【雨の日の登山】登山ガイドが選ぶ雨の日の山の魅力ベスト5!晴れの日とどう違うのかまとめてみました!

【雨の日の登山】登山ガイドが選ぶ雨の日の山の魅力ベスト5!晴れの日とどう違うのかまとめてみました!

雨の日の登山って楽しいの?

一部の修行系の人たちぐらいしかいないんじゃないの?

いいえ、雨の日の登山は晴れの日にはない面白さやメリットがあるんです。

雨に打たれて黙々と登る修行系イメージがありますが、むしろまったり系登山ができちゃうのも、むしろ雨の日だからこそ、かもしれませんよ。

ここでは雨の日と晴れの日と登山コースは、どのような違いがあるのか比較して雨の日のメリットとデメリットを洗い出します。

じつはこの雨と晴れの登山の「違い」を知っておくことが、雨の日にの登山を失敗しないコツなんです。

雨の日は登山者が少ない

雨の日は晴れの日に比べると、たとえシーズン真っ只中の人気の山でもぐっと登山者が少なくなって山頂ひとりじめ!なんてことも。

では登山者が少ないと、どんなメリットとデメリットがあるでしょう?

メリット :いつもは混み合う山域を静かに登ることができる。

デメリット:ほかに登山者がいないと心細くなる場合も。

静かな山が好きな人は雨の日の登山というのも、選択のひとつにしてはいかがでしょう。

またいつもは混み合う山小屋でも、雨の日なら比較的ゆったりとスペースが確保できたり、満室であきらめた人気の山小屋でもキャンセルで泊まることができたりします。

ただし刈り払いなどの整備が不十分だったり、道迷いしやすいコースの場合、まわりに登山者がいないとちょっと不安に。

これでは楽しむ余裕がなくなってしまいます。

静かな雨の山を楽しむなら、整備されたコースを選ぶのが無難です。

雨の日は展望がないけれど植物が映える!

雨の日のを見上げたことはありますか?

晴れの日や曇りの日に比べると、とても低い場所に垂れ込めていますね。

雨の日の山はこの低い雨雲のなかにすっぽりと覆われていることがほとんど。

こうなると晴れていれば見えるはずの展望も叶いません。

がっかりです。

けれどこんな雨の日にも意外にもメリットがあるんです!

メリット :足元の植物や地質などの観察に集中できる。

デメリット:植物や地質に興味がなければ山の楽しみが減る。

あなたには展望以外に山の楽しみがありますか?

植物や地質などに興味がある人なら、展望のない日でもそれなりに充実した1日が過ごせそうですね。

たとえばサンカヨウという花。

雨に濡れると花びらがガラス細工のように、美しく透き通るので雨の山での人気者です。

足元のコケをのぞき込めば、コケの「花」に相当する「胞子」がいっせいに伸びている様子を見ることができるのも雨の日ならでは。

コケの胞子たちをルーペで覗き込めば、種類ごとに独特な形をしているので驚かされます。

コケ女と呼ばれるコケ好きな女性たちの気持ちが、ちょっと分かるかもしれません。

雨の日はレインウエアの点検日になる!

最後にレインウエアを着たのはいつですか?

ザックのレインカバーは使ったことはありますか?

なかには買ってからレインウエアをほとんど着たことがない、という人もいますね。

レインウエアを着なければならないほどの雨を体験することで、思わぬメリットがありますよ。

メリット :レインウエアなどの雨具の不具合に気づくことができる。

デメリット:夏は特に暑い。雨具の不具合によっては撤退することも。

あえて雨の日に登ることで、レインウエアなど雨具の不具合を発見したり、蒸れないためのレイヤリングの工夫を学習できたりと、ちょっとしたスキルアップにつながります。

レインウエアの不具合の代表的なものといえば、撥水性の低下

急な降雨や長期縦走のときなどに、困った状況にならないためにも、ときどきチェックをかねて雨の日登山をしてみましょう。

またウエアのレイヤリングも登山では重要なスキルのひとつ。

特に夏の雨の日はレインウエアを着ることで暑くて汗をかきやすくなります。

汗でウエアが濡れると、たとえ夏山でも低体温症のリスクが高くなりますし、なにより不快ですよね。

ドライレイヤーや速乾性の高いウエアなどを選んで、レイヤリングの工夫をしてみましょう。

ただし、雨の日は思わぬリスクも高まるもの。

登るなら何度か登ったことのあるリスクの低いコースにしましょう。

雨の日は滑りやすいのでスキルアップになる!

晴れて乾いた足元なら、登山靴の靴底がしっかりと地面や岩をグリップしてくれるので、わたしたちは安心して登山に集中できますが、雨の日はそうは行きません。

濡れて滑りやすくなった登山道を、恐々と登るメリットはなんでしょう?

