2012年7月21日 九階の滝下部へ(前編)

NO IMAGE


森吉山の東、赤水渓谷を経て初めて九階の滝を
「展望台」から眺めたのは2008年の秋のこと。
はるか眼下に、落差150m近い大きく
優雅な滝が広がっていた。
そこは森吉の秘境中の秘境。
地形図には名前さえ記されておらず、
登山者の目に触れるようになったのは最近のこと。
ましてやその下部まで降り立ち、間近で仰ぎ見ることは
ごく一部の人間にしか許されない領域だった。
この滝を求めて多くの遭難者が出ており
中には未だに戻らない人もいる。
そういう背景もあり、
ブログにアップするのはどうしようかとも
躊躇したが、すでにちらほらと記事があり
またテレビや雑誌でも取り上げられているので
いいか、と判断した。

本日、九階の滝の下部まで下降する。
早朝4時30に横手を出発し
森吉山野生鳥獣センターそばの車止めから
7時50分にスタート。

大きく立派なトイレ小屋を回ると、ブナの森。
早朝のグリーンシャワーを浴びながら
沢にかかる橋を渡る。
雪の重みで大きくたわんだ橋は、たもとに
「ひとりずつ急いで渡ってください」とのこと。
団体が知らずにいっぺんに通ったらひとたまりもなさそうで、怖い。

早朝のブナの森は凛として清々しい。

木道の両脇の植物は一様に泥を被っていた。
どうやら数日前の大雨のとき、
この一帯を相当な水が流れたようだ。

8時35分、赤水沢分岐。
まっすぐ行けば桃洞の滝。本日は赤水渓谷玉川縦走コース方面へ。
ここでスパイクなが靴に履き替える。

ナメ床の沢を横切って対岸に着くと、
おいしい水場がある。
岩清水で、やさしい味だ。

いったん、沢からあがる。
樹の根がうねる、ほぼ平坦な道を
左に沢を見ながら10分ほど進む。

やがて道は白い砂地に出て、ここから沢歩き。

早い時間だからか、物好きが少ないからか
誰もおらず静か。

コアニチドリが終盤ながらも、可憐に岩肌に咲いていた。

イワショウブもひょろりと登場。

こちら水場。沢沿いの岩から流れ出ている。
このコースはあちらこちらに湧き水がある。
歩いている沢底からもよく見れば、水が湧き出ている。

広い!ゴーロ歩きもなく視界は広く
快適そのもの。

期間限定のナメ滝?

ときどき落とし穴などもある。
ひとまたぎで越えて行く。

岩の一面をキンコウカの群落が
縁取っていた。夏だ。

階段状のミニ滝。甌穴の滝。

その滝を左から越えて行く。

甌穴。ドボンしたくないけれど
はまるのも楽しそう。

9時28分。赤水沢分岐から一時間弱。
左側に枝沢がありここから、九階の滝方面へ分け入って行く。
地形図で言えば、ピーク799.2mの方向。
4年前はなかった赤テープが下がっていた。

一休みし、ハーネスを装着し
ヘルメットを被って身支度を終えたら出発。

最初の難所。
ナメ滝の右側にザイルを張って越える。
久々に八の字結びをして、トップロープで。
ところで、なんとこんなところに
トラロープがフィクスしてあった。
よく見ればそのロープにはほころびも出来ている。
トラロープは登攀に耐えられるようには出来ていない。
また、ザイルも持たない装備不十分な人が、
ロープがあるからと
登って来たらどうするつもりだろう。。。

登りきったところで沢を辿るのだが、
倒木と崩れた土砂で埋まっていて
これらを踏んで進む。

きれいなナメ床が現れる。
脇のブッシュに捕まりながらひょいと越える。

まもなく沢から尾根に上がる。
なんと、きれいに刈り払われていて
踏み跡どころか、立派な登山道が出来ていたのには
驚いてしまった。
4年前は薮をかき分けたものだが、やや興覚め。。。
今日はがっつり薮こぎのつもりで
張り切ってたのに。

10時10分、稜線に出て間もなく目印の大川ブナ到着。
ここからは九階の滝は見えない。先へ少し行くと
展望場所があり、滝の上部がよく見える。

本日はここから滝の下部に向けて
急斜面を下降していく。行きが下りという、いつもの山歩きの逆だ。
ところで、
なんと、この下降ポイントにも
トラロープがあったのには呆れてしまった。
装備も持たないような初心者が、この先へ行ってしまったら
どうするつもりなのか。

トラロープに唖然としながらも、気を取り直して
我が道を降下する。
ここはザイルなしで、ブッシュを利用して降りて行く。

ほどなく仲良し三本ブナ。

途中「正常ルート」からそれた尾根筋方向へ
赤テープと刈り払ったルートが伸びていたが、
我々は正規のルートへ。
降りた沢を進むと、緑のトンネルの向こうで
急に足下がなくなる。

沢は急に切れ落ちて滝となっており、
脚がすくむ。怖いけど楽しいポイント。

この滝は直接降下せずに、その脇、左側の
ブッシュから降りる。

樹に支点を取って、降りる。
師匠は肩がらみでサクサク降りて行く。
「ちょっとハングあるからね~」とのこと。
楽しそう。

肩がらみは苦手なので、私はエイト環で懸垂下降。

降りてきたところを振り仰ぐ。
まだまだ下降は続く。

足下にはショウキランが。

支点を取って
さらにブッシュの中をザイルで下降。

降りたところを振り返る。

横を見ると巻いた滝がある。

ここを降りると最初の下降が終わる。
30mザイルでちょうど。
このブッシュの下は岩となっている。

雪渓が残る沢に降り立つ。
ザイルはこのまま張っておいて登り返しに
回収する。
ふと振り返ると、我々が降り立った地点の脇の
崖の上に、さきほど「正規ルート」と分岐したルートの
出口らしき赤テープと、
フィクスされたトラロープが下がっていた。

雪渓が残る沢。
ここから様ノ沢との二俣をめざす。

わーい。
雪渓をくぐるのはこれが初めて。
(続くのだ)

沢登りカテゴリの最新記事

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。