笙ヶ岳てんくらC判定、実のところどうなのよと登ってみた。

笙ヶ岳てんくらC判定、実のところどうなのよと登ってみた。

この土曜日は、ばりこの登山ガイドで
鳥海山の笙ヶ岳の予定でしたが
苦渋の決断で中止に。

天気。天気な。天気がな。
雨が降るか降らないかだけを
見る限りでは、東北のなかでここだけ
雨が降らないどころか晴れるという
ラッキーな空模様。

だが。
天気図↑を見ればどう見たって
風強そう。
てんくら、こと天気とくらすを
チェックしても判定はCで
登山には適さない。

雨降らないよ?
しかも風向きは南東ぎみだから
鳥海山の鉾立側の登山ルートならきっと
晴れるよ?本当にCなのか。

てんくらCの根拠は風速だ。
風速が標高1500mで13とか14とかの
予報となっている。

風速というのは10分あたりの平均値が
表示される。
なので、瞬間風速ではその風速の1.5倍以上に
なる場合もある。

またしても「下見が最高の山日和」の
登山ガイドあるあるに登録実例となるのか。
そして信じていいのかテンクラ。

さんざん悩んで中止とした。
一か八かの、半ばガイドの願望でしかない
「てんくらCだけど行けるかもよ」
にお客さんを巻き込むわけにもいくまい。

そして12日。ガイド山行は中止としたが
てんくらをはじめ、もろもろの気象予報は
どんだけ信用できるのかを検証すべく
朝9時、鳥海山の鉾立口に降りたった。

天気予報では標高1000mは風速13~14。それはどの程度のものなのか、検証登山へゴー!

鉾立へ向かう途中、道路から鳥海山方面を見ると
上空は強風のようで雲らがすでに使徒と化していた。
だが、この手の使徒化した雲でも今まで
登ったことは多々ある。
わたしがきょう検証するのは
使徒がいるあんな上空ではなくて
標高1000〜1500mにおける風速である。

風速13と出ていた鉾立口で車を
おりて、わたしはとても動揺した。
予想では悠長に身支度などできないどころか
車から降りるのすら躊躇うほどの
強風を想定していたのだ。

なのにどうだそよ風だ。

心の中で、今日のガイドを
中止としたお客様へ土下座した。

その、そよ風の様子はこちら。
youtubeに6秒ほどアップしてみました。

いやきっと標高をあげれば風も
吹いてくるだろうと、登っていく。

風は南東方面からなので
登山道の真正面から吹いてくるものの
涼しくて気持ちいいというのが
正直なじぶんの気持ちである。

重ね重ね
お客さんに土下座する。

こちら御浜の外輪山方面の風の様子。
ユーチューブで10秒ほど。
一応、ものものしい雰囲気は出ているが
秋風が気持ちいい。嗚呼。。。

わたしはこのまま快適な
初秋の笙ヶ岳へひとり登るのか。
賽の河原まで来た。

このコース一番の急登を過ぎれば
七合目の御浜神社である。
だいたい、この鳥海湖の外輪で風が変わる。
今日の中止の理由も、外輪から笙ヶ岳までの
稜線歩きの風にある。
さて、てんくらCの本日はいかに?

御浜小屋前は風もさほどなく、
稲倉岳の牛のような姿を眺めながら一息。

鳥海湖!
おお。風、強っ!
鳥海湖の湖面に白波が立っている。

帽子を飛ばされそうになりながら
それでは笙ヶ岳へ向かいますかと
足を向ける。

が。てんくらCの強風に
3歩進んでもう動けない。

7秒で感じるてんくらCの鳥海湖外輪はこちら。
一歩踏み出すその足が風に
持っていかれる。
風の息を待って笙ヶ岳まで行こうか考えたが
無謀なだけだなと考え直す。

ちなみにこれが
気象庁のウィンドウプロファイラー
風速の実測だ。
酒田のこの時間の1000mでの風速は
なんと18となっている。
鳥海山は独立峰なので、地形的な影響が
あまりないとすれば、酒田のこの風速と
あまり変わらない強風が吹いているかもしれない。

こちらはアプリでWindy.com。
世界中の風速予想が見られるもの。
こちらの予報でも似たような強風だ。

ということで、てんくらC判定は本当だった。
そして様々なアプリの予想も
その通りだった。
ただし、C判定であっても今回のルートで
この風向きであれば、風が強い外輪に
出なければ割と快適ではあった。

一方、鳥海山の場合、風が海から吹けば
雲ができやすいのでこうはいかないので
要注意ではあるが。

何はともあれ、今日は中止にして正解だなと
ほっとした。やれやれ。
何年登っていても、まだまだ
学ぶことは尽きない。

御浜小屋から賽の河原へ下りていけば、
朝よりもやや風は強まったものの、
快適な秋のハイキングである。

エゾオヤマリンドウも終盤だ。

いつからできたのか、
ナナカマドのトンネル。

展望台まで降りてきて、
インスタントコーヒーを飲もうとして
ショック。ゴールドブレンドと間違えて
アミノバイタル・ゴールドを持ってきてしまった。
しかも二本も。

しかたないので白湯を
味わいながら奈曽渓谷からの風に
吹かれる。

登山口付近のミズキは
サンゴショウ化。

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