メリット :登山の経験値が上がる。

デメリット:転倒や転落などのリスクが高まる。

いつもは何気なく歩いている岩や木道は、雨の日には濡れてとても滑りやすくなってしまいます。

知らずにいつも通りに歩いていると、つるりと足が滑って腰を打ったり、とっさに着いた手首を痛めたり。

怪我によっては遭難になりかねない危険が潜んでいます。

けれど滑るのが怖いからと避けているのは、ちょっともったいないかもしれません。

こうした難所を歩く経験が、登山スキルを高めてくれるのです。

濡れた岩や木道にさしかかったら、注意して足を置いてみて、どのくらい滑りやすいのか確認しましょう。

足裏全体を乗せたとき、つま先だけを乗せたとき、靴のエッジだけのときなど靴裏の角度を変えて力をいれてみましょう。

こうすることで滑りにくい着地方法が見つかるはずです。

 

どうしても滑るのが怖いという方は、木道用の滑り止め器具を購入するのもいいでしょう。

モンベルのリバーシブルグリッパーなら、取り付けも簡単でかさばらず、お値段も1600円ぐらいです。

また滑りにくい靴底を開発しているのがモンベル。

その靴にはトレールグリッパーという、従来の登山靴よりも1.5倍以上の摩擦力のある滑りにくい素材が採用されています。

さすがは雨の多い日本のメーカーらしい着眼点ですね。

雨の日は蚊や蜂、アブが減る!

これについてはメリットしかないでしょう。

雨で羽が濡れるのを避けて、こうした虫たちのほとんどは雨の日はあまり活動しません

ただし雨粒が当たらない軒先や大木の下などは、湿気を好む蚊にとっては大好きな場所。

こうしたところで休憩するときには、耳や頭などレインウエアから出ている部分に虫除けスプレーを忘れずに。

そして雨上がりには、隠れていた蚊がいっせいに活動をはじめ、ちょうど雨具を脱いだ登山者は
恰好のターゲットに。

油断せずに虫除け対策を行いましょう。

暑くなければ虫刺され予防のために、レインウエアを着ているのも有効。

さすがにレインウエアの上から血を吸う蚊はあまりいません。

夏場はレインウエアのほかに、薄手のウインドブレーカーがあるととても重宝します。

レインウエアでは暑いときに着ることで、虫刺され対策にはなりますよ。

虫除けスプレーはお手製がお得です

夏の登山で手放せないのが虫除けスプレーです。

汗でどんどん流れてしまうので、こまめにシュッシュとやらないといつのまにか痒い〜なんてことも。

けれど虫除けスプレーってひんぱんに使って肌に大丈夫なの?

そんな心配をしたことありませんか?

じつは虫除けの成分にはディートという化合物が用いられています。

これが頼もしい有効成分なのですが、肌荒れやアレルギー、なかには一部にでありますが神経性毒性も確認されたとのこと。

多用するにはちょっと不安かも。

そんなときは手作り虫除けがおすすめです。

簡単に作れてリーズナブル。

ハーブを使うので安心ですし香りが爽やか!

こちらの記事から作り方をチェックしてくださいね。

オニヤンマ君使ってますか?

最近の登山者にブームなのが、オニヤンマの大きなマスコット。

マスコットというにはとてもリアルでむしろコワイ。

これなんだかわかりますか?

アブ避けなんです。

アブの天敵がオニヤンマ。

そこでオニヤンマのリアルマスコットをザックや帽子にくっつけていれば、アブが怖がって近づかない、そんな効果があるのだとか。

なかには蚊避けに使っている人も見かけますが、蚊にはあまり効果はありません。

たしかにトンボは蚊の天敵ですが・・・。

一時はこのオニヤンマ君、人気すぎて品切れになることも。

けれどわざわざこれをぶら下げなくても、黄色と黒の縞模様があれば効果は同じのようです。

昔の山仕事のひとたちは、オニヤンマ君ではなく黄色と黒の縞模様でお馴染みのこのトラロープを下げていたようです。

実際アブに悩まされていた知人は、これを家の中に何本かぶら下げたらアブが入ってこなかったと検証しております。

トラロープじゃちょっとオシャレ感ありませんが、沢沿いの登山道などアブがいる場所で試してみてはいかがでしょう?

詳しくはこちら記事をどうぞ!

なにかと重宝する極薄アウター

山歩きは氷点下の冬ですら暑いもの。

雨が上がればたとえ虫除けだとしても、こんな暑いものは脱ぎ去りたいですね。

そんなときに重宝するのが、極薄のウィンドウブレーカー。

たためば手のひらサイズ、重さも100gを切るものもあります。

洗濯も簡単ですぐ乾きます。

こちらの記事でご確認くださいね。

まとめ

雨の日登山の特徴をメリットとデメリットで紹介しました。

わたし個人的に考える雨の日の魅力は、なんといっても静かに山に浸れること。

登山者が多くて騒々しい人気の山も、雨が降れば一変して本来の山の静寂を味わうことができます。

晴れていれば、登った山ではなく、他の遠くの山々ばかり見て帰ってきますが、雨で展望がなければあらためてその山域の風景に目が向きます。

ちょっと違う視点が持てることが、雨の日の登山の大きなメリットかもしれませんね。

 

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