かなり昔、八幡平から松川温泉へ
源太ケ岳を経由して下ったことがある。
あの日は曇天でせっかくの景色が
まったく見えず
そのうちもう一度と考えていた。
梅雨明けの晴天狙って小屋泊まりで
八幡平〜三ツ石山を縦走してきた。
裏岩手縦走コースとして人気の
コースでもある。
時間と体力ある人は
三ツ石山を越えて
さらに岩手山の高みを目指すのだが
あいにく片付けたい仕事もあり
がっつり縦走は次回へもちこし。
今回は八幡平〜畚岳〜諸桧岳
〜嶮岨森〜大深山荘
〜源太ケ岳〜大深山荘泊まり
〜大深岳〜小畚山
〜三ツ石山〜松川温泉
のルートで。
ルート詳細はこちらYAMAPで。
松川温泉からバスで八幡平へ
盛岡方面から松川登山口駐車場に
到着すると、こんな感じ。
松川荘への下りの道が左手にある。
このまままっすぐ行けば、
バス停のある峡雲荘。
駐車場には水栓トイレがある。
紅葉シーズンは朝5時ぐらいから満車。
そのときは、駐車場を通り過ぎて
まっすぐ地熱発電のほうへ下っていくと、
駐車スペースがある。
三ツ石山への登山口にはこちらが近い。
暗いうちに横手を出発。
松川温泉の登山者駐車場は
平日金曜日とあって駐車は一台のみ。
ここにクルマをデポし
シーズン中のみ運行の
アスピーテ樹海ライン循環バスで
八幡平頂上を目指す。
峡雲荘の前にバス停がある。
8:30分のバスで八幡平に9:05着。
これを逃したら
次は10時台しかない。
八幡平頂上まで500円ちょっと。
途中の藤七温泉で降りてもいいが
藤七温泉から畚岳へのコース状況が
わからず、そしてそのコースが
使えない場合は、
藤七温泉から登山口までは
登りになるのがヤなので
八幡平まで行った次第。
バス停は峡雲荘の前にある。
ちなみに松川温泉は
シャワーがないので
洗髪したい人は要注意で。
シャワーどころか
洗い場は水がでる蛇口だけ。
温泉成分ですぐにダメに
なってしまうとのこと。
なんだかとても効きそうな泉質。
八幡平でバスを下り、
レストハウスをのぞいたり
展望デッキで浮かれたりできるのも
今日の行程は小屋泊まりの
のんびりタイムだから。
いいですね。余裕ある山歩き。
登山口まで、樹海ラインを
藤七温泉方面へ畚岳など
眺めながらしばらく下る。
やがて登山口に。
駐車スペースはこんな程度。
このちょっと下に同じくらいの
広さのスペースがある。
畚岳〜諸桧岳
9:40ごろ縦走スタート。
展望よく森吉山までくっきりと。
最初のうちは
登山道はこんななだらか。
まずは一座目の畚岳1577m。
ここで標高1460ぐらいなので
100m弱で山頂だ。
登山道は途中から、こんなふうに。
石がごろごろで歩きにくい。
ザックは途中でデポして
空身で山頂。
三角点だけあって見晴らし良好。
畚岳をくだって
ハイマツ帯をなだらかに。
めざすモロビ岳のモロビとは
アオモリトドマツのこと。
景色いっぱい黒々とした森が
そのモロビの群落だ。
独特の甘いお茶のような香りが
一帯に漂う。
畚岳と諸桧岳の途中には
いくつかの沼が点在する。
ところで
なだらかな稜線歩きのこのコース、
登山道は石ころだらけで
なかなか歩きにくい。
諸桧岳手前のだだっ広い稜線。
左右は笹に覆われている。
ここをぬければまもなく今日の2座目の
諸桧岳。
11時ちょい過ぎ、諸桧岳。
きた道を振り返ると
畚岳がよく目立つ。
諸桧岳から劍岨森
ゆるく下っていく。
斜度は優しいが足元は
相変わらずのゴーロ歩き。
11:35、石沼。
名前の通り、広い沼に石が点々と
まるで庭園のよう。
まわりは笹だらけで
標柱はクマによってボロボロ。
だがお腹もすいたし
沼の景色もいいのでここで一息。
今日はトンボが多い。
