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筑紫森(つくしもり)は
秋田市郊外にある392mの低山。
筑紫森岩脈の名前で国の天然記念物に
指定されている。
イワウチワやカタクリの群生も
見事な山なので
のどかな春の里山歩きとして
ガイドメニューに入れてみた。
標高も低く、
秋田市郊外というアクセスの良さもあり
意外にも申し込みが多かった。
入山前に、
ちょうど筑紫森が見える場所があるので
これからあの山頂を目指しますよと
軽い気持ちで指差したところ
ゲストの皆様よりどよめきが。
あんなとんがった山を登るの!?
まったり春山散策のつもりが
出迎えてくれた筑紫森の
とんでもなくトンがった山容に
ほとんどの方が軽く衝撃を受けたのだった。
そしてガイドのわたしはそんな皆さんの
筑紫森への反応に
軽く衝撃を受けたのだった。
秋田市在住の方達でも
マイナーな山は案外ノーマークなのである。
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しかしその入り口に立つ標柱。
登山口でなぜかキリンである。
ふたたび皆さんにどよめきが起こる。
麒麟がくるのかこの山は。
麒麟についてはあまりに
想定外だったので説明できなかった。
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とはいえキリンで和んで
とんがり山への緊張も霧散した。
スミレサイシン、タチツボスミレ、
テングスミレとスミレファミリーが出迎え、
その傍らでは
オクエゾサイシンがひっそりと
うつむいて咲いている。
クロモジの花も盛りだ。
いい山だねとのんびりとした会話とともに
ゆるやかに登っていき、
途中からはコシアブラに夢中になって
われわれは、裏参道分岐までやってきた。
目の前には岩がそそり立ち、
これこそが筑紫森。永い年月で
剥き出しになってしまった山の本体が
待ち構える。
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ここ登るの?!と
再び出発時のどよめきが蘇るも
岩に手をかけ足をかけてみれば
そのスパイシーな登山道に
心は意外にもときめくもの。
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天狗の油こぼしなど
きわどい岩を巻いて横臥柱状節理の道を
登っていけば、ぐんぐんと視界は高くなって
となりの岩谷山を見下ろすほどに。
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やったー山頂!
こんな岩山のおかげで
山頂には標高のわりに高い樹木がなく
展望が良い。
背後に太平山地を展望し、
日本海を見下ろして
とんがり山の先端からの景色を堪能。
おりしもさっきまでの風も止む。
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筑紫森はピストンする人が多いが
さきほどの岩道を
みなさん楽しまれたようなので
今日は8の字ルートにしましょう!
山頂をのっこして急斜面を降りる。
この先がイワウチワの群生地。
あいにく、今年は花も早く
先週までで花はあらかた終了。
それでも数輪、可憐なピンクの花びらが
われわれを待っていてくれた。
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本日いちばんの急斜面。
慎重に降りていく。
コシアブラやリョウブが
ちょうど採りごろだが
さすがにここではそんな余裕はない。
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念の為、
滑り止めのリバーシブルグリッパーを
靴に装着してもらった。
今日は岩も乾いていて
みなさん、安全に降りてこられました。
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筑紫森は
かなり古い火山で
今のこの独特な山体は、
上昇してきたマグマが冷え固まって
永い年月で土などが削られてしまい
そのマグマが剥き出しになった姿。
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せっかくガイドツアーなので
そのマグマを実感できるこのルート
是非ともお連れしたかったのだ。
ちなみに、これが三十三観音コース。
岩が濡れていると滑落しやすい。
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住めそう、と覗き込めば
観音様がいらっしゃる。
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もりだくさんなコースで
トクした〜とのことです。
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とんがりフェーズを終えて
ちょうどお昼。
風が避けられる窪地があるので
そこでランチタイムに。
本日は餃子の蒸しコシアブラ添え。
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下山は尾根道を。
みなさんが参加前に想像していた、
理想的な春山がここにあったようです。
ちょうどシュンランが見頃。
カタクリは葉っぱと実だけ。
ここはもう2週間早ければカタクリの群落が
みられる。
いつきても充実した気分になれる筑紫森でした。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2023/04/シュンラン.jpg)
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