
アスピーテラインが横切る八幡平ピークの南側、
畚岳、諸桧岳、嶮岨森を縦走し、松川温泉へ下りるコースを
歩いて来た。爆弾低気圧が抜け、ようやく垣間みる青空である。

八幡平から松川温泉に下りて来て、その後どうやって帰るのか。
単独行ならばバスを使う。
ルートとしては松川温泉を起点に大深岳から
八幡平バス停へと縦走する。
藤七温泉バス停発14:54で、松川温泉着15:18のバスがある。(2015年秋現在)
標準コースタイムで6時間40分(休憩時間を除く)なので、早朝に出発すれば帰ってこられる。
大深山荘に一泊できるならば、逆に八幡平方面から入り、朝10:33松川温泉発のバスに乗れば、畚岳登山口でもある藤七温泉に10:56着。
その逆もできるだろうけれど、あいにく手元にあるバス時刻表では松川温泉着のバス時間が分からなかった。
が、本日は交差縦走。松川温泉に1人落とし、私はそのまま樹海ラインをクルマで上がり、畚岳登山口にクルマをデポして入山。
松川温泉から登って来たもう1人にクルマのキーを渡して私は松川温泉へ下山するという作戦。

松川温泉の登山口では晴れていたが、標高があがるにつれガスの中。風も強く、体感温度が低い。
慌てて風よけにレインウエアを着て、フリースの手袋をした。
8:17、畚岳登山口から入山。ちなみに藤七温泉からも畚岳へ行ける。
バス利用ならば、藤七温泉にバス停があるのでそちらが便利。
ただし、畚岳登山口のほうが10分ばかり時間短縮になるようだ。

8:35、畚岳分岐。
登山道から200mほど行けば山頂だ。
天気がよければ360度の展望が楽しめるようだが、本日は、その畚岳すらガスの中。

5分ほどで山頂に到着。
当然、ガスで視界はきかず。風も強いので早々に引きかえす。

ガスはすこしずつ晴れてきた。
緩やかな登山道の向こうに諸桧岳が見えてくる。
終わりかけの紅葉が、笹薮の合間に鮮やかだ。
黄色い草紅葉に縁取られた池塘もちらほら見え、心が弾む。

9時、登山道脇の池塘を通過。名前は分からず。

登山道は緩やかに登りに。
石の登山道は、さながらゴーロ歩き。

振り返ると、さっきまでガスの中だった畚岳が姿を表している。
山頂に数人の登山者がいて、さぞかし見晴らしがいいだろう。

9時23分、真っ平らな笹の登山道に差し掛かった頃ぽつぽつと降ってきた。
雨かと思ったら小粒のアラレだった。

9時28分、諸桧岳。のっぺりと平坦すぎて山頂の実感がまるでない。

諸桧岳のなだらかな地形をだらだらと下りて行く。
さきほどパラッときたあられは一時だけで、風が強いだけである。

手前に前諸桧のピーク1481。
彼方に岩手山。
重く雲が覆っているが、下界は晴れているようで、標高の低いあたりの紅葉に日が差しているのが見える。

諸桧岳、なんて名前の山があるくらいなので登山道脇にはモロビが多い。
独特の甘い香りが心地よい。

9時58分、石沼。
諸桧岳と前諸桧のピーク1481の鞍部にある。
名前の由来は、沼に点在する石を見ればなるほどと納得する。

10時12分、前諸桧。
諸桧岳から下りてきた者にとっては後諸桧である。

前諸桧を下って登り返せば嶮岨森だ。
その先には大深岳へとなだらかな稜線が美しい。

シロモノの実。

ツバメオモトの青い実。

嶮岨森が近づく。
ここから見れば、結構な登りに見える。

が、実際歩くとあっけなくピーク手前に辿り着くので少し拍子抜けした。

コケモモの実が、岩の隙間にびっしり。
食べるとまだ酸っぱかった。

手前の尖った岩場がピークかと思ったら、嶮岨森のピークは奥の方だった。
大深岳の方面を見れば大深山荘の茶色い屋根が見える。

10時30分、嶮岨森。
三角点がある。

その眼下に鏡沼。
嶮岨森を少し下ったところで、松川温泉から登って来たTさんと交差。
クルマの鍵を渡す。
聞けば大深岳の稜線は風が強いようだ。
山頂を巻いて下山するコースが良いだろうとのこと。

