの群生も
見事な山なので
のどかな春の里山歩きとして
ガイドメニューに入れてみた。

標高も低く、
秋田市郊外というアクセスの良さもあり
意外にも申し込みが多かった。

入山前に、
ちょうど筑紫森が見える場所があるので
これからあの山頂を目指しますよと
軽い気持ちで指差したところ
ゲストの皆様よりどよめきが。

あんなとんがった山を登るの!?
まったり春山散策のつもりが
出迎えてくれた筑紫森の
とんでもなくトンがった山容に
ほとんどの方が軽く衝撃を受けたのだった。
そしてガイドのわたしはそんな皆さんの
筑紫森への反応に
軽く衝撃を受けたのだった。

秋田市在住の方達でも
マイナーな山は案外ノーマークなのである。

しかしその入り口に立つ標柱。
登山口でなぜかキリンである。
ふたたび皆さんにどよめきが起こる。

麒麟がくるのかこの山は。

麒麟についてはあまりに
想定外だったので説明できなかった。

とはいえキリンで和んで
とんがり山への緊張も霧散した。
スミレサイシン、タチツボスミレ、
テングスミレとスミレファミリーが出迎え、
その傍らでは
オクエゾサイシンがひっそりと
うつむいて咲いている。
クロモジの花も盛りだ。

いい山だねとのんびりとした会話とともに
ゆるやかに登っていき、
途中からはコシアブラに夢中になって
われわれは、裏参道分岐までやってきた。

目の前には岩がそそり立ち、
これこそが筑紫森。永い年月で
剥き出しになってしまった山の本体が
待ち構える。

ここ登るの?!と
再び出発時のどよめきが蘇るも
岩に手をかけ足をかけてみれば
そのスパイシーな登山道に
心は意外にもときめくもの。

天狗の油こぼしなど
きわどい岩を巻いて横臥柱状節理の道を
登っていけば、ぐんぐんと視界は高くなって
となりの岩谷山を見下ろすほどに。

やったー山頂!
こんな岩山のおかげで
山頂には標高のわりに高い樹木がなく
展望が良い。

背後に太平山地を展望し、
日本海を見下ろして
とんがり山の先端からの景色を堪能。

おりしもさっきまでの風も止む。

筑紫森はピストンする人が多いが
さきほどの岩道を
みなさん楽しまれたようなので
今日は8の字ルートにしましょう!

山頂をのっこして急斜面を降りる。
この先がイワウチワの群生地。
あいにく、今年は花も早く
先週までで花はあらかた終了。
それでも数輪、可憐なピンクの花びらが
われわれを待っていてくれた。

本日いちばんの急斜面。
慎重に降りていく。
コシアブラやリョウブが
ちょうど採りごろだが
さすがにここではそんな余裕はない。

念の為、
滑り止めのリバーシブルグリッパーを
靴に装着してもらった。
今日は岩も乾いていて
みなさん、安全に降りてこられました。

筑紫森は
かなり古い火山で
今のこの独特な山体は、
上昇してきたマグマが冷え固まって
永い年月で土などが削られてしまい
そのマグマが剥き出しになった姿。

せっかくガイドツアーなので
そのマグマを実感できるこのルート
是非ともお連れしたかったのだ。
ちなみに、これが三十三観音コース。
岩が濡れていると滑落しやすい。

住めそう、と覗き込めば
観音様がいらっしゃる。

もりだくさんなコースで
トクした〜とのことです。

とんがりフェーズを終えて
ちょうどお昼。
風が避けられる窪地があるので
そこでランチタイムに。

本日は餃子の蒸しコシアブラ添え。

下山は尾根道を。
みなさんが参加前に想像していた、
理想的な春山がここにあったようです。
ちょうどシュンランが見頃。
カタクリは葉っぱと実だけ。
ここはもう2週間早ければカタクリの群落が
みられる。
いつきても充実した気分になれる筑紫森でした。

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