2014年4月27日 羽後朝日岳へ一泊山行~後編

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夜中にテントを抜け出せば、星々が思いのほか大きく
一瞬、星座の形が掴めないほどだ。
テント泊は何だか楽しくて眠れない。そのうえ昨夜は、
銀マットの下からしんしんと伝わってくる冷気に
なかなかシュラフが温まらず、うとうとしたまま朝を迎えた感じだ。
朝まであと少しという時、着込んでいたダウンを脱ぐと
ようやくシュラフが温まり始めた。シュラフでは寒いからと言って
あまり着込むと、体温が羽毛に伝わらないようだ。
4時にセットした目覚ましでシュラフを抜け出し、
防寒着を着込んで、沢尻岳山頂へ登った。
沢尻岳は見晴らしが良く、東には細い月と星が
夜明け前の赤い空に、のんびりと白く浮かんでいた.
少しずつ昇り始めた朝日は、空にたなびく細長い雲を染め、
やがて羽後朝日岳をも赤く染め始める。
雪を溶かして湯を沸かしながら、
刻々と変化していく朝の色彩を楽しみ、身支度をする。
テントはこのままにして、アタックザックに最小限の荷物を詰め、
コーヒーとパンで簡単な朝食を取る。
5時30分。気温は6度程度。羽後朝日岳を目指して
テントを出発した。
雪はキックステップが楽に刻める程度に締まっている。
大荒沢岳を目指す途中で、朝日と沢尻岳、その横のモッコ岳を
振り返る。朝日を浴びる雪山は、とてつもなく美しい。
奥には和賀岳。
6時10分、大荒沢岳。
その向こうに羽後朝日岳。2012年6月に来たときは
灌木と薮に阻まれて、とても行けそうになく断念した。
本日このシーズンは、行く手を阻む灌木も薮も
あらかた雪の下。
羽後朝日岳を目指すには、無積雪期ならば部名垂沢を遡行し、
積雪期ならば、雪を渡っていくしかない。
その姿の良さもさることながら、
容易に人の足を踏み込ませない無垢さの、なんとまあ魅力的なことか!
大荒沢岳直下は、かなり灌木も出ており、
日が高くなればおそらく、雪も緩んでさぞかし歩きにくくなるだろう。
上の写真は大荒沢岳直下から、沢尻岳。
大荒沢岳とのコルを過ぎると、雪面にはクラックが目立つ。
クラックと和賀岳。
しつこいようだが、和賀岳。
6時57分、和賀岳に見ほれながらも、
羽後朝日岳山頂まであとひと登りだ。
7時8分、久々の羽後朝日岳山頂。
生保内川の源流でもある。
部名垂沢から詰め上がり、灌木をかきわけるコースは
あちら。今は整備されていない登山道がうっすらと、
手前の山腹に確認できる。
しつこいようだが、和賀岳と記念写真。
眺望を楽しんだら、雪が締まっているうちに下山。
たった1時間かそこらのうちにも、
日差しと気温の高さで、早くも雪は緩み始めている。
写真は手前に大荒沢岳と、
小ピークを挟んで沢尻岳、モッコ岳への稜線が連なる。
羽後朝日岳を源流とする生保内川が、ここから深い谷を刻みはじめる。
沢はまだ雪の下だ。
大荒沢岳から右に沢尻岳、奥にモッコ岳。
今度はモッコ岳を目指そうと
そのルートとなる稜線を辿ってみる。
途中、3人のグループとあいさつを交わす。
本日の登頂者はこのグループと我々のみか。意外に少ない。
秋田駒ヶ岳。美しい外輪に抱かれるように女岳。
噴火で流れ出た溶岩跡が確認できる。
その奥に男岳、男女岳も見える。
9時にテントに戻り、テントを撤収しながらコーヒーを煎れ、一息入れて
10時7分、重い荷物をかついで下山に取りかかる。
沢尻岳直下の一枚バーンは適度な斜度で
気持ちのいいシュプールを描ける。
一カ所、スキーを外して夏道を歩く。
可憐なヒメイチゲが、カタクリのかたわらで咲いていた。
下山は夏道を使う。
途中からスキーを担ぐことを考えると
整備された道のほうが遥かに楽なので。
12時ごろ、新郡界分岐。
 
クロベがブナに混じり始めるあたりで
雪は途切れた。痩せ尾根の急斜面なので
私はとうにスキーは担いでいるが、スキーが上手な人ならここまで
林間スキーを楽しめるだろう。
地元山岳会の方が一人登山道の状況確認で登って来た。
残雪を使った羽後朝日岳シーズンも終わりか
思いのほかこの週末は混まずにすんだ。
一泊装備にスキーをくくり付けたザックはかなり重い。
そして足は兼用靴なので、一歩一歩を慎重に運ぶ。
イワウチワは見頃。
12時30分、2年ぶりに「どすこい」の木。
13時頃、登山口。
ここでしばしコーヒータイム。
あとは延々と林道を歩く。
3カ所徒渉があり、うち一カ所が雪解け水で結構な水量と川幅。
石を伝って行くこともできない。
もう帰るだけなので、ばしゃばしゃと兼用靴で横切ったが
これから登る場合は、靴を脱ぐなりの対応が必要だ。
昨日は咲いていなかったキクザキイチゲがあちこちに咲いていて
春の力強さに驚きながら長い林道を歩く。
14時、クルマに到着。
銀河高原ホテルで二日分の汗を流して帰路についた。
温泉は大人600円。

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