登山ガイドステージⅡの実技検定、
ついに最後のひとつとなった。
検定場所は長野県奥志賀高原。
拠点となるのがここスポーツハイム奥志賀。
秋田から高速道路深夜割引を狙って3時すぎに出発。
14時前には奥志賀だ。
スキー場の規模がでかい。
行けども行けどもスキー場だ。
そのずっと奥に、スポーツハイム奥志賀がある。

前泊なので、他の人はまだ来ておらず
奥の下段を確保。

装備について注意点

さてこの雪の安全管理技術検定、
いつも通り協会からは検定で必要な基本装備の
一覧が届く。入手に時間のかかるものもある。
早めに用意することをオススメする。

地形図は指示通り持っていくこと

たとえば、地形図。25000分の一とある。
なかにはプリントアウトしたものを
持ってくる人もいるが、メインは
国土地理院を用意するのが望ましい。
あとでホワイトアウトナビの課題で使う。

雪見セットも入手しにくいので早めに用意を

そして雪観察セット。
わたしは雪見ちゃんというセットを
慌ててネットで取り寄せた。
5000円くらいする。
しかもあんまり使わなそう。。。
雪崩観察に使用するスノーソー、
プローブなども検定で必須なので忘れずに。

スノーシューとあるからにはスノーシューを!

スノーシューとあるのでこれも忘れずに。
ワカンは原則ダメのようだった。
当日、同じグループの方がワカンを
持ってきていて、検定員に注意されていた。
これはガイドという職業を今後するにあたって
お客さんのニーズを考えれば
最大公約数はワカンより、スノーシューだろう。
実際、雪山ではワカンのほうが汎用性は高いが
それは、自分視点での話だ。
ガイドはお客様ファースト。このあたりの
理解もこの道具チョイスでチェックされるかも。

グローブ

最近最強アイテムと称えられるのが
防寒テムレス。わたしも愛用している。
しかし、検定のロープワークで
このテムレスや、ウールなど、ロープワークに
ふさわしくない装備はアウト。

テムレスはカラビナに引っかかりやすいし
ロープに巻き込まれやすい。しかも
摩擦には弱い。

検定中、インナーグローブでロープワークを
している人がいたが、すぐに検定員から
ストップがかかり注意された。
グローブは摩擦に強い皮のものを必ず。
冬なので防寒性も考慮すること。

とっさに素手で対処したくなるが、
これもアウトだと思う。吹雪で素手になると
あっというまに凍傷になるものだ。
たとえ数十秒でも。経験済み。
検定員の前では冬は、素手で作業しないこと。

ピッケル、アイゼン

慣れた登山ガイドだと、ピッケルバンドは
手首だけのものを勧めるのだが、
慣れない場合は自分が使い慣れたバンドで
なんら問題はない。
もたもたしないことが第一だ。
検定では急斜面をジグザグに下りるテストがある。
このときに、ピッケルの持ち替えがあるので
スムーズにできるバンドを選ぶこと。

行動食

宿泊施設の売店で買えるが、まあ
用意していった方が楽かな。
ただ、かなり検定は時間がタイトで
しかも冬なので、手早く食べられるものを。
昼食タイムなんてせいぜい15分程度だ。
ここでももたもたしていると
検定員からいい印象は持たれない。

さて、前泊で早めに着いたわたしは
すぐさまツエルト張りとロープワークの
最終練習をしといた。
宿泊施設の周りは練習場所には困らない。

検定項目

検定項目については、1ヶ月くらい前に
協会から郵送されてくる。
安全管理基礎検定に比べると
ロープワークよりも
雪山での安全対策への比重が高い印象。

検定員に呼ばれて個々検定

検定項目の、装備、気象、行動時の
配慮などについては、
ひとりひとりが検定員に呼び出されて
行われた。
検定員が客役になり、
山に入る前の注意事項などを
ガイドが一通り話すというやり方。

今日の天気についての予想。これは
数日前から天気図と周辺の予報を
把握しておけばいい。
行動中にどんな天気が予想されるか
それに伴って注意する点など
シミュレーションをしておくといい。

また凍傷や雪目、日焼け
装備の不備がないかなどを
このときも一通り客役の検定員相手に
ガイドを想定してやりとりする。
漏れがないよう、このあたりは
検定項目で示されている内容について
台本を作って丸暗記がおすすめ。

