
少し気温が緩むと、昨日まで真っ白だった真昼岳は
みるみる地色が剥き出しになってくる。
急峻な山肌は春が待ちきれないと言わんばかりに
豪快な底雪崩を起こして、
ばっさばっさと冬を脱ぎ捨てていくようだ。

くらさんの真昼岳情報ブログを覗いたら、
赤倉登山口の状況が記されていた。
南沢沿いに付けられた夏道は、まだ雪崩の危険があり
赤倉山の尾根を辿って登山できるようにと、
竿を刺しているとのこと。
あわよくば間近で大規模な春の雪崩でも見られるかもと、
この日曜日は、無性に真昼岳に行きたくなった。

車は大鳥居まで。8時15分出発。
林道は山スキーでも使えたらと思ったが
残雪はまだらで、仕方なく歩いていくことに。
途中、林道にデブリ。
林道脇の斜面の雪は全部落ちていて
雪崩の危険はなかった。

8時40分ごろ、登山口着。
湧き水で喉を潤して、衣類調整をして8時50分出発。
小川を越えて、580mピーク、
赤倉山の尾根にすぐに取りつこうかと
考えてきたのだが、
見上げると雪の消えた尾根は結構、急。
そしてくらさんのルート旗は夏道ルートに誘っている。

沢沿いの未だに雪に覆われた夏道をしばし、進む。
両側に迫る山の斜面の雪は落ちていて、
雪崩れの心配はなく
ルート旗は、その安全を確認して付けられている。
やがてルート旗のバッテン。
ここから夏道を逸れて尾根に上がる。
この先の夏道は雪崩の危険がある。

15分弱で尾根に出る。標高450mあたり。
雪が消えて間もない斜面は
薮も濃くなく登りにくさはなかった。

本日、期待していたイワウチワ。
まだほとんどが蕾だった。

9時50分。ピーク580m。赤倉山。

赤倉山の細長い山頂を抜けると、
気持ちよく開けたポイントを横切って
夏道に合流する。
いつのまにか杉林が終わり、ブナの明るい森となる。
ここから先は雪が多い。

夏道では巻いて行くピークだが、雪道ではしっかりと越えていく。
ルート確認の貴重なポイントだ。
青空と雪とブナが気持ちよく、一人にやけてしまう。

振り返ると鳥海山。

やがて、真昼岳も。山頂の神社の社がよく見える。

こちらは女神山。あの切れ込んだ谷底は
昨年遡行した向沢だろうか。

小ピークを越えて、鞍部で雪の下の夏道と合流し、
ピーク865mへ登り返す。
崩壊マークがあるピークで
夏道はその南側を巻いて行く場所だ。

11時25分、ピーク865。
ここはちょっとした展望地になっていて、
真昼岳が目前にのっそりと現れ、
北には和賀岳、秋田駒の
山並みが一望できる。

真昼岳の山頂直下、進行中の底雪崩。

そして眼下にはヤセヅル。本日の核心部か。
雪は適度に柔らかく、凍結はない。
かといって、今すぐ雪崩れそうな脆さもない
・・・ように思える。
トレースは昨日か、一昨日に一人。

時間的にも昼近くなり、タイムアウト寸前だ。
ヤセヅルから先へ行くかどうか、
そしてヤセツルを越えられるのか
しばし考える。

行っちゃえと、ストックを仕舞い、
ピッケルに持ち替え
両脇が切れ落ちた尾根に踏み出した。
雪崩やしないか、滑落しないかとハラハラ。
このリッジを巻いていけるのではないかと
両脇の斜面を見るが
この細い尾根の先端が一番安全そうだった。

渡り終えて一息。
凍結していたなら、諦めただろうなと
本日の雪のコンディションに感謝。
ここで12時。タイムアウトとしていた時間だが
あと一息で稜線に出る。
30分もあれば山頂か。

稜線の登山道手前を
少しショートカットして薮こぎ。
登山道に出た。
山頂手前ピークで12時30分。
無雪期なら
登山口から2時間ほどで到達する山頂だが
本日はここまで3時間以上かかってしまった。
久々の山に体がなまっているのか、
キックステップ頼りの
一歩一歩が時間がかかるのか。

あと15分かそこらで山頂だが、
疲れたのでここまでとする。
また越えなければならないヤセツルが不安なのと
万が一ルートロスしたときの時間的、
体力的余裕を確保したい。
が、何よりくたびれた。
音動岳の向こうに和賀岳が素晴らしい。
奥には秋田駒の
火山らしい見事な外観が、残雪で際立つ。

雪の下山はすいすい捗る。
ピーク865mの向こうには横手盆地。

ヤセヅルを再び。

やれやれ。
13時18分、再び見晴らしのいいピーク865で
遅いランチタイム休憩。
一人歩きだと、気持ちに余裕がなくなるのか
あまり食べずに歩き通してしまう。
そうすると、腿がつるようになる。
帰りのヤセヅル手前で腿がつり、
焦ったが何とか通過。
ピーク865に上がる3mほどが
上がれなくなりかなり焦ったが、
だましだまし乗り越えて
暖かいお茶を飲みおにぎりを食べたら、
すっかり回復した。
食事管理も山のうちか。

さて下山。くらさんのルート旗は多すぎず少なすぎず
とても分かりやすい間隔で付けられているが、
自分の位置把握は自分で。
あらかじめ、
ルートロスしやすいポイントをマークして
行動をシミュレーションしておくと安心だ。
今回の下山では、
夏道を逸れてピーク580mに向かうポイント。
ここは地形もだだっ広く
コンパスはしっかりセットしておきたい。
それと、580mピークの尾根からの降り口。
くらさんのルート旗もこれらのポイントは、
複数の旗を設置している。
が、自分でも判断できるプラスαがあると安心だ。

ヤセツル手前にショウジョウバカマが
咲こうかどうしようか、
春の気配をうかがっていた。
14時45分、登山口到着。
林道脇のバッケを採りながら15時30分、
大鳥居着。
山頂はパスしたが、よい残雪歩きができた。




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