小川にかかる橋を渡れば大深山荘。
11時27分到着。
ランチにちょうどいい時間だ。
大深山荘はまだ新しく、そしてこまめに手入れがされていてとてもきれいだ。
一階には、土間を挟んでこじんまりとした板の間が左右にある。
2階もある。三ツ石山荘をこじんまりとしたイメージだ。
ストーブなど暖房器具はない。
入ると、パトロールの男性1人と、今日の登山者が7、8人ほど昼食中だ。
昼食が終わった人から場所を譲ってもらい、湯を沸かしてカップラーメンで冷えた体を温める。
コーヒーを淹れているうちに、他の登山者は雨具を着込んで出発していった。
妹が作ったザッハトルテなる、つまりはチョコレートケーキをじっくりと味わいながらのんびりしたかったのだが、若いパトロールの男性が
「自分が最後に掃除して行きますから」
とのことだったのでさほどのんびりもできず、私も出発する。

12時5分。小屋を出発。風の音は止まないが、雨はない。
小屋前から、山頂方面とその山頂を巻いて下山するコースが分岐する。
私は山頂をパスしてまっすぐ松川温泉へ下って行くとする。

こちらは初めて歩く。なだらかな草紅葉がきれいだ。
大深山荘の水場はこの下にある。
看板には水場3分とあった。

木道が滑りそうでゆっくり来たので、3分では着かなかったが
本当に近い。
水はふんだんに注いでいた。
この先で後から出発したパトロールの男性に追い越される。
歩き慣れたコースのようで颯爽とした様子だ。
途中、この男性に何度か追いつくがどうやら登山道の倒木を処理しながら下山しているようだ。
おかげでこのコースは全体に、本当にストレス無く歩くことができる。
あとはひたすら下るだけ。
雨に濡れた登山道はよく滑る。

標高が下がるに従い、あるいは時間が経つにつれ天気が上がって来たようだ。
しかし風はあいかわらず。
岩手山を正面に見ながら。

立派な樺があったので一枚。

12時44分。山荘と山頂の分岐。

樺の登山道。下るほどに紅葉が見られる。

あちらは三ツ石山。
山頂の岩が見える。

13時。水場。
水は豊富に流れている。
濡れた登山道は歩きにくく、登山者の下山の足がゆっくりとなる。
なので、下山の足が早い私はどんどん先行者を追い抜かせてもらった。

下に青く上倉沼があるのだが、なんと今日はきれいな虹が見事なアーチを架けていた。
紅葉と、青い沼と虹の七色がきれいでしばらく立ち止まった。

日は射したり、陰ったりめまぐるしい。
雲の流れが早いのだ。

13時21分。丸森川。
三年前、くの字に折れていた橋は既に撤去されたようだ。

ブナシメジ。
これしかなかったので、撮るだけ。

その奥に今年初物のナメコ。
これしかなかったのでこちらも撮るだけ。
さがせばもっとありそうではある。

13時51分。登山口が近い。

13時55分、登山口到着。
ケータイが繋がるので、畚岳登山口へ向かっているTさんへメールすると
あちらもクルマに到着したとのこと。
このすぐ下の峡雲荘で落ち合い、温泉で冷えた体を温めた。
日帰り500円なり。

昼ご飯を食べたはずだが、ひざびさのガッツリ歩きで猛烈にお腹が空いてきた。
16時ラストオーダーの道の駅にしねに滑り込み、グリーンカレーをオーダー。
盛りっぷりのいいカレーを余裕で平らげた。
がっつり歩いたあとなだけに、満腹感が実に清々しい。