ロープワーク

これは無積雪期の安全管理基礎とほぼ
同じ。横方向へ支点をとって
ロープをフィクスする。
違う点は、雪の中の作業なので
いかにスムーズに動けるかと
自身の防寒。グローブはロープ操作に
支障がないことを前提に、
自身が凍傷にならないよう配慮。

ツェルト

悩ましいのがツエルト使用は
二つの検定項目がある。
ひとつは不時露営時の設営で、これは
無積雪期とそう変わらない。
雪があるので、入り口の工夫
雪のなかでのペグをどうするか、
敷物の銀マット、そんなところ。
ペグはわたしは割り箸を麻紐で
縛ったものを持っていった。
ツエルト張りの評価ポイントは
悪天候で一晩、このツエルトで安全に
過ごすことができるように設営されているか。

もうひとつ、悪天時の休息でのツエルト利用。
これは、素早く張ればいいのか?
もし自分の山行でならば、
単純に被るだけだけど、それだと
検定として簡単すぎやしないか?
他の受験者もこの点をどう解釈していいか
迷っているようだった。

実際の検定では
「悪天で今、5分ほどちょっと
休憩をするだけ。とにかく早く!」
という課題だったので、
これはもう被るだけだなということで
それで正解だったようだ。

雪崩対策

今回からビーコンでの埋没者捜索が
検定項目になったようだ。
ひとりひとり呼ばれて、
埋没したビーコンを人に見立てて
ビーコンで捜索し、プローブを
ヒットさせれば終了。
このときの時間を測定される。
10分以上もかかるようだと
点数はかなり怪しくなるかと思う。。。
生存率が低くなる目安を意識して
早めにプローブでヒットさせるように。
複数埋没捜索ではないので
ご安心を。

ビーコンは機種でクセがあるので
事前に練習は必須。
わたしはマムートのバリーボックス。
雪崩ネットワークなどの人では
トラッカーが人気のようだ。
ビーコンについての記事は
コチラ「ビーコン選びと買ってから」で

プローブの使い方のマスターを。
効率よく発見できる刺し方があるので
練習しておくと安心。

雪山のナビゲーション

実際、5人ぐらいのグループで
ガイドとお客を交代しながら
山歩きをしてテストとなる。
ルートについては、前日に
グループでホワイトアウトナビゲーションを
作成する。この作成はテストではないが
検定員が着いてみているので
積極的にルート設定には関わったほうが
印象がいいと思う。
ホワイトナビゲーション表の作成方法は
これはちゃんと教えてもらえる。

翌日は7時集合で雪崩チェックから。
これが済んだら、山へグループで向かう。
昨日のホワイトアウトナビゲーションを
頼りにガイドする。
ここで読図ができているか、テストされる。
また、雪山なので
より歩きやすいルート、安全なルートを
取っているかもチェックされる。
その途中途中の安全管理、凍傷や
水分補給、暑さ寒さのウエア調整なども
適切かチェックされる。

会場となる山は樹林帯の中で
あまり目印になるようなものも乏しい。
グループでひとり、なかなかルートを
見つけられない人がいて、
どうやら尾根や谷の使い方が
できていないようだった。
このときも、検定員は受験者がわかるまで
終始、無言だ。
そして他のメンバーは待たされる。
ただ、たとえこのようなルートロスに
なったとしても、
顧客の安全配慮をして、ルート探しに右往左往
しているかどうかチェックされるので
どんな場面でも冷静に対処できるよう
注意しておくことだ。

検定項目にはないが
おそらくひとつひとつの作業や
ザックの背負い方
見た目の印象なども微妙に採点に
関わるんじゃないかなと思う。
実際に、お客さんの前に立っていると
そういうつもりで、動作を素早く的確に
冷静に、前向きに、そんなことにも
配慮しておくとなおいいかと考える。

二日間は、トイレ時間も1回しかないくらい
密度が濃い。
道具の扱いにはとにかく慣れておく。
実際のガイド業のつもりで検定に望む。
そんな感じ。

天気は素晴らしくよくって、
ホワイトアウトビゲーションの
検定にならないと、検定員が苦笑していた。