そしてきょうは
ずっとアブが同行してくれている。
できればオニヤンマに
同行願いたいのだが
トンボしかおらず、彼らは
アブには見向きもしない。
ゴーロを少し登る。
12:15前諸桧。1481。
アップダウンはあるものの
このコースは基本下りだ。
久々の一泊装備にはありがたい。
ここから100mちょっと下って
60mほど登り返せば劍岨森だ。
あの右のピーク。
奥のなだらかな稜線は
源太から大深岳への稜線だ。
ヨツバヒヨドリの
シロバナと通常色と。
劍岨森へ下っていくべ。
シュッとして
なかなかかっこいい。
劍岨森登りの途中で
きょうの宿が見えてきた。
あそこまで行けばと思えば
とても気がラク。
劍岨森の岩の山頂部。
一帯は火山帯であることを
思い出させてくれる。
三角点。
標高1448mなり。
あとはのんびり展望のよい
尾根を行けばきょうの行程は終了という
なんと気楽で贅沢なこと。
劍岨森から大深山荘、源太ケ岳
ときどきダケカンバの
アート回廊。
一年の半分は雪のなかなんだろうな。
鏡沼が登山道から見下ろせる。
名前の通り、空を映す鏡となっている。
この橋が出て来れば
小屋はもうすぐ。
かなり前に来た時も壊れていたが
まだ壊れていた。
むしろまだあることに感心する。
14:00、小屋。
見れば窓が開いているので
今日の宿泊者がいるのだろう。
平日なので優雅にボッチ泊まりと
思っていたので、ちょっと残念。
大深山荘はこんなトコロ
あそこは出るよという話も
チラホラ聞くが、
こんなキレイで水場もあるいい場所、
泊まらないのはもったいない。
ボッチ宿泊で「出た」ら
ドキドキヒヤヒヤするの
めんどくさいなと思いながらも
そもそもじぶん、
霊感もないしなと開き直った。
やたら元気なおっちゃんがいた。
宿泊者のスペースを仕切っていて
最初はうざいなと感じたが
どうやら面倒な人ではなさそうで
ちょっとほっとする。
おっちゃんのおかげで
このスペースに1人、
寝ることができた。
トイレはバイオトイレ。
洋式便座。キレイ。
小屋の周辺にはベンチがあって
暑い日など外で晩ごはんもよさそう。
バルコニーにはテントひと張りは
余裕でできそうなスペースがある。
備え付けのサンダルもあり。
水場について
小屋から3分ほどで水場がある。
しかもこんな「ハウルーッ」と
叫びたくなる草原にある。
まだ時間もあるし
いっそ三ツ石小屋まで行こうか考えたが
例のおっちゃんの話では
三ツ石のほうの水場は今日は
枯れ気味のようだ。
あちらは4〜5日も雨がないと
水の出が悪くなるとのこと。
一方こちらの水場は湧水で
キンキンに冷えた水が
常に豊富に出ている。
水を確認してから
日没前に源太ケ岳を往復してくる。
源太ケ岳往復
水場の周りは花が豊富で
エゾツツジがまだ咲いていた。
こちらムシトリスミレ。
アオモリトドマツの
実も今は見頃。
源太まで1時間ぐらい。
往復で2時間。今日は時間はたっぷり。
さすがに誰とも会わない時間。
夕暮れ近い時間に
展望の山頂を独り占めで
コーヒータイム。
ハイマツが多いので
その実が好物のホシガラスが
忙しく飛び交う。
雲が濃くなってきたので
ぼちぼち帰るか。
ゆるやかな稜線を山小屋へ。
今日の宿泊者はわたし含め7人。
2階建なので余裕のスペース。
ほとんど単独か2人連れなので
日没とともに誰ともなく就寝。
ありがたい。
夜は冷え込まず、虫もいなく
寝心地よかった。
3時ぐらいに起き出すと
空は満天に星がひしめいていた。
小屋の窓からの夕暮れ。
グッナイ!
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